【離婚⑬】財産分与の対象は?

財産分与の対象となるのはどのような財産ですか?

1 婚姻中の財産には、特有財産(遺産等名実ともに一方が所有する財産)、共有財産(名実ともに夫婦の共有に属する財産)、実質的共有財産(名義は一方に属するが、夫婦が協力して取得して得られた財産)の3つがあります。
財産分与の対象となるのは、このうち、共有財産と実質的共有財産のみであり、特有財産は原則として財産分与の対象とはなりません。
しかし、なかには、分与請求者が特有財産の減少防止に協力したとして、特有財産の一部について分与を認める裁判例もあります(東京高裁昭和55年12月16日判決)。
また、会社が個人経営の実態を有する場合における会社財産、夫の実家の家業に相応の報酬を受けずに従事していた場合における当該家業により形成された夫の父親の財産も分与の対象となります
ただし、これらの場合、分与の対象が第三者名義であるため、分与義務者に対して金銭的な清算を義務づけるほかありません。