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【交通事故㉜】会社が欠勤社員に対して支払った給与分は請求できる?

会社が交通事故により欠勤している従業員に対して給与を支払った場合、この支給給与分について、会社が加害者に対して、直接、請求することはできますか。
1 ご質問の件について、裁判例を見ますと、①相当因果関係説により会社固有の損害賠償請求権が発生するとしたもの(大阪地裁昭和47年3月23日判決)、②損害賠償者の代位規定(民法422条)の類推によるもの(最高裁昭和36年1月24日判決、東京地裁昭和49年3月12日判決、福岡地裁小倉支部昭和54年12月19日判決)、③事務管理の規定(民法702条)によるもの(東京地裁昭和47年1月31日判決、福岡地裁郡山支部昭和55年4月28日判決)、④特に法律上の根拠を示さないで認めたもの(東京地裁昭和48年2月26日判決)などがあります。

このように、法的根拠についてはいくつか説明のしかたはありますが。会社が欠勤社員に対して支払った給与分について、直接、加害者に対して請求することはできると思われます。

2 ただし、従業員報酬について、自動車事故により受傷、休業した代表取締役に、その間の役員報酬を支給した会社の事務管理による加害者への請求(民法702条)に、報酬の支給は報酬契約に基づく債務の履行としての給付であり、事故により休業したことによる損失を填補または補償するものではないとして認めなかった裁判例があります(仙台高裁昭和57年1月27日判決)。

3 また、①被害者自身の個人会社(資本金300万円、従業員3名)にすぎない会社従業員の交通事故による入通院中、会社が支払った報酬分は、会社が加害者に請求できる休業損害を肩代わりして支払ったものの求償といえるとして、当初6か月間は100%、次の6か月は70%、残り4か月は40%の就労不能、制限として、会社の加害者に対する休業損害請求を認めた裁判例があります(東京地裁昭和58年7月25日判決)や、②父親の経営する会社従業員の息子が交通事故により受傷し、約1か月間十分に業務が出来ないのに会社が支払った賃金40万円中、28万円の限度で会社の損害と認めた例(東京地裁平成10年8月31日判決)などがあります。