1 「未成年者らに相手方(原審申立人)を拒否する明確な意思があるとは認められないが、相手方(原審申立人)と未成年者らとの交流は長らく途絶えていたことから、未成年者Dには、相手方(原審申立人)の記憶がなく、未成年者Cの記憶も断片的なものであり、相手方(原審申立人)も、成長した未成年者らの性格等を把握できているとはいえず、本件試行的面会交流が双方共に緊張して十分に打ち解けないままに終わってしまい、未成年者らが面会交流に対して消極的な気持ちに転じてしまったことを考慮すると、最初から相手方(原審申立人)と未成年者らとだけで長時間の面会交流を設定することは、未成年者らにとって精神的負担が大きく、かえって面会交流に対する消極的な気持ちを強くさせかねないことや、未成年者らに対する対応に不慣れな相手方(原審申立人)にとっても課題が多いといえることから、最初は面会交流時間を比較的短時間に設定し、回数を重ねながら、段階的に面会交流時間を伸ばしていく方法を執るのが相当である。」
2 「面会交流の意義及び以上説示した点に加え、抗告人(原審相手方)は、面会交流について一定の理解を示しつつも、具体的な試行的面会交流の設定場面では結果的にこれを拒否することを繰り返したこと、相手方(原審申立人)の未成年者らとの面会交流に対する希望、未成年者らの年齢、未成年者らの相手方(原審申立人)との面会交流に対する心情、未成年者らの気持ちを気遣う抗告人(原審相手方)の心情等本件に現れた一切の事情を考慮すると、面会交流は1か月に1回、第二土曜日とし、初回から3回目までは午前11時から午後1時、4回目から7回目までは午前11時から午後3時、8回目以降は午前11時から午後5時までとし、未成年者らが相手方(原審申立人)との面会交流に消極的な気持ちを有しており、実施当初に不安を覚えることも予想されることに鑑みて、初回及び2回目までは抗告人(原審相手方)の立会いを許し、引渡場所は抗告人(原審相手方)宅の最寄り駅であるE駅改札付近において、開始時刻に抗告人(原審相手方)が相手方(原審申立人)に未成年者らを引き渡し、終了時刻に相手方(原審申立人)が、同所において抗告人(原審相手方)に引き渡す方法によることとするのが相当である。」