不当労働行為261 役職手当の不支給と不当労働行為(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、分会書記長に対し役職手当を不支給としたことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

NPO法人せたがや白梅事件(東京都労委令和元年11月5日・労判1231号172頁)

【事案の概要】

本件は、分会書記長に対し役職手当を不支給としたことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 25年9月1日、B4主任は出向先から法人に戻ったが、同年12月にA3が病気休職から復職したときに従来どおり役職手当が支給され、29年3月まで3年4か月間にわたり、支給され続けてきた。
そうすると、既に主任の基本給等級である3級に昇格し、B4主任が出向先から戻った後も長期間にわたり役職手当が支給されてきたA3書記長に対し、法人が、突然、主任代行は不要だとして役職手当を不支給としたのは不自然であり、なぜこの時期にそのような判断がされたのか疑問である。

2 以上のとおり、法人の挙げる降職の理由は、いずれも不自然であり、A3書記長への事前の説明がないなど、手続の面でも不自然な対応がみられるのであって、役職手当の不支給が降職を理由とするものであるか否か自体が疑問であるといわざるを得ない。
・・・これらに加え、当時、緊迫した労使関係が継続していたことや、A3書記長が紛争の中心人物の一人であった等の事情も総合考慮すると、役職手当の不支給は、分会書記長である同人が、労働条件の改善や法人の経営努力が必要であるなどと組合の立場からの要求を掲げてお願いの書面への署名捺印を拒否したことを法人が嫌悪してなされたものといわざるを得ない
したがって、法人が、A3書記長に対し、役職手当を不支給としたことは、同人が組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たる。

つまるところ、各処分や行為について合理的理由が説明できるかに尽きます。

事前に顧問弁護士に相談し、冷静に対応することが求められます。