【東京高判平成22年8月25日】フランチャイズ加盟店の不当勧誘とフランチャイザーの取締役の監視義務

1 「控訴人Y2は、他社で取締役の地位にあったこともあり、取締役に就任することの法的義務や実務的な意味合いについて十分な認識を持ちつつ、Aの求めに応じてa社の事業の一つである建設業に関する知識、経験を役立てるため取締役に就任し、実際に仕事、出資者及び業者の紹介、賃貸の便宜などの点においてa社の事業の遂行に種々の協力したものと評価される。

また、控訴人Y2は、a社が近い将来にセントレックスに上場することを目指していたことは認識しており、上場した際の利益の配分に与るべく、新株予約権の割当を受けていたから、全く無報酬であったともいえず、上場を目指した新興企業に対する証券会社の指導の下に実際にa社において開催された取締役会への出席を求められこれに出席していた。

そうすると、a社の取締役としての控訴人Y2の存在は、零細な家族企業における単なる員数合わせのための名目的な取締役などというようなものではなく、a社の業務の一つに欠かせない役割を有し、実際に、a社のために実質的な職務を遂行し、さらに新株引受権の割当を受けて、取締役として利益の一部を享受するとともに、上場を目指す企業の取締役としての行動を求められていたものというべきである。

したがって、控訴人Y2の名目的な取締役にすぎず、代表取締役の業務執行について、監視義務を負わない旨の主張は理由がない。」

2 「控訴人Y2は、上場を目指していたa社の取締役であり、実際に取締役会に出席したことがあるほか、数回にわたりAと面会していた(控訴人Y2自認)のであるから、取締役として、担当者などから事業内容の報告を受けるなどして、a社において今後も本件事業を続けていくかどうかについて、経済的、合理的判断をし、それに基づき取締役の一員として行動することは可能かつ容易であったというべきである。

それにもかかわらず、控訴人Y2が、Aの業務執行のあり方について何度も問題提起をする機会があったのに、何ら具体的な問題提起や提言をして来なかったことが認められるから、控訴人Y2は、取締役としての監視義務を重大な過失により怠ったものというほかない。」


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