【個人再生⑱】共益債権とは?

共益債権とは何ですか。

1 共益債権とは、再生手続きによらないで、再生債権に先立って弁済される債権のことをいいます(民再121条1項、2項)。
共益債権の例としては、以下のものがあります(民再119条、39条3項、49条4項、120条等)。
再生債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権
債権者が民事再生手続き開始の申立てをした場合の申立費用、保全処分の費用等。
再生手続開始後の再生債務者の業務、生活並びに財産の管理および処分に関する費用の請求権
再生債務者が業務に使用する工場の賃借料、維持費、生活に必要な電気料、水道料等。
再生計画の遂行に関する費用の請求権(再生手続終了後に生じたものを除く)
個人再生委員の費用の前払いおよび裁判所が定めた報酬の請求権
再生債務者の財産に関し再生債務者が再生手続開始後にした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権
事務管理または不当利得により再生手続開始後に再生債務者に対して生じた請求権
その他再生債務者のために支出すべきやむを得ない費用の請求権で、再生手続開始後に生じたもの
再生手続開始決定により中止または効力を失った破産、強制執行等の手続のために再生債務者に対して生じた債権およびその手続に関する再生債務者に対する費用請求権等
双務契約について再生債務者およびその相手方が再生手続開始当時ともにまだその履行を完成していないときに、債務の履行が選択された場合の相手方が有する請求権
再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権)
再生債務者が再生手続開始の申立て後再生手続き開始決定前に、資金の借入れ、原材料の購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為をする場合で、裁判所がその行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨許可したもの