【東京高決平成28年8月12日】遺産分割申立事件において、現金等の分割とともに不動産の換価競売を命ずる場合には、競売による換価代金が当該不動産の評価額と異なるものとなることが避けられないから、当事者間の公平を図るためには、換価代金は、できる限り、各当事者の具体的相続分の割合に応じて分配するのが相当であるとされた事例

「本件土地(1)及び(2)、本件借地権並びに本件建物(以下「本件不動産」という。)については、相手方は取得を希望しておらず、抗告人も換価分割を希望しているから、本件不動産はいずれも競売により換価分割するのが相当である。

そして、競売による換価分割の場合は、売却代金から競売費用を控除した残額(以下「競売取得額」という。)が評価額とは異なるものとなることが避けられないから、当事者間の公平を図るためには、できる限り、競売取得額を各当事者の具体的相続分の割合に応じて分配するのが相当である

なお、本件においては、亡Hが死亡しているため、亡Hは本件遺産分割手続において名宛人となり得ず、競売取得額のうち亡Hに分配する部分は、亡Hの遺産としてその相続人である抗告人と相手方との間において遺産共有の状態にあるものであり、当該相続人の相続分は各2分の1であるから、競売取得額のうち亡Hに分配する部分については、抗告人と相手方との間において均等な割合で保管させることとするのが相当である。

そして、本件遺産のうち当事者が現物で取得する本件預貯金、本件株式等及び本件現金(以下「本件金融資産」という。)の合計額が抗告人及び相手方の具体的相続分相当額の合計額に満たない本件においては、まず、本件金融資産を抗告人と相手方とに均等に取得させ、その取得額を前提として、本件不動産に係る競売取得額について、亡Hに分配する部分を含めた分配割合を定めることとするのが当事者間の公平に適うものというべきである。」


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