セクハラ・パワハラ57(学校法人工学院大学事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

94日目の栗坊トマト。 3つのトマトが赤くなっています。そろろそ食べますかね。

今日は、ハラスメントを理由とする減給処分の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人工学院大学事件(東京地裁令和元年5月29日・労判ジャーナル42頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が設置するY大学の准教授が、Y社から、減給の懲戒処分を受けたことから、同処分が無効であると主張して、その旨の確認を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件懲戒処分の対象としての准教授の行為は、2名の女子学生に対し、性的な嫌悪感を抱かせる表現をしたり、指導等を施す立場にあることを背景に、交友関係に過度に干渉し、あるいは二人きりでの食事を求めるなどし、さらには再試験に関して便宜を図ろうとするなどしたものであって、指導の目的という側面が皆無ではないものもあるとはいえ、総じて、不見識であったり、手法として甚だ不適切な行為であったといわざるを得ず、そして、そうした准教授の所為の結果、2名の女子学生は困惑したり、不快の念を訴えて、その就学にも支障を来したとしてハラスメント申立てに至っているところであって、その被害についても軽視できないものがあり、准教授のかかる行為は、学校法人が、人権侵害のない快適な教育・研究環境作りを推進する観点から本件防止規程や本件行動規範を制定してハラスメント防止に取り組んできた努力を損ないかねないものであったといわざるを得ず、准教授は、学校法人による弁解の手続においても、反省の情に薄いところがあったと評価せざるを得ず戒告に次ぐ懲戒処分である減給程度の懲戒処分をもって臨んだからといって、これが重すぎて相当性を欠くということはできないから、本件懲戒処分が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合に当たるとはいえず、本件懲戒処分は有効と認められる。

ハラスメント事案では、懲戒処分の選択をする際、相当性要件に配慮して決定しなければなりません。

特に懲戒解雇を選択しようとする場合には、その後の訴訟リスクの検討が欠かせません。