【最判平成28年1月22日】特別利害関係を有する理事が議決権行使した理事会決議の効力

1 「水産業協同組合法37条2項が,漁業協同組合の理事会の議決について特別の利害関係を有する理事が議決に加わることはできない旨を定めているのは,理事会の議決の公正を図り,漁業協同組合の利益を保護するためであると解されるから,漁業協同組合の理事会において,議決について特別の利害関係を有する理事が議決権を行使した場合であっても,その議決権の行使により議決の結果に変動が生ずることがないときは,そのことをもって,議決の効力が失われるものではないというべきである。

そうすると,漁業協同組合の理事会の議決が,当該議決について特別の利害関係を有する理事が加わってされたものであっても,当該理事を除外してもなお議決の成立に必要な多数が存するときは,その効力は否定されるものではないと解するのが相当である(最高裁昭和54年2月23日参照)。

水産業協同組合法37条2項と同旨の定めであるA漁協定款49条の3第2項についても,同様に解するのが相当である。」

2 「これを本件についてみると,本件議決に加わった理事のうち,Bは本件貸付けに係る被害漁業者の経営者であり,同人の子であるCは本件貸付けに係る貸付金を原資としてA漁協から融資を受けた者であるから,いずれも本件議決につき特別の利害関係を有するものというべきである。

しかし,本件議決については,A漁協の理事8名からこれらの者を除外した6名の過半数に当たる4名が出席し,その全員が賛成したのであるから,特別の利害関係を有する理事を除いてもなお議決要件を満たすということができる。

なお,水産業協同組合法37条1項によれば,本件議決につき定足数が満たされていることは明らかである。

そうすると,本件議決を無効とすべき瑕疵があるとはいえない。」

3 「そして,本件規則が効力を生じていないものであっても,本件規則に基づく貸付けと同様の目的を有する貸付けをするに当たり漁業協同組合の理事会の議決を要するものとすることは合理的なものであるところ,上記のとおり,本件議決を無効とすべき瑕疵があるとはいえないことからすれば,結局,Dは,本件貸付けを合理的なものと認められる手続によって行ったものということができ,この点に関し,本件支出負担行為等が町長の裁量権の範囲を逸脱してされたものということはできない。」


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