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【東京高決平成23年11月・婚姻費用】権利者居宅の住宅ローンを義務者が支払っている場合の認定方法

1 「住宅ローンの支払は、その建物が抗告人(夫)の所有名義であり、抗告人の資産形成の性質を有することに照らすと、これを直ちに抗告人が相手方の住居費を支払って婚姻費用を分担しているものと認めることはできない上、標準算定方式における特別経費においては、住居関係費として実収入の8.5%程度が考慮されており、これを抗告人の総収入2200万円についてみれば年額約187万円の住居関係費が既に考慮されていること、抗告人の不貞により別居に至ったものであることなどの事情を総合すると、抗告人の住宅ローン支払額を考慮して婚姻費用分担額を減額すべきものとは認められない

したがって、住宅ローン支払額を考慮せず、双方の年収を標準算定方式に当てはめて抗告人の分担すべき婚姻費用を算出すると、月額24万円となる。」

2 本件では、権利者の生活に余裕がない反面、義務者が有責配偶者であったことに加え、義務者の収入が高額であるのに対し、ローンの支払がそれほど高額でなく、標準算定方式で考慮される住居関係費の割合と大差ないことから、婚姻費用分担額を減額することが公平に悖ると判断されたものといえる。

3 参考事例

妻は無職無収入で、9歳と11歳の子を監護養育しており、夫は自宅を出て不貞相手と同居し、住宅ローン月約9万4000円と、不貞相手との家賃6万8000円を支払っている事案において、住宅ローンの返済については財産分与において清算すべきであり、これを婚姻費用の分担額の算定に当たって考慮するのは相当でない、標準算定方式においては、夫の年収額に対する標準的な住居関係費として月5万0040円が折り込まれているところ、夫は住居関係費を二重に支払っていることになるが、住宅ローンの返済については上記のとおり財産分与において清算すべきであり、また、別居の原因は主として夫にあったと認められるから、家賃と標準的な住居関係費の差額を婚姻費用の分担額から控除するのは相当でないとした例(大阪高決平成21年9月25日)


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