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【東京高判平成12年3月9日・財産分与】交通事故の賠償金が離婚に際して清算対象となるかについて判断した事例

1 「控訴人の損害のうち、休業損害は、財産分与の対象になり得るものであるが、別居時点である平成7年4月までの休業損害として月額47万7960円、平成6年12月の賞与減額分として111万3165円は既に支払われており、これらの支払いを受けた休業損害金が別居時点において残存していたことを認めるに足りる証拠はない。

したがって、離婚に際してこれを清算する余地はない。

次に、後遺障害逸失利益は、症状固定日以後、将来の逸失利益であって、これについて被控訴人が寄与しているというものではないことは明らかである。 

したがって、夫婦の協力によって形成された資産ではなく、財産分与の対象にはならないものである。

さらに、慰謝料も、控訴人固有の苦痛を慰謝する性質のものであって、これが財産分与の対象にはならないことは明らかである。

その他の治療費、付添看護費、入院雑費、看護交通費及び器具等購入費は、現実の出捐に対応し、これを補填するものであって、財産分与の対象とはならないことは明らかである。」

2 「被控訴人には何ら資産はなく、生命保険の外交員としての給与と両親からの経済的援助によって生活していることが認められる。

したがって、その年齢、職業、資産状況からすると、離婚後の生活には不安が残るといわざるを得ない。
 
しかし、控訴人も重度の障害者であり、収入としては、年金のほかには、これまでに受領し、あるいは今後受領する予定の損害賠償金があるだけであって、経済的な余裕があるとは考えられない。
 
そこで、これらの事情を勘案し、離婚後の扶養分として、100万円を分与すべきものとする。

また、子供2人の養育費分については、離婚までの養育費は婚姻費用の清算分の算定において考慮済みであり、離婚後の養育費は民法766条又は877条に基づいて控訴人に別途請求すべきものであり、財産分与に含めて請求することはできないと解される(離婚訴訟において、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、申立により、子の監護に必要な事項として、離婚後子の監護をする当事者に対する監護費用の支払いを他方の当事者に命ずることができるが、本件においてはこの申立はない。)。

したがって、本件における財産分与額の算定に当たっては、離婚後の養育費は考慮しない。」


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