Monthly Archives: 11月 2019

不当労働行為227(新井鉄工所事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

83日目の栗坊トマト。これからどれだけ実がつくのでしょうか。楽しみです。

今日は、希望退職に応じない組合員に対して退職条件を説明する等の個別面談を行い、退職を勧奨したことが不当労働行為とされた事案を見てみましょう。

新井鉄工所事件(東京都労委平成30年12月4日・労判1205号94頁)

【事案の概要】

本件は、希望退職に応じない組合員に対して退職条件を説明する等の個別面談を行い、退職を勧奨したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社は、組合員に個別面談を行った理由として、希望退職者には退職金規程に定められた退職金に加え、更なる優遇措置を講じていたものの、団体交渉において組合に説明しようとしても、組合がこれに応じなかったので、希望退職の条件も含め、組合員と非組合員の別なく説明及び情報提供を行うべきと考えたと主張するところ、この主張に一定の理解ができないではない。しかし、説明や情報提供が目的であったとすれば、説明会の開催に加え、組合や組合員の反対を押し切ってまで個別面談を4回も実施する必要はないはずであるし、4回目の個別面談で、Y社が出席者をそれまでの1名から2名に増やす必要もなかったといえる
また、Y社は、非組合員のみに個別面談を実施すると、組合のそれまでの対応から、後に、組合員ゆえに差別したとの指摘がなされるのではないかと懸念したことも理由として挙げているが、組合は希望退職に応ずる考えのない組合員への個別面談をしないよう求めていたのであるから、その理由に合理性を認め難い
そうすると、Y社が希望退職に応じなかった組合員に対して、4回にわたり個別面談を実施したことは、組合の頭越しに個々の組合員に対して希望退職に応ずるよう直接働き掛けるものであったといわざるを得ず、支配介入に当たる。

対応が難しいですね。

Y社の考えていることも全く不合理とはいえないと思いますが、結果としては不当労働行為に該当すると判断されています。

本の紹介975(僕たちは、地味な企業で食っていく。)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

地味な起業では儲かりませんが、何かの副業として行うにはいいですね。

今の仕事とは別に副業をやりたい方は読んでみるといいかもしれませんね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

実は大切なのは『何をするより、誰と働くか?』。あなたの先を行く『自分軸を持って選択できる未来を進んでいる人』と少しでも関われる量を増やしてください。」(140頁)

仕事に限らず、人生のあらゆる時間について、自分にとって良い影響を与えてもらえる人と一緒にいるべきですよね。

とはいえ、類は友を呼びますし、引き寄せの法則的に言っても、まずは自分が変わらなければ出会う人間のタイプは変わりません。

自分が目標とする人とできるだけ長く時間を共有し、波長を合わせることが近道です。

賃金185(KSP・WEST事件)

おはようございます。

81日目の栗坊トマト。現在、実が4つできています。

今日は、当直時間帯の労働時間性に関する裁判例を見てみましょう。

KSP・WEST事件(大阪地裁令和元年5月30日・労判ジャーナル91号40頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、Y社に対し、労働契約に基づき、平成27年10月から平成28年9月まで毎月20日を締日とし、翌月5日を支払期日とする労働基準法37条1項所定の未払割増賃金合計約602万円等の支払、平成28年9月21日から同年10月20日までの未払割増賃金約17万円等の支払、労働基準法114条所定の付加金等の支払をそれぞれ求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 XとY社との間で交わされた雇用契約書には、基本給月額25万円、職種手当月額3万円であると記載されていることからすると、Xの賃金は、基本給月額25万円、職種手当月額3万円の合計28万円であると認められ、本件賃金規程は、職務手当について、割増賃金として支払う旨を定めているものの、職種手当については、何ら言及されていないから、Xの労働契約の内容上、職種手当が、労基法37条1項所定の割増賃金について支払われる趣旨のものであるとは認められない。

2 当直時間帯における仮眠時間について、仮眠時間中の保安警備は、仮眠中に起こされて業務に従事するよう命じられることはなかったことから、Xは、所定の仮眠時間において、労働契約上の役務の提供を義務付けられていなかったものと評価することができ、また、当直時間帯における食事休憩について、当直勤務においては、労働契約上、30分の食事休憩が予定されているから、かかる時間については、労働契約上役務の提供を義務付けられているとはいえず、そして、その他の休憩時間について、Xは、雇用契約書によると、労働契約上、午前9時から午後5時45分の時間帯において、1時間の休憩を取得することが予定されており、労働契約上、役務の提供を義務付けられているということができず、以上より、当直時間帯における仮眠時間及び食事休憩時間並びに午前9時から午後5時45分の勤務時間帯のうち1時間については、労働時間に該当しない。

上記判例のポイント1はもったいないですね。

「職種手当」と「職務手当」。似て非なる手当。固定残業代として認められるか、基礎賃金に含まれるか・・・大きな違いです。

本の紹介974(肩書き「オレ」で生きていけ!)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

この本でも言いたいことは、自分を商品として生きていけ、ということです。

それができれば、もっと自由に、もっと好きなように生きていくことができます。

こんなこと、多くの人が頭ではわかっているのですが、体が言うことを聞かないのです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

SNSでも、職場でも、社会でも、つい『他人』のことが気になって、誰かの活動を羨んでみたり、誰かの言動に文句を言ったりしていますが、それってアホらしい話。どれだけ『他人』にエネルギーを使ってんねん!という話です。・・・他人がどう言おうと関係ないでしょう。その『いろいろ言っている誰か』というのも、結局は『他人のことにエネルギーを使ってるアホ』なんですから。」(235頁)

他人に全く関心がないため、他人のSNSを見るという習慣がない私のような人間には関係のない話ですね(笑)

物欲同様、承認欲求も嫉妬心もないため、こういう動機で生きていくことがもうできないのです。

もう他人の評価とかどうでもいいのです。

認めてくれる人はそれでいいですし、そうでない人もそれでいいのです。

解雇312(トヨタカローラ南海事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

79日目の栗坊トマト。実の数がどんどん増えてきました。

今日は、うつ病の業務起因性と解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

トヨタカローラ南海事件(大阪地裁令和元年6月4日・労判ジャーナル91号36頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結し、Y社の店舗に勤務していたXが、Y社から解雇されたが、同解雇は労働基準法19条に違反し無効であるなどとして、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、賃金及び賞与の支払等を求め、また、本件店舗の店長であったAからセクシャルハラスメント行為又はパワーハラスメント行為を受けてうつ病に罹患し、その後Y社担当者の不適切な行為によりうつ病が悪化したとして、Y社及びAに対し、連帯して、不法行為(使用者責任)に基づく損害賠償等の支払を、それぞれ求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ①Aが、本件店舗の店長として着任後、時期は不明であるが、Xに対し、数回、彼氏との性的行為があったのかどうかといった性的な発言を行ったこと、②AとB係長は、X以外の人物について、「病んでるらしいで」などと発言し、笑ったことが認められるが、①の発言の時期は不明であること、①は、身体への直接の接触を伴うような性的行為を受けたという性質のものではなく、またその回数も数回に止まること、Xは、休職より前に、Y社に対し、セクハラ行為の相談をしていないこと、②の行為は、X以外の人物に関する発言であることから、①については、厚生労働省労働基準局長発出の「心理的負荷による精神的障害の認定基準について」別表1の「〔6〕セクシュアルハラスメント」「セクシュアルハラスメントを受けた」の中の、「強」の例示に該当する程度のものとはいえず、強くても「中」程度のものと評価され、②については「弱」の例示に該当する程度のものと評価され、これらを総合的に評価しても、「強」程度の心理的負荷を有するものと認めることはできないから、Aの行為により、Xが、うつ病と診断され、出勤が困難になり、休職した旨のXの主張は採用できない

2 Xは、Xのうつ病が業務起因性を有するから、本件解雇は労働基準法19条1項に違反する旨主張するが、Xのうつ病の発病ないし悪化が、業務に起因したものとは認められず、また、復職後のXの勤怠状況は、週4日以上のペースで欠勤を続け、頻繁に早退を重ね、平成28年8月14日以降は一切出勤しておらず、また、Xの欠勤理由は、Xや子どもの体調不良のみならず、子どものキャンプあるいはキャンプに備えて休むといった用事、猫の葬儀等、理由としてやむを得ないものと判断しかねる理由も見受けられ、遅くとも同年7月後半以降、Xは、Y社に対し、労務を提供する意思と能力を欠く状況にあったことは明らかといえ、そして、Y社が、Xの復職に際して、主治医の診断書の内容を踏まえ、本社の保険業務課に配属し、始業時刻を午前10時とする特例措置を行っていることをも併せ鑑みれば、Xの勤怠状況は、解雇事由である就業規則所定の「精神又は身体の障害によって業務に耐えられないと認められ、かつ、他部署への配置転換が困難な著しく正常でない場合」に該当するとともに、Y社が、Xに対し、本件解雇を行うことは、労働契約法17条の「やむを得ない事由」があるといえるから、本件解雇は有効である。

ハラスメントが原因で休職した場合でも、その程度によっては本件のような判断がされることがあります。

本の紹介973(凡人道)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

ひろゆきさんの本です。

堀江さんの本を読んでからこの本を読むととてもおもしろいです。

「凡人が鵜呑みにしてんじゃねーよ」みたいな感じです(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

お金持ちをうらやむ人にそれが叶ったら何をしたいか聞くと、たいてい『タワーマンションに住みたい!』『ブランドの服やカバンが買いたい!』『豪華な海外旅行に行きたい!』などの答えが返ってきます。・・・普通の生活でこういう浪費がクセになってしまうと、生きるうえでのコストが上がっていきます。・・・僕は『お金を貯めたほうがいい』と思っている派で、こういった生活コストを上げることには賛成しません。」(138頁)

生活コストを上げるべきでないという点は同感です。

人によって何をするのが幸せで快感を覚えるのかが異なりますので、別に好きにすればいいのですが、私のように物欲0人間からすると、タワーマンションもブランドの服もカバンも全く興味がありません。

というか、こういうものを手に入れても、幸福度が上がらないのです。

海外旅行も(というか国内旅行も)移動するのが面倒くさいです(笑)

兎にも角にも、インスタでリア充をアピールするような、他人から「すごいね!」とか「いいなー!」と思われたい欲求が全くないので、タワーマンションだのブランドの服だの高級時計だので見栄を張る理由がないのです。

他人の評価など気にせず自然体で生きたいように生きればいいのです。

セクハラ・パワハラ56(学校法人弘徳学園事件)

おはようございます。
75日目の栗坊トマト。実がどんどん大きくなってきています!

今日は、降格処分とハラスメントについて争われた裁判例を見てみましょう。

学校法人弘徳学園事件(神戸地裁豊岡支部令和元年7月12日・労判ジャーナル91号20頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の事務局長であったXが、Y社から受けた降格処分は理由のない無効なものであり、これにより賃金及び賞与を減額されたことに理由はないとして、雇用契約に基づく減額賃金及び賞与等の支払を求め、また、Y社に対し、上記降格処分の通知の際の亡学長のXに対する発言がハラスメントないしハラスメントに類する違法行為なのに、Y社のハラスメント防止委員会がXの苦情申立てに対応しなかったとして、職場環境保存義務違反による雇用契約の債務不履行による損害賠償として慰謝料50万円、また、Y社の准教授であるBが、Y社に対し、亡学長がBに対してした教授会での叱責等の言動がハラスメント行為なのに、Y社のハラスメント防止委員会がBの苦情申立てに対応しなかったとして慰謝料50万円を求め、Y社及び亡学長の承継人らに対し、亡学長の行為が業務指示の範囲を超えるものでかつBに専門外の講義をさせることがハラスメント行為であるとして、慰謝料50万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

降格処分は有効

ハラスメントに基づく損害賠償請求は一部認容

【判例のポイント】

1 Xは、本件降格処分を告げられた際、亡学長から「納得できなければ裁判でもすればいい。裁判すれば、ここには居られなくなる」と言われ、かかる言動がハラスメントに当たると主張するところ、亡学長の言動は、Xが本件降格処分を不服として裁判をすれば、Xが職務上の何らかの不利益を被るかもしれないという恐怖心を与えるものであり、Xが本件降格処分についての裁判を提起するという正当な権利の行使を躊躇せしめるものであり、ハラスメントに当たるといえるが、もっとも、Xは、本件訴訟を提起したことで、Y社において、特に不利益を被っていないこと、Y社も、亡学長の言動を不適切と判断して、譴責の懲戒処分をしたことが認められることから、Xの被った精神テック痛は、大きいとまではいえないから、これを金銭的に評価すれば、10万円が相当である。

2 亡学長が、新入生歓迎会のしおりについて、教授会でBを叱責したことについてはハラスメントに該当し、Bは、精神的苦痛を受けたといえるところ、Bは、亡学長の言動について、ハラスメントとして苦情申立てをしたが、Bが申立ての方式を誤解していたとはいえ、Y社による対応が何もなされていないことから、Bの精神的苦痛は回復されていないといえるが、もっとも、Bは、亡学長の叱責をうけた直後は心理面について要診療とされるような状態であったが、診療は受けておらず、その後は、正常な状態に戻ったことが認められ、これらの事情を踏まえれば、Bの精神的苦痛は大きいとはいえず、金銭的に評価すれば、10万円が相当である。

金銭的なダメージよりもレピュテーションダメージを気にするべきです。

本の紹介972(頭で考える前に「やってみた」人が、うまくいく)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

「ジュガール」でおなじみのサチン・チョードリーさんの本です。

もはやタイトルをそのまま実践し続けることができれば、ほぼ成功すると思います。

多くの人は、本を読んで実践しないので、いつまでたっても人生は変わりません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

多くの人が見落としがちなことですが、実は私たちは相手に商品を売り込もうとするとき、同時に『自分のことも売り込んでいる』のです。そして、あなたが自分の売り込みに失敗した場合、商品の売り込みに失敗するのと同様に、相手はあなたのことを信用してくれません。」(182頁)

商品は自分自身だと考えて、日々の仕事を通じて、自身の商品価値を高めることが大切です。

顧客は、会社ではなく、人に付きます。

その人を信用して、商品を購入しているのです。

だからこそ自分の商品価値を高めるという意識で時間を使わないと、気づいたら、年齢とともに減価償却されてしまいます。

暇さえあればラインやインスタをする、まさにその時間に英単語の1つでも2つでも覚えれば人生は変わり出します。

99人はやらないし、やり続けられない。

だからこそやり続けるのです。

これが商品価値の上げ方です。

継続雇用制度26(エボニック・ジャパン事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

73日目の栗坊トマト。実が増えてきましたー。まだ緑色ですけど。

今日は、再雇用基準不充足を理由とした更新拒絶の適法性等に関する裁判例を見てみましょう。

エボニック・ジャパン事件(東京地裁平成30年6月12日・労判1205号65頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元正社員であるXが、平成27年3月31日付けで60歳の定年により退職し、雇用期間を1年間とする有期雇用契約(以下「本件再雇用契約」という。)により再雇用された後、「定年退職後の再雇用制度対象者の基準に関する労使協定」(以下「本件労使協定」という。)所定の再雇用制度の対象となる者の基準(以下「本件再雇用基準」という。)を充足しないことを理由として、平成28年4月1日以降は同契約が更新されず、再雇用されなかったこと(以下「本件雇止め」という。)について、実際には同基準を充足していたことなどから、労働契約法19条2号により、同一の労働条件で同契約が更新されたとみなされること、平成27年分及び平成28年分の業績賞与の査定等に誤りがあることなどを主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、本件雇止め以降の未払基本給(バックペイ)並びに前期業績賞与の未払分の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

雇止めは無効

【判例のポイント】

1 達成度評価における評価値(点数)が3点であるということは、平成25年までは「期待どおりであった」ことを、平成26年以降は「目標は完全に達成された」ことを意味するのであり、単年度だけでみても、達成度評価の評価値(点数)が全従業員の平均点以上であるか、少なくとも3点以上であるということは、特に良いとも悪いともいえないような大半の従業員が達成し得る平凡な成績を広く含む趣旨で使用され得る「普通の水準」という用語の一般的な意味から外れるものである。まして、3年連続で全従業員の平均点以上の成績を収めることのできる従業員は、全従業員の半数を大きく下回る人数にとどまるのであり、「普通の水準」という用語の一般的な意味からは大きく逸脱する
そもそも、達成度評価の評価値(点数)が全従業員の平均点以上であることを要求する基準を設定する場合には、平均(アベレージ)という用語を使用するのが通常であると考えられるところ、本件人事考課基準において、かかる用語は使用されていない。
また、本件労使協定の交渉段階において検討された「グッドパフォーマンス」という基準ですら、達成度評価の評価値(点数)が4点以上であるなどの高い水準を意味していたとは考えがたいところ、これよりも低い「普通の水準(オーディナリーパフォーマンス)」が基準とされたものであるし、本件労使協定が締結された当時、Y社の社内において、達成度評価の評価値(点数)が全従業員の平均点以上ないし3点以上でなければ、本件人事考課基準を充足したことにはならない旨の説明がなされたことを窺わせる形跡もない。

2 以上検討したところに加え、本件労使協定に基づく再雇用制度は、高年法上の高年齢者雇用確保措置の1つである継続雇用制度として設けられたものであることを踏まえると、本件人事考課基準が、過去3年間のいずれの年においても、達成度評価の評価値(点数)が全従業員の平均点以上とか、3点以上といった趣旨であるとは解しがたい。むしろ、「普通の水準」は、大半の従業員が達成し得る平凡な成績を広く含む趣旨と解すべきであるし、「過去3年間の人事考課結果が普通の水準以上であること」というのは、過去3年間について、3年連続で「普通の水準」以上であることを要求するものではなく、過去3年間を通じて評価した場合に「普通の水準」以上であれば足りるという趣旨と理解するのが合理的である。

3 Y社は、①本件雇止めが行政取締法規である高年法に違反するとしても、その違反の効果として私法的効力が生じる余地はないこと、②定年退職者全員が有期雇用となる被告における定年後の再雇用において労働契約法19条を適用することは、法の趣旨に反すること、③特別支給年金受給開始年齢到達後の継続雇用制度と同年齢到達前の継続雇用制度とは別個のものであること、④就業規則16条2項は、平成24年改正法前後の継続雇用制度が別制度であるとの理解を反映したものであることを指摘して、平成28年4月1日以降のXの再雇用について、労働契約法19条の適用は問題とならないと主張する。
しかしながら、上記①については、高年法それ自体が私法的効力を有していないとしても、高年法の趣旨に沿って設けられた就業規則16条2項及び本件労使協定が私法的効力を有することは明らかであり、これらの解釈に当たり高年法の趣旨が参照されることに支障があるとはいえない
また、労働契約法19条は適用対象となる有期雇用契約の類型等を特に限定しておらず、他の同種の従業員全員が有期雇用であるとか、定年後の再雇用であるといった理由により、その適用自体が否定されるものではないから、同②の指摘は失当である。
そして、同③及び④の指摘については、本件再雇用契約が「更新されるものと期待することについて合理的な理由がある」か否かを検討するに当たり考慮すべき事項であるとしても、労働契約法19条の適用自体を否定する根拠とはなり得ないから、労働契約法19条の適用は問題とならないとの上記Y社の主張を採用することはできない。

久しぶりの継続雇用関係の裁判例です。

継続雇用については、同一労働同一賃金関係の訴訟とともに、本件のような入り口でのトラブルもありますので注意しましょう。

本の紹介971(好きなことしか本気になれない。)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、本の紹介です。

著者は、株式会社ココナラ代表取締役社長の方です。

帯には「キャリアアップよりも大事なのは、自分のストーリーを生きること。」と書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人口動向、未来予測などエビデンスベースの精度が高い情報を得る。自分なりの未来観、社会観をアップデートする。意思決定の判断基盤をつくる…読書はその際役に立つ。だが、まとまった時間はなかなかとれない。移動中の電車やカフェでは細切れ読書になり、思考が途切れたり飽きたりして、効果がよい読み方にはなりにくい。そんなときには『一人読書合宿』を試してみよう。2泊3日モデルを紹介する。」(58頁)

日常生活で言えば、「細切れ時間を制する者は人生を制する」と思っていますが、

1つのテーマをじっくり勉強したい場合には、この本で紹介されている「一人読書合宿」はいいですね!

旅館を予約し、あるテーマの本を持ち込み、徹底的にその分野を勉強する。

気が散りそうなものは一切持っていかない。

僕も一度、試しにやってみようと思います。