【東京地判平成30年4月12日】取締役報酬決定と善管注意義務

1 各取締役の具体的な報酬額の決定の「再一任を容認すると、本来、会社の取締役会ないしその構成員である取締役が果たすべき代表取締役の業務執行の監視監督の機能が働かない状況の下、再一任を受けた代表取締役は自らの報酬額まで決めることになることを考慮すると、取締役会から各取締役の報酬額の決定を再一任された取締役は、具体的な報酬額を決定するに当たり、他の職務を遂行する場合と同様、善管注意義務(会社法330条、民法644条)及び忠実義務(会社法355条)を尽くす必要があり、これらの義務に違反して会社に損害を与えたときは損害賠償義務を負う」。

2 「各取締役の業績や活動実績をどのように評価し、当該取締役に対してどの程度の報酬を支給すると決定するかといったことは極めて専門的・技術的な判断である上、こうした評価・決定により、取締役をどのように監督しあるいは取締役にインセンティブを付与するかといった判断自体、会社の業績に少なからず影響を与える経営判断であるから、取締役会ないしそこから再一任を受けた代表取締役はそうした評価・決定をするにつき広い裁量を有するものと解されること、取締役が上記の評価・決定に当たり適切に権限を行使したか否かは、基本的には、株主総会における取締役の選任・解任の過程を通じて、株主が決すべきものであることからすると、本件において、Yは、本件報酬決定に至る判断過程やその判断内容に明らかに不合理な点がある場合を除き、本件報酬決定を行ったことについて善管注意義務違反により責任を負うことはないと解するのが相当である。」


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