【大阪家審平成19年2月26日】申立人の介護の専従性を認めた上で、申立人が被相続人から金銭を受領しているものの他の相続人らも同様に金銭を受領していた事実があるから、その介護の無償性は否定されず、寄与分を評価する上で評価すべき事情としてその他の事情と併せ考慮し、申立人の寄与分を遺産総額の3.2%強である750万円と定めた事例

1 「申立人Bが被相続人の介護にほぼ専従したのは、平成12年8月24日の風呂場での転倒時から平成13年12月末ころまでの約16か月間(486日間)である。」

2 「看護師家政婦紹介所が看護師等を派遣する際の標準賃金表(ただし平成17年当時の基準)によれば、看護師の場合、①泊込勤務が1万8000円、②午前9時から午後5時までの通勤勤務が1万3000円である。ケアワーカーの場合は、泊込勤務が1万2100円、②午前9時から午後5時までの日勤が7800円である。いずれも泊込勤務の際、午後10時から午前6時まで特に介護を要した場合、泊り料金の1割から2割増しとなり、徹夜勤務の場合は5割増しとなっている。」

3 「上記の標準賃金を参考にしつつ、申立人Bの介護が①勤務としてではなく、あくまで親族介護であること、②少人数による在宅介護のため、完璧な介護状態を保つことは困難だったと窺われること、③申立人Bが他の親族より多額の小遣いを取得していたこと、④昼間は、他の親族も交代で被相続人の介護を手伝っていたこと、⑤被相続人の生活が次第に昼夜逆転し、深夜の排泄介助もしばしばあったことは負担感を増したといえること、⑥被相続人が□□体型であり、介護の肉体的負担が極めて大きかったといえることなどを考慮して、一日当たりの介護費用を1万2000~1万3000円程度として算定することとする。

とすれば、申立人Bの当該期間の介護労働を金銭的に換算すると、600万円程度との評価が可能である。」

4 「上記の数字は、専ら当該期間中の介護面のみを抽出して金銭換算したものであるが、最終的な寄与分評価としては、上記の数字を踏まえ、相続財産の額その他一切の事情を考慮(民法904条の2)し、相続人間の実質的衡平に資するべく評価を決定することとなる

本件において、申立人Bは、①平成8年4月以来、被相続人の洗髪を介助するなど、軽度の身体介助は相当早期から始まっていたこと、②失禁の後始末など排泄にまつわる介助も平成8年ころから既に行っていたこと、③平成11年ころから、被相続人が幾度も転倒しており、その行動に注意を要する状態は既に始まっていたことなどを併せて考慮すれば、最終的な寄与分の評価としては、遺産総額中の3.2%強である750万円と認めることとする。」


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