おはようございます。
本日をもちまして、今年の営業を終了いたします。
今年も一年、皆様には大変お世話になりました。
弁護士、スタッフ一同、心より感謝申し上げます。
来年は1月5日(月)より営業を開始いたします。
来年も精一杯、依頼者の皆様のために精進してまいりますので、宜しくお願い致します。
なお、顧問先会社様におかれましては、年末年始のお休み中も対応しておりますので、
ご相談等がありましたら、いつでもご遠慮なく、栗田の携帯電話にご連絡ください。
それでは皆様、良いお年を!
静岡市葵区の弁護士・社会保険労務士 栗田勇(くりたいさむ)のブログです。労働問題に関する最近の判例を取り上げています。
おはようございます。
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おはようございます。
今日は、解雇を争う労働者の他社での就労開始について、同社での試用期間が経過した時点で黙示の退職合意を認めた事案について見ていきましょう。
フィリップ・ジャパン事件(東京高裁令和7年5月15日・労経速2587号3頁)
【事案の概要】
1 Xは、平成28年9月20日にパラリーガルとしてY社に雇用され、令和元年9月10日、司法試験に合格して司法修習のため休職し、令和3年2月1日に第一子を出産して、産前産後休業及び育児休業を取得し、同年5月1日にY社に復職して法務コンプライアンス部での業務に従事した。部長であったAは、同年7月頃から11月頃まで、Xに対し、業務改善計画(PIP)を実施し、人事本部長であるBとともに退職勧奨をしたが、Xがこれに応じなかったため、Y社は、同年12月13日、令和4年1月15日限りでXを解雇する旨の意思表示をした。Xは、本件解雇後、同年3月1日、C社に入社した。Y社は、その後、本件解雇を撤回したが、XがC社に入社した時点でY社に対する就労意思を喪失し、黙示の退職合意が成立したと主張し、Xは、これを争い、就労意思を喪失したのは令和6年1月31日である旨主張している。
本件は、Xが、Y社に対し、雇用契約に基づき、①本件解雇後の和4年3月1日から本判決確定の日までの月例賃金請求として、毎月25日限り月額51万5300円(基本給41万2200円及びみなし勤務
手当10万3100円の合計額)+遅延損害金及び②和4年分及び令和5年分の賞与請求として、合計125万7835円+遅延損害金の各支払を求めるとともに、③A及びBによる退職勧奨及びそれに伴う各言動が違法であると主張して、A及びBについては民法709条に基づき、Y社については民法715条に基づき、慰謝料300万円+遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
2 原審は、①の月例賃金請求について、Xにおいては第一子の保育園の入所資格を確保し自らの職歴を確保するとの観点から直ちに就職活動を行う必要性に迫られA社に就職したものであるから、A社に就職した時点でY社への就労意思が喪失したものとは認め難く、Xが就労意思の喪失を自認した令和6年1月31日をもって黙示の退職合意が成立したと認めた上、C社から賃金月額77万9200円が支払われ、XがC社において令和5年7月6日から令和6年8月まで産前産後休業及び育児休業を取得したことから、令和4年3月から令和5年6月までの賃金について毎月25日限り月額51万5300円の6割に相当する30万9180円及び同年7月1日から同月5日までの5日分の賃金について同月25日限り日割計算した賃金の6割に相当する4万9868円+遅延損害金の支払を求める限度で認容し、②の賞与請求について、支給を求め得る具体的な請求権として発生しているとは認められないとして棄却し、③の慰謝料請求について、1審被告丙川による退職勧奨は、PIP の評価結果を踏まえたXの能力や適格性の不足を理由とするものであり、不当な動機・目的の下で行われたと認めるに足りる証拠はない、A及びBの言動も、Xの退職に係る自由な意思決定を侵害する違法があったとは認められず、X個人の力量や人格を非難する趣旨で発言をしたとは認められないなどとして、Xの請求をいずれも棄却した。X及びY社は、これに対し、それぞれの敗訴部分を不服として控訴し、Xは、当審において、①の月例賃金請求の終期を令和5年7月5日までとして不服の範囲を限定した。
【裁判所の判断】
1 Y社の本件控訴に基づき、原判決主文第1項を次のとおり変更する。
2 Y社は、Xに対し、令和4年3月から同年8月まで毎月25日限り月額30万9180円+遅延損害金を支払え。
3 Xのその余の請求を棄却する。
4 Xの本件控訴を棄却する。
【判例のポイント】
1 C社においても、就職後6か月間は試用期間とされており、同期間中にXに社内弁護士としての職務能力があるとはいえないと評価された場合には解雇される可能性もあったから、同期間が終了するまでは、XがY社における就労意思を喪失したということはできない。しかし、C社での6か月間の試用期間中に解雇や解雇予告がされなかったということは、C社においてXは社内弁護士としての職務能力があると評価されたといえるから、その後は職務能力がないことを理由として解雇されるおそれは相当低下したといえる。そして、C社におけるXの雇用条件は、賃金月額77万9200円であるなど、Y社における雇用条件(月額51万5300円)と比較して明らかに好待遇であり、第二子の出産育児のために、産前産後休業及び育児休業も取得できた一方で、Y社においては、PIP の結果、社内弁護土としての能力をいていると評価され、後に撤回されたとはいえ、解雇までされたことを考慮すると、C社での試用期間が終了した時点において、XがC社をあえて退職してまでY社で就労する意思があったと認めることはできない。
以上によれば、Xは、C社での試用期間が終了した令和4年8月31日時点においてY社への就労意思を喪失したと認めるのが相当であり、同日時点において、XとY社との間での黙示の退職合意が成立したというべきである。
原審の判断が、就労意思の喪失時期に関する近年の裁判所の判断の主流ですが、控訴審では、原審よりも当該時期を早める判断をしました。
事案の特殊性から、どこまで一般化できるか定かではありませんが、考え方としては参考になりますね。
日頃から顧問弁護士に相談をすることを習慣化しましょう。
おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。
今日は、本の紹介です。
今から8年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。
「モノ」を売るよりも、「思い」を売ることがどれだけ大切であるかがよくわかります。
結局、何を買っているかといえば、最終的には、「モノ」ではなく、「人」なのです。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「モノを売ることが仕事ではなく、お客様の困っていることに対応するのが仕事。だからお客様に興味を持ち、聞いていく。」(45頁)
こういう仕事に対する向き合い方というのは、誰もが言われてできるものではないような気がします。
その人が長きにわたり培ってきた感性みたいなものの影響が大きいのではないでしょうか。
それゆえ、できる人は見よう見まねでもできてしまう。
できない人はどれだけ指導・教育されてもできない。
私を含め、「他人に期待しない」「人はそう簡単に変わらない」という考えをお持ちの方からすれば、当然の帰結かもしれません。
おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。
今日は、会社における「パワハラ」口コミ投稿の違法性等に関する裁判例を見ていきましょう。
ICT・イノベーター事件(東京地裁令和7年1月15日・労判1334号63頁)
【事案の概要】
本訴事件は、Y社が、Xによるインターネット上の電子掲示板への2件の記事の投稿によりY社の名誉が毀損されていると主張して、Xに対し、不法行為に基づき、損害賠償金502万1500円+遅延損害金の支払を求めるとともに、民法723条に基づき、上記各記事の削除を求める事案である。
反訴事件は、Xが、Y社に在勤中、Y社代表者からパワーハラスメントに当たる発言があったと主張して、Y社に対し、安全配慮義務違反による債務不履行に基づき、損害賠償金110万円+遅延損害金の支払を求める事案である。
【裁判所の判断】
1 Xは、Y社に対し、36万円+遅延損害金を支払え。
2 Xは、別紙1投稿記事目録1の「投稿内容」のうち、「パワハラ、独断と偏見が凝り固まっているため、場合によっては精神的な治療が長期間必要になる可能性も充分にある」の部分を削除せよ。
【判例のポイント】
1 投稿内容「極論で言えば、命の危機で緊急搬送されても、命の危機を事前申告してくれないなら、有給にしませんと言う暴論を出してくるのは有り得ない。」
冒頭に「極論で言えば」との留保が付され、「有り得ない」との投稿者の意見で締めくくられている。このような本件記事を一般の読者の普通の注意と読み方を基準として読めば、本件記事は、実際にY社において発生した事象について述べたものではなく、前記の事実を前提として、極論、すなわち極端な言い方をすれば、有給休暇の事後申請を認めないことは、たとえ命の危機で従業員が緊急搬送されたとしても事前申請がなければ有給休暇として扱わないという乱暴な論をいうようなものであるという意見ないし論評であると解される。
一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件記事は、実際にY社において発生した事象について述べたものではなく、飽くまでもY社における取扱いを前提とした場合の極端な論を述べたものと読むことができる上、会社が有給休暇の事後振替を認めないことは何ら違法ではないことに照らすと、前記の意見ないし論評によりY社の社会的評価が低下するとは認められない。
2 投稿内容「社員に寄り添う風な事を謳っているが、その実中身は全然違うし、パワハラ、独断と偏見が凝り固まっているため、場合によっては精神的な治療が長期間必要になる可能性も充分にある。」
一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件記事のパワハラ部分は、Y社には職場内に長期間の精神的な治療を要する程度の強度のパワハラが存在するとの事実を摘示したものであると解される。
本件記事のパワハラ部分においては、具体的な言動の内容を示すことなく、単にY社の職場内にパワハラ等がある旨が記載された上で、そのために「場合によっては精神的な治療が長期間必要になる可能性も充分にある」とパワハラ等により生ずる結果に関する記載がされている。そうすると、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、本件記事のパワハラ部分において、精神的な治療が長期間必要になる程度のパワハラ(すなわち何らかの言動等)が存在する旨が記載され、これは証拠等をもってその存否を決することが可能な事項であると理解されるものと解される。
したがって、本件記事のパワハラ部分について、単にY社におけるパワハラや偏見等により長期間の精神疾患の治療が必要となる従業員がいたという事実を前提とした意見ないし論評を表明したにとどまると解することはできない。
そして、本件摘示事実は、その内容に照らし、Y社の社会的評価を低下させるものと認められる。したがって、本件記事のパワハラ部分はY社の名誉を毀損するものである。
判例のポイント2の投稿内容の文頭に「極論を言えば」、文末に「と私は思う。あくまで個人的な感想であるが。」と追記したらどうなるでしょうか。
匙加減ひとつのような気もしますがいかがでしょうか。
日頃から顧問弁護士に相談をすることを習慣化しましょう。
おはようございます。
今日は、本の紹介です。
今から13年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。
すぐにあきらめないこと、修正を繰り返すことがいかに大切であるかがよくわかります。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「真の男とガキの違いは、そのプランAが失敗したときの行動にある。この本で取り上げる起業家やビジョナリーは、そこで傷をなめて立ち直り、新たに身につけた洞察力を武器にもっと大きなビジネスへと転じる。」(21頁)
「負けたら終わりではない。やめたら終わりなのだ。」という言葉が想起されます。
修正力がいかに大事であるかということを肝に銘じておく必要があります。
空振りをしても、その都度、フォームを微調整して、バッターボックスに立ち続けるのです。
あきらめたらそこでおわり。
おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。
今日は、更新回数1回の契約社員の雇止めの有効性に関する裁判例を見ていきましょう。
SBモバイルサービス事件(東京地裁令和7年1月15日・労経速2588号35頁)
【事案の概要】
Xは、Y社と有期雇用契約を締結していたが、Y社は、令和2年7月31日の契約期間満了をもって当該契約を終了させるとの対応をした。本件は、XがY社に対し、以下の請求をする事案と解される。
(1)本件麗止めが無効であるとして、XがY社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び令和2年8月1日から令和5年7月31日までの賃金717万3360円の支払
(2)令和2年8月1日から令和5年8月1日までの期間について、同一労働には同一賃金が支払われるべきであるとして、B社グラフィックデザイナーとXの賃金を比較した差額261万8640円の支払
(3)Y社において、パワーハラスメントを受けたとして、不法行為又は債務不履行(安全配慮義務違反)に基づき、損害賠償金2302万1570円(休業損害528万0390円、治療費・交通費195万9100円、パワハラ慰謝料300万円、逸失利益873万2080円、入院代慰謝料115万円、後遺障害慰謝料290万円)並びにうち休業損害及び治療費・交通費の合計723万9490円に対するXがパワーハラスメントにより適応障害との診断を受けたとする日である令和2年1月20日から年6%の割合による遅延損害金の支払
(4)厚生年金使用者負担分相当額65万8800円及び入社祝い金3万円の支払
(5)傷病手当金を受給していた際にY社から控除された1万7795円の支払
(6)A社の就業規則及びY社の知的財産に関する就業規則の開示
【裁判所の判断】
請求棄却
【判例のポイント】
1 本件雇用契約が更新後に期間満了となる令和2年7月31日の時点において、更新の回数は1回で、約期間は通算で9か月にすぎない。また、更新に際しては、新たに雇用契約書が締結されており、同日の時点において、本件雇用契約の終了が期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視することはできず、本件雇用契約は労働契約法19条1号には該当しない。
さらに、前記の事情に加え、Xの令和元年11月19日から同年12月2日までの「WEB スキル基礎研修」の達成率は考しくなく、本件雇用契約の更新後も、Xの業務等の状況は芳しくなく、他の同僚がXに割り振られた業務を引き取る事態が発生しており、復職後も、クルーの「ランク1」にも達しないと判断される状況であったのであるから、本件雇用契約の更新後に期間満了となる令和2年7月31日の時点において、Xに契約の更新の合理的期待があったとは認められず、本件雇用契約は労働契約法19条2号に該当しない。
したがって、本件雇止めは有効であり、本件雇用契約は今和2年7月31日の経過により終了したものと認められる。
よって、Xの雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認請求、賃金の支払請求及び雇用が継続していることを前提とした同一労働同一賃金を根拠とする金員の支払請求はいずれも理由がない。
原告本人訴訟のため、主張や争点の整理が大変であったことが伺えます(上記事案の概要「以下の請求をする事案と解される」)。
更新回数が少ない事案であっても、上記のとおり、雇止めの合理的理由が存在することをしっかりと主張立証する必要がありますので、油断してはいけません。
日頃から顧問弁護士に相談の上、適切に有期雇用契約に関する労務管理を行うことが肝要です。
おはようございます。今週も1週間お疲れ様でした。
今日は、本の紹介です。
今から9年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。
アファメーションに関する本です。
タイトルにある「言葉があなたの人生を決める」というのは、決して大袈裟ではなく、紛れもない真実です。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「人生のゴールを設定した人に、失敗はありません。想像どおりの結果が出ないときも、人生のゴールに向かって歩んでいる以上、それは失敗ではないのです。そのときは、『私らしくなかった。でも、いい勉強になった』と考えればいいだけです。・・・ルー・タイスは述べています。『私たちは、自分が考えるものに向かい、自分が考える人物になる』」(178頁)
とはいえ、考えているだけでは何も変わりません。
日々、努力を積み重ねなければ、何も変わりません。
多くの人は、最初からやらないか、途中でやめてしまいます。
結果、何も変わりません。
能力、才能といったレベルの話ではありません。
やり続けられるか否か。
ただそれだけの話。
おはようございます。
今日は、配転命令の拒否による解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。
スターフェスティバル事件(東京地裁令和7年1月31日・労経速2588号19頁)
【事案の概要】
本件は、Xが、Y社に対し、本件部署への配置転換命令が無効であると主張し、本件部署において勤務すべき労働(雇用)契約上の義務のないことの確認を求めるほか、本件部署において勤務しないことを理由とする解雇が無効であると主張し、労働(雇用)契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、毎月末日限り39万4835円の賃金等及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
【裁判所の判断】
1 Xの訴えのうち、XがY社のKitchenSuccess 部バイヤーグループにおいて勤務すべき労働契約上の義務のないことの確認を求める訴えを却下する。
2 Xのその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。
【判例のポイント】
1 本件配転命令に至った経緯についてみると、本件部署の人員配置の状況および担当業務の状況を踏まえると、新たにアルバイト従業員を雇用するのではなく、社内にいる人員を異動させたほうが経済的に合理的であると判断し、本件配転命令を行ったことがまったく不合理ということもできない。そして、本件部署は、Y社に設けられた部門の1つであって、特段に転居等を要せず、本件配転命令によってXの賃金が減額されることもないのであって、その不利益も著しいものとはいえない。一方、Xは、システム開発にあたってコミュニケーション力を要するY社のWEB 統括部・プロダクト開発部における業務に十分に適応しておらず、人事評価も下位にとどまっていたのであって、本件部署の人員補充の対象として選定したことに不合理な点は見当たらない。
2 本件配転命令は有効であるから、Xは、本件配転命令に従って本件部署において勤務し、業務に従事すべき養務を負うものというべきである。
しかしながら、Xは、本件部署に出勤せず、Y社の業務に従事しなかったものであり、Y社から令和5年1月31日付けで和4年12月27日以降の正当な理由のない欠勤について厳重に注意するとともに、本件部署の指示に従って業務に従事するよう求める「厳重注意書」を送付されたにもかかわらず、その後も本件部署に出勤せず、業務に従事しなかったものと認めることができる。
以上の経緯に照らすと、本件解雇は、客観的に合理的な理由に欠けるところはなく、社会通念上も不相当であるということはできないから、無効であるということはできない。
配転命令に応じなかった際に会社がとるべき対処法がわかりますね。
配転命令を行う場合には、事前に顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。
おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。
今日は、本の紹介です。
今から9年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。
帯には「他の人とは逆を行かねばならない」と書かれています。
大昔から言われていることです。
それではなお、みんなと同じでないと不安という方は、もうそれでいいと思います。
さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。
「短期的には成功と失敗、安心と危機に状況が分かれたようにみえても、時間がたつにつれ立場が逆転してしまう。成功や安心が、失敗や危機を招き寄せるという逆説です。」(68頁)
成功と失敗、安心と不安、安定と不安定は、常に紙一重の隣り合わせです。
短期的にうまくいくとしても、長期的にみれば、徐々に信用を失うようなビジネスをしないことです。
一発逆転ホームランを狙うのではなく、毎日コツコツ小さな努力の積み重ねことが大切です。
多くの人はできませんが。
おはようございます。今週も1週間お疲れ様でした。
今日は、残業代請求と管理されていない労働時間に関する裁判例を見ていきましょう。
大栄青果事件(福岡地裁小倉支部令和5年6月21日・労判1323号86頁)
【事案の概要】
本件は、〈1〉X組合を除くXら(以下「原告個人ら」という。)が、Y社との間で、それぞれ期間の定めのない雇用契約を締結して稼働していたところ、時間外労働・深夜労働により割増賃金が発生したにもかかわらず、Y社においてこれを支払わない旨を主張して、Y社に対し、本件各雇用契約に基づき、各未払割増賃金の各元本額+遅延損害金の支払、並びに、労基法114条に基づき、付加金+遅延損害金の支払を求め、また、〈2〉X3及びX4が、Y社の就業規則所定の退職金が発生したにもかかわらず、Y社においてこれを支払わない旨を主張して、被告に対し、各退職金+遅延損害金の支払を求め、さらに、〈3〉X組合が、Y社による団体交渉拒否は、X組合に対する不法行為を構成する旨を主張して、Y社に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として10万円+遅延損害金の支払を求める事案である。
【裁判所の判断】
1 Y社は、X2に対し、660万1721円+遅延損害金を支払え。
2 Y社は、X2に対し、付加金472万4440円+遅延損害金を支払え。
3 Y社は、X3に対し、592万4328円+遅延損害金を支払え。
4 Y社は、X3に対し、付加金423万7944円+遅延損害金を支払え。
5 Y社は、X4に対し、569万5327円+遅延損害金を支払え。
6 Y社は、X4に対し、付加金407万6478円+遅延損害金を支払え。
7 Y社は、X5に対し、608万5853円+遅延損害金を支払え。
8 Y社は、X5に対し、付加金435万0307円+遅延損害金を支払え。
9 Y社は、X6に対し、197万8108円+遅延損害金を支払え。
10 Y社は、X6に対し、付加金141万6350円+遅延損害金を支払え。
11 Y社は、X7に対し、248万8884円+遅延損害金を支払え。
12 Y社は、X7に対し、付加金178万2560円+遅延損害金を支払え。
13 Y社は、X8に対し、630万1597円+遅延損害金を支払え。
14 Y社は、X8に対し、付加金448万6192円+遅延損害金を支払え。
【判例のポイント】
1 X個人らの主張する始業時刻及び終業時刻については、基本的には、おおよその記憶に基づく概括的な主張となっているところ、Y社において始業時間及び終業時間の管理を目的とするタイムカード等が全く採用されていなかったことにも鑑みれば、客観的な証拠に反し、または明らかに不合理な内容を含むといった場合には格別、そうでない限りは、上記のように概括的な主張に沿って認定することも許容され得るとするのが相当である。
これを本件について見るに、X個人らの業務は、午前7時に開始されるセリに向けての準備から始まり、セリを経て、商品を販売先に配達する準備や在庫管理を行い、販売先への配達業務を行うという流れになっているところ、これら業務の流れからすれば、X個人らの主張する始業時刻及び終業時刻は明らかに不合理な内容を含んでいるとは認められず、また、請求期間全体としてみた場合において、客観的な証拠に反するとまでは認められない。
そうすると、始業時刻及び終業時刻については、X個人らの主張どおり認めるのが相当である。
2 Y社は、従業員が労働時間の大半を事業場外で従事すること、定まった始業時刻、終業時刻がなく従業員の判断で業務を進められることから、「労働時間を算定し難いとき」(労基法38条の2第1項本文)に該当し、Y社には事業場外労働のみなし労働制が適用される旨を主張する。
しかしながら、労働時間を算定し難いか否かの判断に際しては、勤務の状況を具体的に把握することが困難であったか否かが重要となるところ、本件において、X個人らの業務は、各労働日ごとに被告の事務所を出発し、必ずY社の事務所に戻ってくるというものであり、直行直帰が常態化していた等の事情も認められないことからすれば、客観的にみて勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難い。
労働時間の管理は、労務管理の基本中の基本です。
全ての会社は、上記判例のポイント1を十分に理解しておく必要があります。
日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。