不当労働行為230(交通機械サービス(契約期間短縮)事件)

おはようございます。

今日は、期間限定雇用契約社員として雇用されてきた組合員2名に対して、契約期間を従来の6か月から3か月に短縮したことが不当労働行為に当たらないとされた事案を見てみましょう。

交通機械サービス(契約期間短縮)事件(東京都労委平成31年3月19日・労判1209号83頁)

【事案の概要】

本件は、期間限定雇用契約社員として雇用されてきた組合員2名に対して、契約期間を従来の6か月から3か月に短縮したことが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 組合は、Y社が、A3及びA4の契約期間を短縮する一方、同時期に契約更新された非組合員に対しては、従来の労働契約期間を維持しており、これは組合員を狙い撃ちにしたものであると主張する。
しかし、契約社員全11名のうち、従来の労働契約期間が維持された2名は、定年間近であるために労働契約期間短縮措置の対象外となったものである。そして、Y社は、定年までおおむね2年以上あるなどの一定の要件を満たす者については、A3及びA4だけでなく、非組合員を含む9名全員を同措置の対象とし、29年7月以降10月1日までに契約社員7名の契約期間を6か月から3か月に短縮しているのであるから、労働契約期間短縮措置は、組合員であるか否かにかかわらず、従業員に一律に適用されたというべきであり、組合員を狙い撃ちにしたものであるとの組合の主張は、採用することができない。

2 また、一般的には、労働契約期間の短縮は、従業員にとって雇用の不安定化を招くものであることに対し、Y社は、労働契約期間短縮措置は、就労継続意思がある契約社員について、正社員登用の機会を増やすことを目的として導入したと主張する。
実際、Y社は、同措置対象者のうち、就労継続意思があり、業務遂行等に特段の問題がない者には、契約更新時に正社員登用を打診しており、A3及びA4もその打診を受け、希望したA4は正社員に登用されている。加えて、同措置導入後、契約期間満了のみを理由として雇止めをされた従業員はいない。
したがって、労働契約期間短縮措置の導入により、同措置対象従業員の雇用が不安定になった事実は認められず、同措置によって、組合員に具体的な不利益が生じたとはいえない。
よって、Y社が、A3及びA4との労働契約の期間を6か月から3か月に短縮したことが、不当労働行為に当たるということはできない。

上記命令のポイント1のように、組合員と非組合員との間に差が生じていない場合には不当労働行為の問題となりません。