【自己破産⑱】破産手続が開始されると強制執行手続はどうなるの?

破産手続開始決定により、強制執行手続はどうなりますか?

破産手続開始決定により、破産財団に属する財団に対する強制執行、仮差押え、仮処分、一般の先取特権や企業担保権の実行で、破産債権や財団債権に基づくもの、破産債権や財団債権を被担保債権とするものはすることができなくなります。
破産手続開始決定があったときに破産財団の財産に対してすでになされている強制執行等は、原則として失効します。
その結果、破産管財人は、既になされている執行処分を無視して破産財団に帰属する財産を管理処分することができます。
なお、執行裁判所への連絡は申立人側で行う必要があるので注意が必要です。
すでに強制執行等が相当程度進行している場合で、同手続内で換価するようが破産手続によるより効率的であると破産管財人が判断するような場合には、例外的に破産管財人が破産財団のために強制執行等の手続を続行することがあります。
破産申立前から強制執行等が先行している場合、先行する強制執行等が失効するのは破産手続開始決定の時ですから、破産申立てから破産手続開始決定までの間の対応をどのようにすべきかについて、実務上問題となることがあります。
このような場合は、破産申立てに際し、裁判所書記官と協議し、早期に破産手続開始の決定をしてもらう方法も考えられますが、開始決定までに相当程度の時間を要する事情がある場合や強制執行等の進行状況によっては、他の手続の中止命令や包括的禁止命令の申立てを検討しなければなりません。