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【フランチャイズ契約㉘】エリア・エントリー契約

エリア・エントリー契約とは何ですか。

1.エリア・エントリー契約とは、フランチャイザーが、契約の相手方に対して、特定の地域での(優先的な)出店権を付与する契約です。

 店舗用物件が確定した場合に、自動的にフランチャイズ契約としての効力を生じるものと、別途、フランチャイズ契約を締結し直すものに分かれます。前者が、狭義のエリア・エントリー契約で、後者がエリア・エントリー型フランチャイズ契約と言われます。

2.狭義のエリア・エントリー契約では、店舗用物件が確定した後に改めてフランチャイズ契約の締結を要します。フランチャイズ契約が締結された段階でエリア・エントリー契約は失効し、エリア・エントリー・フィーはフランチャイズ契約の加盟金に充当されます(東京地判平成19年3月15日)。

3.エリア・エントリー型フランチャイズ契約では、契約書内に、ロイヤルティ、研修、指導、商品の仕入れ、秘密保持義務、競業避止義務などといったフランチャイズ契約の基本事項も記載されています。
支払われるエリア・エントリー・フィーは加盟金と同額であるため、物件が確定すればそのまま加盟金に充当され、さらに研修や指導といったフランチャイズ契約上の条項も自動的に発動されます(東京高判平成21年12月25日)。

 なお、エリア・エントリー契約により付与される権利は、あくまで優先出店権にとどまります。出店した段階で優先出店権は消滅するため、契約書上でテリトリー権(優先営業権)まで保証されていない場合には、当然に優先(もしくは独占)営業権まで保障されているわけではありません(東京地判平成18年5月15日)。

4.このようなエリア・エントリー契約は、フランチャイザーとしては早期に加盟金(エリア・エントリー・フィー)を確保できるというメリットがありますし、加盟希望者としても、優良商圏での出店権を早期に確保できるというメリットがあります。
 
 他方で、いったん契約をしたものの、なかなかいい物件が見つからず、いつまでたっても出店できないなどのトラブルも生じてしまいます。

5.エリア・エントリー契約を締結したものの、いい物件が見つからなかった場合、多くのエリア・エントリー契約には、エリア・エントリー・フィー不返還特約が定められているため、加盟金不返還特約と同様の問題が生じます。

 この問題は、民法の公序良俗という一般条項による解決が図られるため、裁判所の判断を予想することが難しいです。


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