【大阪地決平成27年12月24日】債務超過会社における全部取得条項付種類株式の取得価格

1 「利害関係参加人は、通貨デリバティブ取引による多額の債務を抱え、平成22年に上場廃止となった後も債務超過の状態を脱することができず、第64期の期末である平成26年8月31日の時点においても、約34億1920万円の債務超過の状態にあったものである。

また、利害関係参加人の事業用資産等の保有資産は、債務額を減少させるために売却が続けられ、第62期の時点では売上高が約27億3145万円であったものが、第64期には売上高は約3億0783万円にまで減少し、他方、利払いのみで年間約1億5841万円を要する状態となって約1億3703万円の経常損失が生じていたのであるから、利害関係参加人は今後の事業によって利益を上げていることは困難な状況であったということもできる。

そして、利害関係参加人は、債務超過が見込まれる利害関係参加人は清算することを予定している旨の主張をするところ、保有資産を減少させ売上高も大幅に減少させている上記の推移等をみると、実際に近時における清算を予定していることがうかがわれるものである。

このように、利害関係参加人は、多額の債務超過の状態にあり、また、今後の事業展開によって利益を上げることも困難な状態にあって、近時における清算が予定されているものとうかがわれることなどに鑑みれば、本件各株主総会に係る各決議による取得がなかったであれば有していたであろう利害関係参加人の株式の価格は0円であるといわざるを得ない。」

2 「本件対象株式の取得によって利害関係参加人の企業価値が増加するか否かについて検討しても、本件対象株式の取得は、私的整理を行うに当たって金融機関の理解を得るために行われたもので、何らかの新たな事業展開のために行われたものでもない。

今後の利害関係参加人の事業の見通しをみても、本件対象株式の取得によって利害関係参加人の事業が直ちに好転するというものではなく、上記の取得によって利害関係参加人の企業価値が増加するものということはできず、この点を考慮しても、本件対象株式の取得価格は0円といわざるを得ない。」


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