【自己破産⑩】非免責債権ってなに?

非免責債権とはなんですか?

破産債権のうち、破産法253条1項ただし書各号所定の特定一部の債権には免責の効果は及ばないとされています。
これを非免責債権といいます。
債権者保護の必要性(2号~5号)、個別の破産債権に内在する非免責特性の考慮(1号、7号)、手続参加の機会を奪われた債権者の利益ないし破産者に対する制裁的要素(6号)を考慮して、破産者の経済生活の再生より優先するとの政策的理由から免責の効果が及ばないとされています。
【非免責債権】
1 租税等の請求権
2 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
3 破産者が故意又は重過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
4 親族関係に係る一連の請求権(養育費、婚姻費用等)
5 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
6 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
なお、同号の非免責債権には、破産者が過失によって債権者名簿に記載しなかった債権も含まれるとするのが裁判例です(東京地裁平成14年2月27日判決)。
7 罰金等の請求権