重要判例【横浜地判平成26年2月28日】専業主夫の休業損害

1 今日の社会では、夫婦の経済生活のあり方は多種多様であり、妻が就労して賃金を得ることで経済基盤を支え、夫が「専業主夫」として家事に専念する形態もあり得ることであるから、「専業主夫」が交通事故により家事労働が不可能ないし困難になった場合には、その損害を休業損害として請求できるというべきである。

2 甲(男・33歳)の「専業主夫」としての休業損害の算定に際しては、甲の援用する平成22年女子学歴計の賃金センサスに従って年収を345万9400円、日額9477円(平成23年の同センサスよりも低額)とした上、休業日数を本件事故発生日である平成24年1月7日までの233日間とし、労働能力喪失率については、本件傷害は漸次回復するものであるし、甲は平成23年12月頃から家事の大半が可能になるほどに回復したことを考慮すると、休業期間中の平均的な労働能力喪失率を4割と認めるのが相当であり、これらを前提として休業損害を算定すると、88万3256円となる。