重要判例【東京高判平成26年12月24日】6歳男子の左足背部瘢痕の自賠責14級5号につき、後遺障害逸失利益否定

Xの後遺障害は、左足背部の植皮術後の瘢痕といういわゆる醜状痕であり、左足背部、すなわち左足の甲の部分に、2ヶ所の醜状痕があるにすぎないと認められ、その大きさはてのひら大とされるものの、具体的な状態は明らかではない。

そうすると、その部位は、通常は靴下や靴などを履けば隠れる部分であり、労働するときに露出する部分ではない

上記のようなXの醜状痕の部位や大きさを考慮すると、醜状痕のために配置転換させられたり、職業選択の幅が狭められるなど、Xの後遺障害が、Xの労働能力に直接的に影響を及ぼすとは思われない

Xは、Xに秘められていた無限の可能性が大幅に制限された、アイドルなど「肢体の美観が就労に影響する職業」に就職する可能性や当該職業に就くことを検討する余地さえも奪われたなどと主張するが、Xは、現在、芸能活動等に従事していたり、タレントスクール、劇団や芸能事務所に所属していたりするなど、今後「肢体の美観が就労に影響する職業」に就職する可能性や蓋然性があることをうかがわせる主張も立証もない

そして、前記のとおりのXの醜状痕の部位や大きさから考えて、仮に「肢体の美観が就労に影響する職業」に就職したとしても、Xの労働能力に直接的な影響があるとは直ちにいうことはできない。

よって、Xに後遺障害による逸失利益を認めることはできない。