お知らせ【フランチャイズ契約⑳】フランチャイジーへの経営支援

フランチャイザーのフランチャイジーに対する経営支援について教えて下さい。

1.まず、フランチャイズ・システムでは、フランチャイジーはフランチャイザーから独立した事業者であるため、フランチャイジーが経営不振に陥ってもフランチャイザーは、それを救済する義務を負いません

 もっとも、経営不振に陥った加盟店を放置していると加盟店数の減少をもたらすことも考えられるため、フランチャイザーの中には、経営指導とは別に、フランチャイジーに対する経営支援制度を設けている企業もあります。

2.例えば、一定期間、ロイヤルティを減免したり割戻しをする例があります。ただし、フランチャイズ契約はあくまでフランチャイザーとフランチャイジーとの個別契約なので、一部のフランチャイジーがロイヤルティの減免や割戻しを受けたとしても、ほかのフランチャイジーが同一の扱いを請求できるものではありません(東京地裁平成20年9月25日判決)。

3.この他にも、改善計画の提示、資金の貸付け、広告宣伝支援、契約内容の変更、不良品原価の一部負担、業務面での人的支援やフランチャイザーによる店舗運営受託、廃業せざるを得なくなったフランチャイジーからの店舗引継ぎやほかの加盟希望者への譲渡の仲介なども加盟店支援策の一環といえます。

4.加盟店支援策の有無・程度は、加盟希望者にとっては加盟を決意するうえで重要な要素となります。他方で、フランチャイザーが加盟店支援策を誇張すると、加盟希望者の誤解(過度な期待)を生む危険があります。

 そのため、「フランチャイズ・ガイドライン」では、「事業活動上の損失に対する補償の有無およびその内容並びに経営不振となった場合の本部による経営支援の有無およびその内容」についての開示が的確に実施されることが望ましいとしています。