「被相続人は平成10年頃からは認知症の症状が重くなって排泄等の介助を受けるようになり、平成11年には要介護2、平成13年は要介護3の認定を受けたもので、その死亡まで自宅で被相続人を介護したCの負担は軽視できないものであること、Cの不動産関係の支出は、本件の遺産の形成や維持のために相応の貢献をしたものと評価できるけれども、本件建物の補修費関係の出費は、そこに居住するC自身も相応の利益を受けている上に、遺産に属する本件建物の評価額も後記のとおりで、その寄与を支出額に即して評価するのは、必ずしも適切でないこと、更に農業における寄与についても、Cが相続人間では最も農地の維持管理に貢献してきたことは否定できないが、公務員として稼働していたことと並行しての農業従事であったことをも考慮すると、専業として貢献した場合と同視することのできる寄与とまでは評価できないこと、Cは、もともと、親族として被相続人と相互扶助義務を負っており、また、被相続人と長年同居してきたことにより、相応の利益を受けてきた側面もあること等本件の諸事情を総合考慮すれば、Cの寄与分を遺産の30%とした原審判の判断は過大であって、その15%をもってCの寄与分と定めるのが相当というべきである。」
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