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【東京高判平成29年11月15日】招集通知が欠けていた取締役会決議の有効性

1 「本件取締役会の招集手続には控訴人に対する招集通知を欠いた瑕疵があるが,控訴人が本件取締役会に出席してもなお本件決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるから,本件決議は有効であると判断する。」

(以下、東京地判平成29年4月13日)
2 「取締役会の招集通知は,各取締役に到達することを要するものと解されるところ,招集通知が各取締役に到達したというためには,当該通知が当該取締役に実際に了知されることまでは要しないものの,当該取締役の了知可能な状態に置かれること(いわゆる支配圏内に置かれること)は要するものと解される(最高裁平成10年6月11日判決,最高裁昭和43年12月17日判決,最高裁昭和36年4月20日判決参照)。

3 「原告は,自らパソコンを操作することがなく,被告社内における原告のパソコンは,被告の秘書室において管理されていた上,少なくともJが被告に勤務していた当時においては,被告において原告に割り当てられていたメールアドレスに電子メールが送信されることがなく,秘書室においても,同アドレスの受信状況を確認していなかったのであり,かかる状況が本件メールの送信時までに変化していたことを示す証拠はない。

その他本件全証拠によっても,本件メール送信当時の原告において,上記アドレスに取締役会の招集通知が送信されることを予期し得たというべき事情はうかがわれない。

以上のような諸事情を総合考慮すると,本件において,本件メールが上記アドレスに係るメールサーバに記録されたことをもって,原告の了知可能な状態に置かれた(支配圏内に置かれた)ということはできない。その他,本件メールの内容が原告の了知可能な状態に置かれたものと評価すべき事実は見当たらない。」

4 「加えて,本件メールの送信(平成27年7月27日午後11時23分)から本件取締役会開会(翌28日午前9時30分)までの間隔が非常に短く,かつ,深夜のメール送信であって,メールを確認して当該会議への対応を検討するための時間的余裕がほとんどないこと等をも考慮すると,実質的に見ても,原告に対し本件取締役会の招集通知がされたと評価することは困難である。」


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