【遺産相続⑯】遺産分割協議のやり方を教えてほしい

先日父が亡くなりました。私を含め相続人は5人います。遺言書がなかったため、これから遺産分割の話合いをしようと思うのですが、どのようなことを話し合えばいいですか?

 
遺産分割を行うにあたっては、前提として、①相続人の確定、②遺産の範囲と評価の確定、③各相続人の具体的相続分の確定をする必要があります。
1 相続人の確定
ほとんどの場合には、誰が相続人であるかわかっていると思われますが、相続人がほかにいないかを念のため確認する必要があります。
遺産分割の話し合いに、相続人の1人でも参加させないで分割協議を成立させても無効となりますので注意しましょう。
そこで、戸籍謄本などを取り寄せて、相続人がほかにいないかを確認しましょう。
2 遺産の範囲と評価の確定
分割すべき相続財産の範囲を決めます。この点について争いがある場合には、家庭裁判所の審判や通常の民事訴訟で争われることになります。
また、遺産の評価についてですが、よく問題となるのは不動産です。
遺産分割の協議の段階では、実際の取引の売買価格を不動産業者から聞く方法が一般的ですが、正式な評価による場合には、不動産鑑定士に鑑定を依頼することになります。
3 各相続人の具体的相続分の確定
遺産分割の話し合いの中では、法定相続分によらないで、相続人全員で自由に相続分を決定することもできます。
したがって、法定相続分を修正する制度として、特別受益や寄与分の話し合いも遺産分割の中ですることになります。