弁護士法人栗田勇法律事務所 > 離婚問題重要判例紹介 > 【東京高決平成22年12月・養育費/婚姻費用】子の持病や障害等による費用加算が問題となる場合

【東京高決平成22年12月・養育費/婚姻費用】子の持病や障害等による費用加算が問題となる場合

1 本件は、軽度の知的障害を有する子が、学習支援を受けるために通う学習塾について、その費用を婚姻費用に加算して、義務者に支払わせることができるかが争われた事例である。

2 「学習塾の費用は、標準的な算定方式においては考慮されていない支出であるところ、長男の障害、通塾開始の経緯及び目的、通学・学習状況に鑑みれば、長男が十分な義務教育を受けるための教育支援の費用として高い必要性が認められる

同学習塾と同種の目的で公的機関の援助を受けることが可能であるとしても、当事者双方の収入に鑑みれば、教育支援のため私設の学習塾を利用することが直ちに不相当な支出に当たるとは言い難く、むしろ、別居の約3年半前から継続して長男が同学習塾に通い、抗告人(夫)もその送迎等を行ったり家計費から費用を負担することを止めることなくこれに協力していたこと、抗告人が別居前に長男の通塾について明確な反対の意向を示したことを認めるに足りる資料はないことからすると、長男を当該学習塾に通わせることについて抗告人の承諾があったものと推認でき、同推認を覆すに足りる資料はない。

長男が当該学習塾で受ける学習支援の内容は、その時々の状況に応じて変わり得るものであり、通塾回数や内容の変化が、別居の前後で上記承諾の範囲を超えたものであると認めるに足りる資料もない。

以上の事情によれば、別居後においても、抗告人に通塾費用のうち一定程度を婚姻費用として負担させるのが相当というべきであり、原審判は相当である。」

3 原審判は、当事者双方の経済状態に鑑み、学習塾の月謝の約4分の3に相当する3万円を婚姻費用に加算した(月謝の残額と通塾交通費は申立人(妻)が負担するものとした。)。

4 参考事例

障害児につき、医療介護費を夫婦の基礎収入割合で按分した額を、養育費に加算し、算定表よりも1万円高くする案を調停委員会が提示して調停がまとまった例(平成20年8月東京家裁調停)


パーマリンク

コメントは停止中です。

弁護士法人栗田勇法律事務所 〒420-0858 静岡県静岡市葵区伝馬町9-10NTビル301 TEL 054-271-2231 アクセスページへ ご相談のお申込に関するQ&A お問い合わせはこちら
営業エリア

静岡市葵区・駿河区・清水区、焼津市、藤枝市、島田市、
吉田町、牧之原市、御前崎市、菊川市、掛川市、袋井市、
磐田市、浜松市中区・東区・西区・南区・北区、湖西市、
富士市、富士宮市、裾野市、沼津市、御殿場市、三島市、
熱海市、伊豆の国市