本の紹介1277 仕事は99%気配り#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から10年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

本のそでには「徹底した相手目線の『気配り』で、人間関係と仕事がうまく回り出す。」と書かれています。

断言しましょう。

仕事のできる人は、間違いなく、他者への想像力(=気配り力)が頭抜けており、その逆もまたしかり。

気配り力を身に付けたい方は是非、読んでみてください。

「あ、こういうことなんだ」とヒントが得られると思います。

「わかる」ことと「できる」ことは別の話ですが。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『観察』して『感じる』ことで相手がどんな人なのかを想像できたら、次に私はラジオの周波数を合わせるように、相手の気持ちに『チューニング』していきます。」(165頁)

できる人は無意識にできる。

できない人は意識してもできない。

ビジネスでうまくいっている人たちの共通点は、他者に対する観察力や想像力が高いということです。

逆に言えば、いかに学力が高くても、これらの力が欠けていると、なかなかうまくいきません。

ラジオの周波数を合わせた経験がある方ならわかりますよね。

まさにあの感じです。

他者が自分の周波数に合わせてくれるのを待っているうちは、ビジネスで成功することはありません。

有期労働契約111 更新上限規定に基づく雇止めが無効とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、1年の有期雇用契約を相当回数更新してきた職員への5年の更新上限規定に基づく雇止めが無効とされた事案を見ていきましょう。

放送大学学園事件(徳島地裁令和3年10月25日・労経速2472号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で契約期間を平成29年4月1日から同30年3月31日とする期間の定めのある労働契約を締結したXが、同年4月1日からの契約更新の申込みをしたにもかかわらず、Y社から、これを拒絶されたことに関し、上記労働契約には、労経速19条各号の事由があり、同拒絶が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとも認められないから、上記労働契約は、同条により、同日以降、更新されたものとみなされ、同31年4月1日からは、同法18条により、期間の定めのない労働契約に転換したと主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、上記労働契約が更新されたとみなされる同30年4月1日以降の賃金に関し、民法536条2項に基づき、同年5月から、毎月17日限り、未払賃金10万9620円+遅延損害金の各支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 本件雇止めは、本件上限規定を根拠にされたものであるところ、本件上限規定は、平成24年法律第56号による労契法の改正(平成25年4月1日施行)への対応として定められたものであると認められる。
ところで、上記改正後の労契法18条は、雇用関係上労働者を不安定な立場に立たせる有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、安定的な雇用である無期労働契約に移行させることで雇用の安定を図ることを目的とするものであるが、本件上限規定に係る本件決定は、上記労契法改正をきっかけとして、無期労働契約への転換が生じた場合に被告の財政状況がひっ迫するということを主な理由として、主に人件費の削減や人材活用を中心とした総合的な経営判断に基づき、更新上限期間を5年と定めたと説明されるにとどまり、Y社における有期労働契約の在り方やその必要性、本件決定がされるまでに相当回数にわたって契約更新されて今後の更新に対する合理的な期待が既に生じていた時間雇用職員の取扱いに関して具体的に検討された形跡はない。
そうすると、本件上限規定は、少なくとも、本件決定がされた平成25年当時、Y社との間で長期間にわたり有期労働契約を更新し続けてきた原告との関係では、有期労働契約から無期労働契約への転換の機会を奪うものであって、労契法18条の趣旨・目的を潜脱する目的があったと評価されてもやむを得ず、このような本件上限規定を根拠とする本件雇止めに、客観的に合理的な理由があるとは認め難く、社会通念上の相当性を欠くものと認められる。

2 以上に対し、Y社は、本件雇止めの時点におけるY社の経営状態等からすると、本件雇止めには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上の相当性もある旨主張し、人件費削減計画、図書室業務の減少計画などの経営上の必要性を指摘する。
しかし、Y社が、本件雇止めに合わせて、平成30年1月頃から、Xの後任者を公募し、現に後任者を雇い入れていることからすると、同年3月の時点において、本件雇止めをせざるを得ない経営状態であったとは到底認められない
また、被告が特に指摘するのは、Xが有期労働契約から無期労働契約へ転換してしまうことによる経済的負担であり、このことが、平成24年法律第56号により改正された労契法18条の趣旨・目的に照らし、その改正及び施行時点において既に相当回数にわたり有期労働契約を更新してきた原告を雇止めすることができる理由とはならないことは、上記のとおりである。
以上によれば、本件雇止めは、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上の相当性があるとは認められない。

上記判例のポイント1で述べられている無期転換を認めると会社の財政状況が逼迫するという主張は、実はほとんど根拠がありません。

無期転換後の労働条件は、正社員のそれと同一にする必要まではありませんし、労働契約の解消の面でもそれほど大きな違いはありません(有期雇用なら簡単に解雇・雇止めができるというのは完全に誤解です。)。

日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に労務管理をすることが肝要です。

 

本の紹介1276 努力は天才に勝る!#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から6年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

言わずと知れたプロボクサー井上尚弥さんのお父さんの本です。

帯には「できるまでやる。何度でも、何度でも。」と書かれています。

天才は、努力を続ける才能の異名です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ロードワークもタラタラ走るぐらいなら、走らないほうがいいでしょう。そうすると、地味でつまらない練習をおろそかにしないものが最後は笑うのだ、とある時期に気がつくものです。退屈で単調なことを毎日繰り返したことが、ここぞ、というときの下支えになり、また思わぬ力を発揮することにもつながるのです。」(73頁)

仕事も勉強も運動も、自らの意思で「やっている」のか、他人から「やらされている」のかの違いが、それらの質を決めています。

同じ量をやったとしても、自発的にやるのと強制されてやるのでは、その質の違いは雲泥の差です。

これは、みなさんも経験されていることだと思います。

義務感から仕方なくやっている行動によって大きな成果が生まれることはありません。

すべては、意識、姿勢のところで決まってしまっていると言っても過言ではないでしょう。

つまり、やる前から勝負は決まっているわけです。

賃金225 賃金減額の合意の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、賃金減額の合意の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

メイト事件(東京地裁令和3年9月7日・労判ジャーナル120号59頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されているXが、平成30年4月分以降の基本給を従前の月額40万円から月額34万円に減額されたことの無効を主張して、Y社に対し、当該雇用契約に基づき、①同月分から令和3年5月分までの賃金の差額分(月額6万円)等の支払を求めるとともに、②XがY社に対し減額前の基本給月額40万円の支払をうける雇用契約上の地位にあることの確認を求めた事案である。

【裁判所の判断】

地位確認請求却下

差額賃金等支払請求認容

【判例のポイント】

1 本件賃金減額に係る合意の有無について、Y社は、Xに理由を説明した上で、本件賃金減額をしたところ、本件訴訟の提起に至るまでX又はX代理人から何の異議も述べられなかったなどとして、Xが本件賃金減額について黙示に合意した旨を主張するが、労働者が賃金の減額について長期間異議を述べずにいたことをもって直ちに当該賃金減額について黙示に合意したといえるものではなく、そして、Xが本件賃金減額を了承したことを窺わせる積極的言動に及んだ事実を認めるに足りる証拠はなく、むしろ、Y社がXに減額後の賃金を明記した契約書への署名押印を求めたところ、Xがこれに応じず、Y社から交付された「質問状」と題する書面に「雇用契約は、従前締結したものがあるので、再契約は必要ないと思います」、「賃金については従前どおりでお願いします」などと記載してY社に提出した事実が認められるから、Xが本件賃金減額について黙示に合意したということはできない

労働条件の中でも賃金に関する不利益変更をするのは、本当に難しいです。

労働者の同意の効力について、裁判所はとても厳しく解釈しますので注意しましょう。

「給料は一度上げたら最後。下げることはできない。」と認識しておくくらいがちょうどいいです。

賃金の減額をする場合には、事前に顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介1275 ジョブズの哲学#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から10年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

ジョブズが残した40の教えが書かれています。

今読み返しても、全く色褪せない普遍的な内容です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

偉大な成功を成し遂げた人は、『好きなことを仕事にした』と口々に語っている。・・・『自分の仕事に惚れなければ、絶対に成功しません。素晴らしい仕事などできるわけがないのです』」(180頁)

まあ、そりゃそうだという内容です。

逆に言えば、自分の仕事が辛くて嫌いでやりたくないというのは悲劇です。

自分の仕事が好きだからこそ苦労も楽しいわけです。

山登りが嫌いな人がいやいや登山をするのは地獄です。

楽しい仕事など存在しません。

自分の仕事を楽しめるかどうか。

ただそれだけの話です。

解雇364 旅費の不正受給を理由とする懲戒解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、旅費の不正受給を理由とする懲戒解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

日本郵便事件(札幌高裁令和3年11月17日・労経速2475号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間の労働契約に基づいて業務に従事していたXが,被控訴人による平成30年3月22日の控訴人の懲戒解雇は、懲戒事由が認められず、懲戒事由があるとしても客観的合理的理由を欠き、社会通念上の相当性を欠くものであるから無効であるなどと主張して、Y社に対し、①雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認、②平成30年5月分の未払給与42万7574円+遅延損害金の支払、③同年6月から本判決確定の日まで、毎月24日限り、月額45万2680円の給与+遅延損害金の支払、④同年6月から本判決確定の日まで、毎年6月30日限り賞与(夏期手当)60万円及び毎年12月10日限り賞与(年末手当)70万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

原審が、本件懲戒解雇は有効であるとして、Xの請求を全て棄却したところ、これを不服として控訴人が控訴した。

【裁判所の判断】

1 懲戒解雇無効

 Y社は、Xに対し、1685万1767円+遅延損害金を支払え。

3 Y社は、Xに対し、令和3年9月から本判決確定の日まで、毎月24日限り44万0320円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 本件非違行為は、Xが、100回という非常に多数回にわたり、旅費の不正請求を繰り返したというもので、その不正受給額(クオカード代金を含む。)も合計約54万円にのぼっている上、Xが広域インストラクターという営業インストラクターの中でも特に模範となるべき立場にあったことなどを踏まえると、その非違の程度が軽いとはいえない
他方で、多数の営業インストラクターがXと同様の不正受給を繰り返していたなどY社の旅費支給事務に杜撰ともいえる面がみられることや、Xに懲戒歴がなく、営業成績は優秀でY社に貢献してきたこと、本件非違行為を反省して始末書を提出し、利得額を全額返還していることなど酌むべき事情も認められる。
そして、本件非違行為の態様等は、本件服務規律違反者らの中で最も重い停職3か月の懲戒処分を受けた者と概ね同程度のものであるといえ、本件非違行為に対する懲戒処分として懲戒解雇を選択すれば、本件非違行為に係る諸事情を踏まえても、前記停職3か月の懲戒処分を受けた者との均衡も失するといわざるを得ない。
これらを併せ考えると、本件非違行為は、雇用関係を終了させなければならないほどの非違行為とはいえず、懲戒標準の1(3)「服務規律違反」の9「虚偽の申告をなしあるいは故意に届出を怠る等して、諸手当、諸給与金を不正に利得し又は利得せしめた者」のうち「基本」に該当するものとして処分を決するのが相当というべきであって、懲戒解雇を選択とすることは不合理であり、かつ相当とはいえない。
したがって、本件懲戒解雇は、その余の手続面等について検討するまでもなく、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することができないものであり、懲戒権を濫用するものとして無効と認められる。

懲戒処分をする際に、同種事案における他の従業員との均衡を考える必要があります。

もっとも、全く同じ事案は存在しないため、均衡に関する解釈は非常にファジーになります。

今回の事案でも、まさに地裁と高裁で判断が割れており、どちらの結論にでも判決が書けてしまいます。

解雇をする際は、必ず事前に顧問弁護士に相談をすることをおすすめいたします。

本の紹介1274 世界で1000年生きている言葉(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

タイトルのとおり、全国各地で語り継がれていることばが紹介されています。

非常にシンプルながら、語り継がれるだけの含蓄があります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

幸せの時に浮かれすぎてはいけない。不幸な時に卑下し過ぎてはいけない。 セルビア共和国」(76頁)

大金が入った途端にはぶりがよくなる方、いますよね(笑)

人生も仕事も、当然、良い時も悪い時もあります。

仮に今、順調であったとしても、この状況が未来永劫、続くなんて保証はどこにもありません。

その逆もまたしかり。

何事も、欲張らず、見栄を張らず、抱え込まず、ありのままで生きていくのが一番です。

解雇363 就業状況不良等を理由とする解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、就業状況不良等を理由とする解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

産業と経済・やまびこ投資顧問事件(東京地裁令和3年9月24日・労判ジャーナル120号54頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結していたXが、Y社に対し、Y社による普通解雇が無効であるとして、Y社に対する雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び同契約に基づく未払賃金等支払、同契約に基づき、同解雇前の令和元年12月支払分の給与のうち欠勤に伴い支払われなかった13万円の支払、並びにY社がXに金融商品取引法に違反する取引を共用したことや同解雇が不行為に当たるとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、慰謝料700万円の賠償を求めるとともに、A社に対し、A社がY社を実質的に支配していたなどとして、Y社に対するのと同内容の各請求をした事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、違法取引を強要されたとは認められないにもかかわらずこれを強要されたと言って監督官庁への告発を示唆して和解の名目で金銭的要求を行った上、その後、14日間欠勤し、その多くが無断欠勤であったばかりか、その間にA社およびY社を非難する旨のSMSを送り続け、Y社に対する反抗的な態度を明らかにし、このようなXの言動については、就業規則所定の解雇理由である従業員の就業状況が著しく不良で、就業に適しないと認められたときに当たり、Xを解雇することについての客観的に合理的な理由があるというべきであり、そして、以上のような労働者の言動については、Y社も不適切な取引関係の形成に関与したことがうかがわれることは否定し難いものの、Y社に対し金銭的要求を行うなどしていることからすれば、その是正を求めるための正当な言動とは解し難い上、正当な理由なく就労を拒否し、反抗的な態度を明らかにしたものであって、Y社との信頼関係を著しく損ねたものというべきであり、また、Y社は、Xに対し、適切に弁明の機会を付与し、Xもこれに応じて弁明をするなどしており、本件解雇については手続的にも相当性を欠くというべき点は見受けられないから、本件解雇は、社会通念上相当であると認められるから、本件解雇は有効である。

内部告発をする場合には、告発を正当化するだけのエビデンスを用意しておかないと、立場が逆転しかねませんので注意が必要です。

解雇をする際は、必ず事前に顧問弁護士に相談をすることをおすすめいたします。

本の紹介1273 最大化の超習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

日頃、堀江さんのYouTubeを見ている人にとっては、特に目新しいことは書かれていません。

昔ながらのライフスタイルが染みついてしまっている方は、何かのヒントになるかもしれません。

まあ、一度染みついてしまったライフスタイルは、そう簡単には消せませんが。

Old habits die hard.

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

この作業は必要か?この行為に意味があるのか?あなたのなかでふと湧き上がるその疑問はおおかた正しい。世のなかはあまりに形骸的な儀式に満ちている。」(113頁)

「なんとなく決まり事だから、何の意味があるのかよくわからないけど、とりあえずやっている。」

そんな「儀式」が多すぎます。

どれほどの時間を「儀式」に費やしているのでしょうか。

意味のない時間泥棒の儀式を1つ1つ排除することで、結果として、本当に必要なことに使える時間が増えるのです。

毎日毎日、時間がないと嘆いているみなさん、その仕事、作業、過程、本当に必要ですか?

そんなことに時間を使っていたら、あっという間に人生が終わってしまいます。

Life is shorter than you think.

不当労働行為287 会社とアドバイザリー業務契約を締結した社労士及び共済組合の行為が不当労働行為とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、会社とアドバイザリー業務契約を締結した社労士及び共済組合の行為が不当労働行為とされた事案を見ていきましょう。

オーダースーツSADAほか1社事件(宮城県労委令和2年9月26日・労判1258号88頁)

【事案の概要】

本件は、会社とアドバイザリー業務契約を締結した社労士及び共済組合の行為等が不当労働行為にあたるかが争点となった事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 B氏による脱退届用紙の配布は、Y社の指揮命令権の及ぶ昼礼の機会に、Y社がB氏と一体となって行っているものと評価でき、「使用者」による行為であると言わざるを得ない。
「使用者」が労働組合の脱退届用紙を配付して脱退を勧奨する行為は、脱退という組合員が自主的に判断して行動すべき事項(内部運営事項)に介入するものであり、X組合の団結力・組織力を損ねるおそれのある行為であるから、支配介入に該当する。

2 Y社がチェック・オフ停止の根拠としている脱退届は、Y社とB氏が一体となって脱退届用紙を配付して脱退を勧奨するという支配介入行為によって、A執行委員長を除く全組合員が署名したものである。この不当な支配介入行為によって署名された脱退届においては、組合員は自らの自由な意思でX組合を脱退したのか疑わしい状況であったことが認められる。
本件においては、Y社の不当な支配介入行為によって脱退届が提出されていたという特殊な状況であったことを踏まえると、Y社がチェック・オフの停止を行ったことは、X組合の弱体化を意図した一連の行為の一部であると評価でき、X組合の組織運営に支配介入しようとしたものと言わざるを得ない。

会社とアドバイザリー業務契約を締結した社労士の行為であったとしても、「使用者」による行為と評価されてしまうので注意しましょう。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。