Monthly Archives: 9月 2018

同一労働同一賃金9 特別休暇に関する同一労働同一賃金問題(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、特別休暇について労働契約法20条に違反するとされた裁判例を見てみましょう。

日本郵便(佐賀)事件(福岡高裁平成30年5月24日・労経速2352号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で、有期労働契約を締結し,同社の運営する郵便局(本件郵便局)において、所属課の上司の下で郵便の集配業務に従事し、平成26年1月22日をもって退職したと主張するXが、①基本賃金・通勤費、②祝日休、③早出勤務等手当、④夏季・年末手当、⑤作業能率評価手当、⑥外務業務手当、⑦特別休暇(夏季休暇・冬期休暇)の付与の有無に関する正社員との相違について、労働契約法20条に違反し不法行為が成立するとして損害賠償を求めるなどした事案である。

【裁判所の判断】

特別休暇については不合理な相違である。

【判例のポイント】

1 夏期及び冬期休暇が、主としてお盆や年末年始の慣習を背景にしたものであることに照らすと、かかる休暇が正社員に対し定年までの長期にわたり会社に貢献することへのインセンティブを与えるという面を有しているとしても、そのような時期に同様に就労している正社員と時給制契約社員との間で休暇の有無に相違があることについて、その職務内容等の違いを理由にその相違を説明することはできず、制度として時給制契約社員にこれが全く付与されないことについては、不合理な相違であるといわざるを得ない。
 時給制契約社員は、正社員と異なり当該期間が当然に勤務日となっているわけではなく、勤務日と指定されたとしても、当該期間中にその全てが正社員と同程度の日数の勤務に従事するとは限らないが、上記のとおりの休暇が設けられた趣旨を踏まえれば、正社員の夏期特別休暇に在籍日要件が設けられているように、当該期間中の実際の勤務の有無や、平均的な勤務日数などの要件を付加した上で、時給制契約社員に対し、正社員に比して一定割合の日数を付与するという方法も考えられるところであって、当該期間中に実際に勤務したにもかかわらず、正社員と異なりおよそ特別休暇が得られないというのはやはり不合理な相違といわざるを得ない。
Xが所属する労働組合と、Y社との間では、平成19年10月22日付けで、期間雇用社員の休暇に関し労働協約が締結されており、そこには夏期・年末年始休暇についての定めはないものの、そのことだけでは、不合理性を否定することはできないというべきである。
そして、本件においては、前記認定のとおり、Xが正社員とほぼ同程度の勤務日数、勤務時間で就労していたと認められることに照らすならば、Xに対しては、同程度の休暇を付与するのが相当であったというべきである
したがって、労働契約法20条が制定された平成25年4月以降、Y社が、Xに対しかかる休暇取得の機会を与えなかったことは、同条に反し、Xに対する不法行為に当たるというべきである。

労働契約法20条に関する新たな裁判例です。

上記①~⑦のうち、⑦に関する相違のみが違法とされています。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介840 ビジネスエリートが実践している1日30分で理想の体型を手に入れる方法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ビジネスエリートが実践している1日30分で理想の体型を手に入れる方法

いかに時間のない毎日の中で効率よく効果的なダイエットをしていくのかが書かれています。

いつも書いていることですが、簡単な話、毎日1時間早く起きればいいだけの話です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人は『いまの自分』を正当化し、守ろうとする防衛本能を持っている。この本能の働きが、『仕事が忙しくて』『年をとったから』『飲み会が多いから』『運動する時間が無いから』と、でっぷりと出てしまった腹を正当化しようとする。
しかし、こうした言い訳は、聞く相手にとっては、見苦しい言い逃れにしか聞こえない。これらの『言い訳』が、あなたにプラスに作用することはほとんどない。自ら信用を下げて、自分という人間を低くしてしまっている。言い訳する暇があったら、黙っていまできることを実行する方がずっと人にも信頼される。」(46頁)

どうしよう。

何も付け加えることがないくらい、ぐうの音も出ないくらい正論です(笑)

と言いつつ付け加えますと、筋トレは、30分あればかなりのことができます。

むしろ本気で筋トレして1時間も2時間もやるほうが大変です。もうヘトヘトですよ。

30分すら時間を作れないのでしたら、もはや何も言うことはありませんが、そんな人はいません。

30分早く起きればいいのですから。

「できない」のではなく、単に「やる気がない」だけです。

労働時間52 バス運転手の待機時間の労働時間性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、待機時間が労働基準法32条の労働時間に該当しないとされた裁判例を見てみましょう。

南海バス事件(大阪高裁平成29年9月26日・労経速2351号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されて路線バスの運転手として稼働するXが、Y社に対し、時間外割増賃金の一部が未払であると主張して、未払時間外割増賃金及びこれに対する各給与支給日の翌日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金並びに付加金及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金をそれぞれ請求する事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 労基法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、実作業に従事していない時間(以下「不活動時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである。
 不活動時間においては、その間、労働者が労働から離れていることを保障されて初めて、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができるのであって、不活動時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして、当該時間において、労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には、労働からの解放が保障されているとはいえず、労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である。

2 バスの移動、忘れ物の確認、車内清掃等は、基本的にはバスターミナル到着後2分間及び次の運行開始時間前4分間で行うことが可能であり、それ以外の待機時間について、乗務員は、休憩を取ることが可能であった。そして、Y社は、乗務員が休憩するための施設として一部のバスターミナルに詰所を設置しており、Xを含む多くの乗務員がこれを使用していたこと、休憩中にはバスを離れて自動販売機等に飲料を買いに行くことも許されていたこと、乗務員がバスから離れることができるようバスには施錠可能なケースや運転台ボックスが設置されていたこと、X自身もバスを離れてトイレや詰所に行っていたことなどの事実に照らせば、乗務員が待機時間中にバスを離れて休憩することを許されていたことは明らかである
そして、上記のとおり、乗務員は、予定時間より早くバスを移動させることができるように準備しておく必要もなかったのであるから、出発時間の4分前にバスを停留所に接着できるようにバスに戻ればよく、その間は自由にバスを離れることが可能であった。
このように、待機時間中、乗務員は自由にバスを離れて休憩をとることが可能であった上、Y社は、乗務員が休憩中であることを理由に乗客対応を断ることや貴重品や忘れ物をバス車内に置いてバスを離れることを認めており、乗務員は、待機時間中には、乗客対応、貴重品や忘れ物、バス車体等の管理を行うことを義務付けられていたとは認められない。

3 これに対し、Xは、待機時間中も臨機応変にバスを移動できるように態勢を整えておかなければならず、そのような態勢を整えることが黙示的に義務付けられていたと主張するが、かかる主張は、X自身、トイレ以外の不急の事由でバスを離れていたことと相容れず採用できない。
また、Xは、運行途中でのバスの車体点検が業務である旨主張するが、他方でd営業所における休憩については、休憩室等の設置やバスが車庫で管理されていることなどを理由に職務から解放されている旨主張しているところ、運行途中のバス点検業務の有無は休憩所等の設置やバスの管理方法とは無関係なものであるはずであり、その主張に整合性はなく採用できない。
なお、Y社が待機時間中に業務を行った場合には延着時分申告書を提出する旨取り決めていたとしても、そのことをもって、Y社がXら乗務員に待機時間中の乗客対応やバスの移動等を黙示的に義務付けていたと評価することはできない。
 ・・・したがって、乗務員は、待機時間中、労働からの解放が保障されており、待機時間は、労基法上の労働時間とは認められない。

上記判断は、控訴審(大阪高裁平成29年9月26日)、上告審(最高裁平成30年4月17日)でも維持されています。

休憩時間なのか手待時間なのかという論点はよく出てきますので、裁判所がどのような点を見て判断しているのかを理解しておきましょう。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介839 スゴイ!稼ぎ方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
お金のポケットが増える スゴイ! 稼ぎ方

「複業」を薦める本です。

中途半端に手を出すとだいたい火傷するパターンですけどね(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

成功者は運や流れをもっとも重視しています。負のオーラを排除し、プラスのエネルギーを好んできたので、その群れがあるのです。・・・初めはご一緒させていただくことが息苦しかったり、馴染めなかったりするのですが、足繁く通い詰めることで、馴染み始めます。・・・なにしろ大切なのは『成功者に可愛がられること』です。引っ張り上げてくれる人との出会いは刺激的です。」(128~129頁)

特に若いうちは、かわいげがあるかどうかが重要です。

自分に力がないうちは成功者に可愛がられて、上に引き上げてもらうことが大切です。

あとは、この「かわいげ」の意味をどう解釈するかです。

周りにいる若くても上の人にかわいがられて成功している人の特徴を観察してみましょう。

決して単なるイエスマンでも太鼓持ちでもないことがわかると思います。

不当労働行為203 組合機関誌回収指示に従わなかった組合員に対する自宅待機命令と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、組合機関誌を配布した組合役員5名に対し、回収の指示に従わず、真面目な反省と謝罪がないとして自宅待機を命じたことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

市川学院事件(兵庫県労委平成30年2月22日・労判1180号154頁)

【事案の概要】

本件は、組合機関誌を配布した組合役員5名に対し、回収の指示に従わず、真面目な反省と謝罪がないとして自宅待機を命じたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 組合機関誌は、いずれも終業時刻後という、生徒が職員室等に入室する頻度が比較的少ない時間帯に、生徒の目に触れにくい方法で配布されており、生徒に対する教育的配慮がなされているものと認められる

2 Y社は、2年前の署名依頼文書の件以来、組合に対して、組合機関誌の配布を自粛するよう繰り返し要請しているが、この自粛要請の趣旨について前記のとおり、理事長が本件審問において明確には供述していないことに加え、自粛要請に従わずに配布した「X2○号」を配布直後にY社が自力で回収するという所為に出たことを併せ考えると、Y社による自粛要請は、実質的には校内における一切の組合機関誌の配布を禁止する趣旨であると解される。したがって、組合機関誌の配布がY社の業務運営上も生徒に対する教育的配慮の上でも問題があるとは認められないにもかかわらず、Y社が取った一連の対応は、反組合的動機に基づくものと言わざるを得ず、組合を嫌悪し、組合の弱体化を狙ってなされたものであると認められ、労働組合法第7条第3号の不当労働行為に該当する。

3 本件自宅待機命令は、平成28年9月12日に解除されたが、本件自宅待機命令によりA1ら5人が被った精神的不利益は回復されておらず、また、Y社が解除した理由は、A1ら5人に対する自宅待機命令を維持したままにすると授業に支障を来すからであって、本件自宅待機命令が不当労働行為に該当することを認めたためではないことからして、Y社は、今後も組合機関誌の配布に理事長の承認を要求し、承認なく配布した場合、自宅待機命令等の不利益取扱いや組合に対する支配介入を繰り返すおそれは消えていないので、未だ救済の必要性が失われたとは言えない

上記命令のポイント3は参考になりますね。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介838 勝利のルーティーン(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
勝利のルーティーン 常勝軍団を作る、「習慣化」のチームマネジメント

少し前の本ですが、ワールドカップからの流れで読んでみました。

ミーハーか!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

夢と現実があまりにかけ離れたシーズンを送っていると、選手生命はアッという間に終わってしまう。チームにおける自分のポジションを冷静に判断し、バックアッパーならそれ相応の努力をしないとレギュラーは奪えない。」(184頁)

「自分のポジションを冷静に判断」するというのは、サッカー選手に限らず、あらゆるビジネスマンに求められる力だと思います。

ここを見誤ると、選択を誤り、本来経験する必要のない挫折を味わうことになります。

挫折もまた必要なプロセスと評価することも可能でしょうが、しなくていい挫折はしないほうがいいでしょう。

もっとも、自分のポジションを冷静に判断することはとっても難しいことです。

したがって、信頼をしている人と話をして、ポジションを判断するヒントをもらうというのがよいと思います。

解雇277 適格性欠如を理由とする解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、有期歯科医長に対する適格性欠如を理由とする期間途中の解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

国立研究開発法人国立A医療研究センター(病院)事件(東京地裁平成29年2月23日・労判1180号99頁)

【事案の概要】

本件は、5年の期間の定めのある労働契約(以下「本件労働契約」という。)に基づきY社の運営する病院(以下「被告病院」という。)の歯科医長を務めていたXが、歯科医療に適格性を欠く行為があり、部下職員を指導監督する役割を果たしていないなどとして、期間途中に普通解雇(以下「本件解雇」という。)をされたが、やむを得ない事由はなく、本件解雇は無効であるとして、労働契約上の権利を有することの地位の確認を求めるとともに、未払賃金、賞与及び慰謝料並びにこれらに対する遅延損害金の支払を請求する事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効
Y社は、Xに対し、平成26年5月以降、本判決確定の日まで、毎月16日限り、93万1055円+遅延損害金を支払え。

Y社は、Xに対し、491万6000円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Y病院は専門性・先進性を備えた医療行為を行うことを標榜しており、歯科の診療内容をみても、一般の歯科医院からの紹介患者を広く受け入れるなどして、治療困難な患者や症例等に積極的に対応して高度な治療行為を行っているほか、Y病院の他部門と連携を取りつつ入院患者や手術予定患者の口腔管理を行っているというのであるから、Y病院で歯科医療に携わる場合には、一般的な歯科医療機関に従事する以上に歯科医療に係る高度な知識や技術、他部門と連携して医療行為を行うための協調性やコミュニケーション能力が必要とされており、取り分け歯科医長の地位に就く者については、自身がこうした資質を備えるほか、こうした資質を備えた他の歯科医師その他のスタッフを指導し、統率する能力が求められているということができる。Y社が歯科医長を募集した際に掲げた上記の要件等や相応に高額の給与等が保障されていることにも、これらの点が反映されているものとみることができる。
他方で、歯科医療行為に係る知識や技術については、それ自体高度な専門性を有する事柄であり、当該患者の身体の状況について実際に得られた具体的な情報を基に、当該患者の意思・希望や、治療行為を行う際の人的・物的態勢等を踏まえつつ、その都度適切な治療行為を選択して実施すべきことからして、その治療行為の選択には担当する歯科医師に相当広範な裁量が認められることも論をまたないところである。Y社は、本件解雇の理由として、Xのした多数の治療行為について医療安全上の問題があったことを指摘するが、上でみたような医療行為の特性を踏まえるならば、治療行為が解雇の理由として考慮に値するようなものに当たるか否かは、当該治療行為が相当な医学的根拠を欠いたものか、実際に当該治療行為が行われた患者の身体の安全等に具体的な危険を及ぼしたか、治療行為に際して認められる裁量を考慮しても合理性を欠いた許容できないものといえるかといった観点からの検討が不可欠なものということができる

2 本件解雇に至る経緯は前記のとおりであり、本件解雇理由については解雇理由書でその内容をある程度明らかにしているとはいえ、事前にはその内容の開示に応じていないし、そもそも本件問題行為については解雇時に考慮された事情として明らかにされていない。本件解雇理由や本件問題行為がXのした医療行為としての相当性を問題にしていることからすれば、当事者であるXに具体的事実を示さず、弁明の機会を一切与えていない点は、手続面で本件解雇の相当性を大きく減殺させる事情といわなければならない
本件解雇理由及び本件問題行為はY社主張の事実自体認められないものが多くを占め、一部認められるもの(本件解雇理由21及び本件問題行為(14))もあるが、定められた期間途中での解雇を可能とする、やむを得ない事由に該当するとはいい難く、さらに、上記でみた事情も勘案するならば、本件解雇は無効という評価を免れ難いものというべきである。
したがって、Xは、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあり、賃金請求権を有すると認められる。

3 解雇や退職勧奨を受けた事実が周囲に知られた場合に通常は不名誉を感じることを否定できないとしても、解雇された労働者が被る精神的苦痛は、当該解雇が無効であることが確認され、その間の賃金が支払われることにより慰謝されるのが通常であり、これによってもなお償うことのできない精神的苦痛を生ずる事実があったときに慰謝料請求が認められると解するのが相当である。
Xは、A病院長が退職勧奨の事実を言いふらし、歯科スタッフを通じてその事実がY社病院外へも流布されたと主張し、これに沿う供述をするが、情報がY社病院外に拡散した経過は定かではない上、XがY社から解雇を受けたことが公にされた場合に通常生ずる以上の精神的苦痛を被ったとまではにわかに認め難い
よって,XのY社に対する慰謝料請求は理由がない。

上記判例のポイント1のとおり、歯科医師の専門性の高さから、解雇事由の判断について労働者に広い裁量を認めています。

このような規範からすると、よほどの重大な治療行為の瑕疵が認められない限り解雇は有効とはなりません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介837 人生やらなくていいリスト(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
人生やらなくていいリスト (講談社+α文庫)

帯には「頑張らなくていいことに『命=時間』を費やしている君へ」と書かれています。

時間を無駄にするということはすなわち命を無駄にしていることです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

大切なのは、『会社対会社』ではなく、『人対人』という、根本的かつあたり前のことを、意図せずにやっていたことになる。」(100頁)

仕事に限らず、人生でも同じ。本当に必要なのは、『多数のなんとなく仲のいい人たち』ではなく、心から信頼できる『ひとり』であることを、ぜひ知っておいてほしいんだ。」(101頁)

時間を無駄なことに奪われることほど苦痛なことはありません。

無駄な会議、会合がいかに多いことか。

出席したほうが体裁はいいですが、限りある時間を犠牲にすることは耐えられないのです。

やるべきことだけに専念したいと願うのは僕だけではないはずです。

無駄なことなど人生にはないと言う人がいますが、人生は無駄なことばかりだと僕は思います。

無駄をいかに省き、時間を作るか。

この意識を強く持つことが人生を変えるきっかけになるのだと思います。

不当労働行為202 ストを行った組合員に対する遅刻届・始末書の要求と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、ストライキを行った組合員2名に対して遅刻届および始末書の提出を求めたことが不当労働行為にあたるとされた事案を見てみましょう。

日本郵便(新大阪郵便局)事件(大阪府労委平成30年3月27日・労判1180号153頁)

【事案の概要】

本件は、ストライキを行った組合員2名に対して遅刻届および始末書の提出を求めたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 労働関係調整法第37条の規定は、抜き打ちストによる公衆の生活への被害の防止を図る規定であって、使用者自体の利益を保護する規定ではなく、労働組合が同条違反の争議行為を行った場合でも、争議行為予告がなされなかったことにより公衆に不当な損害を与え使用者にその損害補てんの責任を余儀なくさせるなどの特段の事情のない限り、使用者との関係において直ちに違法となるものではない。

2 Y社が、本件ストライキが違法なストライキであることを理由に、本件ストライキに参加した組合員らに対し、ストライキによる不就労について遅刻届及び始末書の提出を求めたことに、正当な理由は認められない

3 そもそも、遅刻届や始末書の提出を求めること自体に正当な理由が認められない上、始末書の提出は、それ自体が懲戒処分ではないとしても、Y社も主張するとおり非違行為に対する弁明の機会を与えるものである以上、本件ストライキが非違行為に該当するとの前提の下、何らかの懲戒処分が行われることを予期させるものであるし、また、遅刻届の提出についても、始末書と同時にその提出を求めることで、上記予期を一層強める効果を持つものであるといわざるを得ない。

4 Y社が本件ストライキについて組合員らに対して遅刻届及び始末書の提出を求めたことは、労働関係調整法所定の手続が採られていなかったことを盾に取って組合の活動をけん制するものであったといわざるを得ず、組合に対する支配介入に当たり、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為である。

労働関係調整法37条は以下の内容です。

「公益事業に関する事件につき関係当事者が争議行為をするには、その争議行為をしようとする日の少なくとも十日前までに、労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならない。」

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介836 孤独がきみを強くする(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
孤独がきみを強くする

帯には「群れるな。孤独を選べ。」と書かれています。

著者の強く熱いメッセージが前面に出ています。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ほんとうに生きるということは、環境に迎合したり、安易に受け入れられ、好かれたりすることではない。ぼくは、いわゆる成功はむしろ絶望に等しいと思っている。いつでも計算を超えた無目的な闘い、あらゆる対象への無条件の挑みをつづけることが人間的であり、生きがいであると信じている。」(17頁)

こういう文章を読むたびに、いつも成功は安定や安心の真逆のところにあるのだと感じます。

周りから「そんなもん絶対に成功しないよ」と言われることを、途中で投げ出さずにやり続けられるか。

1か月やそこら結果が出ないからといって、すぐにやめてしまうのでは、何をなっても結果なんて出やしません。

仕事も勉強も一緒で、すぐにすぐ結果は出ないことを理解すべきです。

種を蒔いて、水を上げても、すぐに芽が出ないのと同じことです。

みんなが右と言えば、左に進むくらいの挑戦をし続けることが成功への近道だと確信しています。

みんながみんなできることではありませんが、だからこそ成功者はほんの一握りなのでしょう。