内部通報制度における社外窓口の意義及び必要性

弁護士法人栗田勇法律事務所では、内部通報制度における社外窓口を受託しております。

内部通報制度の社外窓口は、企業内で発生している各種問題(例えば、従業員や顧客の健康、財産、安全、信頼を損なう行為、調達先、納入先、委託先などの取引先に対する信義に反する行為、法令や社内規程への違反、人権侵害行為、重大な倫理違反、不正な会計処理、これらの事象が生じるおそれや疑いがある場合)について、従業員が弁護士法人栗田勇法律事務所に対して通報できるシステムをいいます。

当該制度を導入することにより、企業は、従業員が日頃感じていても上司や社長に面と向かって言えない問題点・改善点を知ることができ、当該問題について調査・検討・対策を講じることができるようになります

それより、問題点・改善点を放置することにより発生し得た従業員の退職や休職、従業員からの損害賠償請求訴訟等のリスクを減らすことができるわけです。

企業が、公益通報者保護法を踏まえ、実効性のある内部通報制度を整備・運用することは、組織の自浄作用の向上やコンプライアンス経営の推進に寄与し、消費者、取引先、株主・投資家、地域社会等を始めとするステークホルダーからの信頼獲得に資する等、企業価値の向上や事業者の持続的発展にもつながることは言うまでもありません。

実際、多くの消費者・事業者・労働者が、下記のとおり、自らと関係を有する事業者の内部通報制度の実効性に高い関心を有しています。

すなわち、「平成28年度 民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」(消費者庁)によれば、「実効性の高い内部通報制度を整備している企業の商品・役務を購入したい」と回答した者は86%を占め、「実効性の高い内部通報制度を整備している企業と取引したい」と回答した事業者の割合は89%を占め、「実効性の高い内部通報制度を整備している企業に就職・転職したい」と回答した者の割合は82%とそれぞれ極めて高い割合を占めています。

社外窓口の設置場所(顧問弁護士に社外窓口を依頼することの適否)

一般に、内部通報制度の社外窓口を設ける場合の選択肢としては、法律事務所や民間の専門会社等が考えられます。

「平成28年度 民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」(消費者庁)によれば、社外窓口の委託先として最も多いのは法律事務所(顧問弁護士)の49.2%、次いで法律事務所(顧問でない弁護士)の21.6%、そして通報受付の専門会社14.9%となっています。

このように社外窓口を採用する企業の約半数が社外窓口を顧問弁護士に委託しているわけですが、一般的に、内部通報の社外窓口を顧問弁護士にすることは以下の理由から推奨されていません。

すなわち、顧問弁護士は、契約上、当該企業の利益を擁護する立場にあるため、通報者(従業員)からすると中立性・公正性に疑義(通報したって結局、会社の味方をして有耶無耶にされてしまうのではないかという不信感)が生じうること、仮に内部通報を契機として通報者と会社との間で紛争が生じた場合、通報者から当該紛争に関して詳細に話を聞いているため、その後、当該紛争について会社の代理人として活動することは利益相反に該当しうることなどがその理由です(「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」(消費者庁))。

例えば、同報告書によると、通報窓口に寄せられた通報の内容としては「職場環境を害する行為(パワハラ・セクハラなど)」が55.0%と最も多いとされていますが、このような通報を顧問弁護士が受けた場合、その後、仮に通報者(従業員)が加害者及び会社を相手に損害賠償請求訴訟を提起した場合、顧問弁護士は会社の訴訟代理人として対応すると利益相反に該当するおそれがあります。

以上の理由から、もし御社が内部通報制度を「絵に描いた餅」にせず、実効性のある制度にするお気持ちがありましたら、顧問弁護士とは別に社外窓口を設けることをお勧めいたします

なお、前記のとおり、当該制度は、中立性・公正性が極めて重要ですので、弁護士法人栗田勇法律事務所と顧問契約を締結されている企業様はご利用いただけません。

費用及びサービス内容

(1)費用 

①導入費用 33万円(税込)

②運用費用 月額2万2000円(税込)

(会社の規模、従業員数等にかかわらず一律の費用体系です。)

(2)サービス内容

①対応回数   無制限

②通報者からの聴取は全て弁護士が行います(*1)。

③聴取内容につき報告書を作成するとともに口頭でも説明いたします。

内部通報制度の設計・導入(社内規程の整備、従業員への周知方法及び内容等)について助言いたします。

⑤役員及び管理職に対して内部通報制度の運用上の留意点についてセミナー(研修会)を実施いたします。

*内部通報制度の運用上の留意点を一言で言うならば、「内部通報制度の機能不全要因を徹底的に除去すること」に尽きます。そのための第一歩として、まずは内部通報制度の機能不全要因を理解することが肝要です。
*特に、特定リスク(通報者が誰であるかを把握されてしまうリスク)の高い通報内容の場合(例えば、不正行為が密室で行われた場合、業務上知り得る者が限定されている場合、通報者がすでに会社に対して問題提起をしている場合等がこれにあたります。)、いかなる方法で社内調査を実施するかを理解することは極めて重要です。
内部通報者に対する不利益な取扱い(例えば、退職願の提出の強要、労働契約の更新拒否、本採用・再採用の拒否、降格、不利益な配転・出向・転籍、長期出張等の命令、昇進・昇格における不利益な取扱い、懲戒処分、減給その他の給与・一時金・退職金等における不利益な取扱い、損害賠償請求、事実上の嫌がらせ等)が禁止されていることは言うまでもありませんが、その前提として、社内において通報者の探索を禁止することもまた同様に重要となります。これらの留意点について、過去の重要判例に基づき、内部通報への対処の成功例・失敗例をご説明いたします。

⑥社内窓口担当者に対し、「通報対応フォーマット」の提供、対応する際の留意点、聴取ポイント等についてセミナー(研修会)を実施いたします。(希望制)

*ガイドラインにおいても、以下のとおり、社内窓口担当者に高度の能力を期待し、十分な教育・研修の必要性を説いています。
「実効性の高い内部通報制度を運用するためには、通報者対応、調査、事実認定、是正措置、再発防止、適正手続の確保、情報管理、周知啓発等に係る担当者の誠実・公正な取組と知識・スキルの向上が重要であるため、必要な能力・適性を有する担当者を配置するとともに、十分な教育・研修を行うことが必要である。」
*また、公益通報者保護法令和2年改正を正確にフォローすることも重要です。本改正事項は多岐にわたりますが、その中でも特に①内部通報対応体制の整備義務、②外部通報の保護要件の緩和、③通報対象事実の拡大、④通報主体・保護内容の改正を理解することが求められています。

(*1)聴取方法・利用ルール

①通報者はメールで弁護士法人栗田勇法律事務所に当該制度の利用を希望する旨のご連絡をいただきます。

その際、通報者は弁護士に対してのみ会社名及び氏名をお伝えいただきます。

弁護士は法律上守秘義務を負っております。氏名を通報者の明示の同意なく会社に伝えることは絶対にいたしません

*「公益通報者保護法に基づくヘルプライン担当弁護士が通報者の実名を本人の承諾なく、もしくは適正な承諾手続を経ずに雇用者に通知し、通報者が不利益な扱いを受けたとして、秘密保持義務違反が問われた事例において、「ヘルプライン担当弁護士は、ヘルプラインの相談業務を弁護士の業務として行うものであるから、ヘルプラインの相談によって知り得た通報者に関する個人情報や通報に関する事実は、『その職務上知り得た秘密』であり、『保持する・・・義務を負う』(弁護士職務基本規程23条)。・・・殊にヘルプラインは、相談者である弁護士の職業によって通報者の匿名性が保持されることを前提とするものであり、公益通報者保護法の根幹となるものである」として、守秘義務違反を理由として懲戒処分をした原弁護士会の決定を相当とした例がある(日弁連懲戒委平成21年10月26日)。ヘルプライン制度は企業からの依頼により弁護士がその任に就くものであるが、通報者の意思に反してその氏名を企業に伝えてはならないヘルプライン担当となった弁護士は、通報者に当該制度の趣旨を十分に説明して通報を受ける必要がある。」(解説弁護士職務基本規程第3版58頁)

②その後、実際にお話を伺う日時を決め、弁護士が通報者からお話を伺います。

お話を伺う方法は、通報者のご希望により、法律事務所における対面、電話又はZoomのいずれかをお選びいただきます。

(*2)聴取内容の報告後の個別具体的な対応方法(調査方針・事実認定・再発防止措置等)に関するご相談・ご依頼は中立性・公正性確保の観点から応じかねます。貴社の顧問弁護士等に別途ご相談ください。

通報受付専門会社との顧問契約もお受けいたします

弁護士法人栗田勇法律事務所では、内部通報の社外窓口をお受けされている企業との顧問契約もお受けしております。

日々の対応業務を適切に進める上で、貴社に責任が及ばないように必要な法的アドバイスをいたします。

顧問契約の内容や費用につきましては、こちらのページをご覧ください。

内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)登録を徹底サポート

内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)とは、 事業者が自らの内部通報制度を評価して、認証基準に適合している場合、当該事業者からの申請に基づき指定登録機関(公益社団法人商事法務研究会)がその内容を確認した結果を登録し、所定のWCMS(Whistleblowing Compliance Management Systemの略)マークの使用を許諾する制度です。

弁護士法人栗田勇法律事務所では、当該認証登録のサポートをしております

当該認証登録を行うためには、以下の手続を履践する必要があり、ご覧のとおり、各種準備には相当の知識及び労力を要することになります。

新規登録・登録更新申請の申込み

自己適合宣言の新規登録・登録更新を希望する事業者は、登録手続に関する約款を確認・承認したうえ、所定の申請様式に必要事項を入力し、必要な電子ファイルを添付して指定登録機関に申請します。

申請書類の不備のチェック

指定登録機関は、申請書類の記載又は添付不備のチェックを行い、必要があれば再提出や修正を依頼します。

登録申請料・登録更新申請料の納付

上記のチェックが終わった事業者は、所定の登録申請料・登録更新申請料を指定登録機関からの請求に基づいて納付します。指定登録機関は、納付が確認できた後に、申請書類の記載内容の確認手続に入ります。

申請書類の記載内容等の確認

指定登録機関は、必要に応じ、申請書類又は添付書類の記載内容の確認や補正等を申請者に求めます。

確認結果通知、登録証の送付、WCMSマークの使用承認等

指定登録機関は、確認が完了した申請者に対して、登録証を送付するとともに、WCMSマークの使用を認め、登録事業者名等を所定のウェブサイトにおいて公表します。

*自己適合宣言の登録の有効期間は1年です。更新を希望する事業者は、有効期間満了日の45日前までに更新申請をする必要があります(更新申請は、有効期間満了日の75日前から行うことができます。)。

申請書類には、以下のとおり、複数の審査項目について自社における制度整備及び制度実施の取組内容、取組内容の裏付けを記載するとともに資料を提出する必要があります。

◎内部通報制度の意義・目的の明確化
◎経営トップによるメッセージの発信
◎経営トップの責務及び役割の明確化
◎通報窓口の整備及び利用方法の明確化
〇通報窓口の利用しやすさの向上
◎通報窓口利用者・通報対象事実の範囲等の設定
◎内部規程の整備
〇経営幹部から独立性を有する通報受付及び調査・是正の仕組み
◎通報対応における利益相反関係の排除
〇通報対応に係る業務を外部委託する場合における中立性・公正性等の確保
〇内部通報制度に対する従業員の意見の把握
◎通報対応に関する質問・相談への対応
〇内部通報制度の運用実績を用いた信頼性の向上
◎内部通報制度の実効的な運用のために必要な事項の周知・研修
〇経営トップが内部通報制度に関する理解を深めるための機会の確保
◎通報者等への通知
◎通報受付や調査・是正等のために必要な体制の確保
◎調査協力の確保及び調査妨害の防止
◎調査結果を踏まえた是正措置等の実施
◎内部通報制度の運用担当者に対する教育・研修
〇内部通報制度の運用担当者による貢献の評価
〇通報者・調査協力者による貢献の評価
◎通報に係る秘密保持の徹底
〇外部窓口の信頼性の確保
◎通報に係る記録・資料の適切な管理の確保
〇通報者本人による適切な情報管理の確保
◎調査実施における秘密保持
〇禁止される不利益取扱いの類型の具体化
◎不利益取扱いが判明した場合の救済・回復措置
◎通報者等に対し不利益取扱いを行った者に対する措置
◎通報等に関する秘密を漏らした者に対する措置
◎被通報者による不利益取扱いの防止
〇法令違反等に関与した者による問題の早期発見・解決への協力の促進
◎通報者等の保護のためのフォローアップ
◎是正措置及び再発防止策のフォローアップ
〇内部通報制度の整備・運用状況等のステークホルダーへの情報提供
◎欠格事由:認証制度に関する違反等の状況(初回申請時は不要)
*「◎」は必須項目のため、すべての項目について適合していることが必要です。「〇」の項目については、13項目のうち6項目について適合していると認められることが必要です。なお、外部に通報窓口を設けていないことにより、「通報対応に係る業務を外部委託する場合における中立性・公正性等の確保」、「外部窓口の信頼性の確保」の適合性が判断できない場合、必須項目以外の項目のうち5項目について適合していることにより審査基準を満たしていると判断されます。

上記の各項目について、制度の制定・運用、申請書作成に関する助言を行います

・弁護士費用は以下のとおりです。
①着手金  55万円(税込)
②成功報酬 55万円(税込)
(なお、成功報酬は、認証登録が完了した場合に発生いたします。)

・所要期間は、現状における社内規程の整備状況等により異なりますが、概ね3~6か月程度を要します。

実績