Daily Archives: 2019年2月7日

継続雇用制度24 嘱託契約更新における労働者の更新申込みの有無(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、嘱託契約更新の申込みが否定され、更新拒絶の無効による地位確認請求が棄却された裁判例を見てみましょう。

共同交通事件(札幌地裁平成30年10月23日・労経速2363号42頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に嘱託社員として雇用されていたXが、期間満了に伴うXの本件嘱託契約更新の申込みに対するY社の更新拒絶は無効であると主張して、Y社に対し、嘱託社員契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、不法行為に基づき、平成28年1月から5月までの未払賃金相当額58万9704円+遅延損害金等の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件嘱託契約が終了する時点では、新賃金体系に反対する乗務員を含む全乗務員に対し、新賃金体系が適用されていたことからすると、Y社としては、Xが新賃金体系に反対していたからといって本件嘱託契約の更新を拒絶する必要はなかったこと、現に、Xと同様に初回更新を迎えた嘱託社員のうち、契約更新を希望した嘱託社員20名全員につき嘱託契約が更新されているうえ、E及びBは、平成27年11月頃の時点で、Xから本件嘱託契約更新の申込みがあれば、これに応じることを決断していたこと、上記20名全員が嘱託契約の更新に際し、Y社に履歴書を提出しているところ、Xは履歴書を提出していないこと、Xは、本件嘱託契約の終了後、Y社に対し、自身の就労を要求したり、本件嘱託契約が更新されなかったことにつき抗議したりすることはなく、かえって、健康保険証を返還したり、従業員代表の辞任届を提出したり、離職票の発行を要求したりしていること、本件組合も、Y社に対し、Xの就労を要求したり、本件嘱託契約が更新されなかったことにつき抗議したりする内容の書面を提出するなどの措置を執っていないことからすれば、XのY社に対する本件嘱託契約更新の申込みの事実は認められないというべきである。

判決理由を読む限り、XがY社に対して契約更新の申込みを認定することは困難です。

高年法関連の紛争は、今後ますます増えてくることが予想されます。日頃から顧問弁護士に相談の上、慎重に対応することをお勧めいたします。