【札幌高決平成27年7月28日】被相続人が経営する簡易郵便局の事業に従事したことを理由とする寄与分申立てを認容した原審判を取り消して却下し、具体的相続分を算定して遺産分割した事例

1 「平成18年○月までの前記郵便局の業務主体は被相続人であったこと,給与水準は従事する事業の内容,企業の形態,規模,労働者の経験,地位等の諸条件によって異なるから,賃金センサスによる大卒46歳時の年収の平均額に充たなかったとしても,被抗告人B夫婦の収入が低額であったとはいえず,むしろ月25万円から35万円という相応の収入を得ていたことが認められること,更に被抗告人B夫婦は被相続人と同居し,家賃や食費は被相続人が支出していたことをも考慮すると,被抗告人Bは,上記郵便局の事業に従事したことにより相応の給与を得ていたというべきであり,被抗告人Bの郵便局事業への従事が,被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたとは認められない。

2 「更に,被抗告人Bの所得税の申告書,被相続人に関する平成19年分から平成23年分の給与所得退職所得に対する所得税源泉徴収簿によれば,被抗告人Bが上記郵便局の事業を引き継いだ平成18年○月から被相続人が死亡するまでの間,税務上は被相続人に専従者給与が支給されたという処理がされていたが,被相続人が使用していた預貯金通帳の取引履歴には,被相続人の給与等が振り込まれた記録がなく,そのほかにも,上記期間,被相続人に専従者給与が現実に支給されたことを認めることができる的確な資料はない(抗告人は,被相続人の専従者給与分は被抗告人Bの特別受益に当たると主張するが,被抗告人Bが被相続人の専従者給与を生活費等に費消したと認めることができる的確な資料もなく,仮に被抗告人Bが費消したとしても,そのことから直ちに,その分が被抗告人Bの特別受益であるといえるものではない。)。」


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