Author Archives: 栗田 勇

本の紹介997(101歳現役医師の死なない生活)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

長寿の秘密を101歳現役医師の著者が教えてくれています。

帯にも書かれていますが、問題は、「それらを毎日続けられるかどうか」です。

すべては習慣の問題です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・反対に体に悪い習慣があれば、そのマイナス面をちゃんと認識して、やめたり改善したりする必要があります。不規則な生活、バランスの悪い食事、お酒やタバコ、運動不足、睡眠不足、過度なストレス、マイナス思考といったものは、すべて悪い習慣につながります。悪い習慣が一度定着してしまうと、それを変えるには、相当な努力が必要になります。」(49頁)

これが習慣というものです。

良くも悪くも人生を決定付けているのは、日々の習慣です。

どのようなことを習慣にするかでほとんど人生は決まってしまいます。

習慣化するのが苦手な人が多い一方、習慣化が得意な人も実際にいます。

習慣化が得意な人は、あらゆることをいとも簡単に習慣化できます。

そういう人たちは、習慣化は、「才能」ではなく単なる「技術」「方法論」の問題だということを知っているからです。

このことを知っていれば、習慣化はそんなに大変なことではありません。

賃金191(清和プラメタル事件)

おはようございます。

今日は、早出時間と固定残業代の成否に関する裁判例を見てみましょう。

清和プラメタル事件(大阪地裁令和元年8月22日・労判ジャーナル93号22頁)

【事案の概要】

本件は、プラスチック製品の製造、加工及び販売等を目的とするY社の元従業員XがY社に対し、労働契約に基づき、未払の時間外割増賃金等計約148万円等の支払、また、労働基準法114条に基づき、上記未払賃金のうち約84万円と同額の付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 割増賃金等(固定残業代)支払の有無について、Y社は、Xに対し、平成27年4月頃、所定の始業時間(午前8時)より早く出勤する早出時間について、固定残業手当として月額5万円の「その他手当」を支給し、午後5時以降の時間を別途残業時間として算定することを説明し、その了解を得た旨主張するが、「その他手当」の名目からはその性質がわからない上、それが固定残業代であることを示す契約書や就業規則等の定めは存しないし、また、Xが平成27年5月頃に残業手当がないことについて質問していることからすると、その時点でXが「その他手当」を残業代であると認識していなかったことが窺われ、さらに、Xの労働実態に差がないにもかかわらず、平成27年3月以前の残業手当の額より同年4月以降の残業手当と「その他手当」の合計額が相当程度高くなっていることからしても、「その他手当」に従前の残業手当以外のものが含まれることが窺われること等から、Y社による割増賃金等(固定残業代)支払の主張は理由がない。

また固定残業制度の運用ミスです。

もう裁判所の判断が固まってきていますので、奇を衒わず、有効要件を意識すれば、それほど難しい問題ではありません。

弁護士・社労士に相談して、正しく運用するくせをつけましょう。

本の紹介996(小さな会社の生きる道)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

著者は、京大法学部を卒業後、富士通を経て、家業を継いだ13代目社長の方です。

著者がコンサルティングした実例に基づき、「小さな会社の生きる道」についてさまざまな角度から解説しています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

どの会社でもそうだが、新ブランドやリブランディングのプロジェクトは、一部の人しか直接的に関わらないことが多い。すると、直接関わらない人たちはどこか他人事に捉えてしまう傾向がある。しかしブランドは、直接的であるにせよ、間接的であるにせよ、外から見たときに関わっていると思われるすべての人がつくるものである。すべての人がそのブランドを理解し体現しないと、本当の意味でブランドにはなり得ない。」(232頁)

個人のブランディングであれば、本人だけの問題ですので、このようなことは問題になりません。

しかし、組織のブランディングとなるとそうはいきません。

そこで働くすべての人が自社の「ブランド」の本質が何かを理解し、それに矛盾しない行動を取ることが求められます。

組織が大きくなればなるほど実現するのが難しくなります。

だからこそブランドを守るということはとても大変なのです。

労働時間57(三村運送事件)

おはようございます。

今日は、トラック運転手らの時間外割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

三村運送事件(東京地裁令和元年6月26日・労判ジャーナル93号38頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の貨物自動車の運転業務等に従事する従業員ら9名が、平成26年7月16日から平成28年8月15日までの期間に行った時間外労働等に係る労働基準法37条1項及び4項所定の割増賃金並びに所定労働時間を超えるが法定労働時間を超えない労働に係る賃金が支払われていないと主張して、Y社に対し、未払割増賃金等並びに同法114条所定の付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

付加金については請求棄却

【判例のポイント】

1 休憩施設等滞在時間の労働時間該当性について、Xらは、休憩施設等において、車内で、睡眠を取ったり、飲酒したり、テレビを見たり、トラックを駐車した上でそこから離れて、飲酒物を購入したり、入浴したり、食事をとったりするなどして過ごしており、ホテル滞在時においても、トラックの確認は1日2回程度にとどまり、その他の時間は客室において携帯端末を用いてニュース記事を見たり、ゲームをしたり、テレビを見たり、飲食のために外出したりするなどしていたのであるから、そもそも積載貨物を常時監視していたとは認め難く、そして、Y社はこれらの行動を特に規制するような指示はしておらず、かえってトラック運転手の裁量にゆだねていたことからすれば、休憩施設等滞在時間は、Xらにおいて業務から解放されて自由に利用できる状態に置かれた時間であるということができるから、Xらが、長距離運行中休憩施設等に滞在する間、労働からの解放が保障されており、労働者は使用者の指揮命令下に置かれていたとはいえないから、休憩施設等滞在時間は労働時間に該当せず、Xらの長距離運行期間中の始業・終業時刻は、Y社の主張するとおり認めるのが相当である。

長距離ドライバーの手待時間は本当に悩ましい問題です。

本件では、会社が休憩施設等の滞在時間については、休憩時間と判断されています。

決してドライバー任せにせず、会社でルールをしっかり決めることが重要です。

本の紹介995(筋肉こそ金なり)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

タイトルからわかるとおり、筋肉を鍛えることの重要性を「肉体改造」×「最新機器」×「栄養学」の3つのアプローチから説いています。

基本的かつ重要な事項を説明しつつ、新しい情報を入れてくれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

論文の統計では3ヵ月の段階で約65%の人が脱落してしまいます。さまざまな理由が考えられますが、もっとも多いのは、すぐに効果を実感できず嫌になってしまうケースだと思います。」(61頁)

続けられない理由なんて簡単に何個も出てきます。

時間がないっていうのもその代表例です。

スマホいじっている時間はあるのに、ジムに行く時間はないと。

いずれにしても、継続できなければ結果なんて出るわけがありません。

だからこそ体つきを見れば、その人が継続することができる人かどうかがわかるわけです。

解雇317(えびす自動車事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、解雇無効地位確認と不就労期間の未払賃金等支払請求に関する裁判例を見てみましょう。

えびす自動車事件(東京地裁令和元年7月3日・労判ジャーナル93号34頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していたXが、Y社に就労を拒否され、その後、Y社から違法に解雇されたと主張して、労働契約に基づき、Y社に対し、労働契約上の地位の確認を求めるとともに、就労が拒否された後である平成28年5月29日から平成30年4月15日までの賃金約589万円及び平成30年5月から本判決確定の日まで毎月25日限り賃金26万0673円の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 平成29年5月18日にXがY社を退職したかについて、Xは、平成29年5月18日、Y社に対し退職届を提出しており、これにより辞職の意思表示をしたといえることから、Xは、同日、Y社を退職したと認められるから、本件請求のうち、労働契約上の地位の確認を求める部分及び平成29年5月18日以降本判決確定の日までの賃金の支払いを求める部分は理由がない。

2 平成28年5月29日から平成29年5月までの間、Y社の責めに帰すべき事由によって労務を提供することができなくなったかについて、Y社は、度重なる指導にもかかわらず重大な事故を繰り返し発生させ反省する様子を見せないXを、このままタクシー運転手として勤務させ続けることは危険であるとしてその就労を拒否し、事務職への転換を提案したX所長の判断は、安全性を最も重視すべきタクシー会社として合理的理由に基づく相当なものであったというべきであり、本件免許停止処分の期間が満了した後も、Xが事故防止に向けた具体的取組をY社に説明することはおろか、タクシー運転手として勤務を希望する旨を申し出ることすら一度もなかったことをも踏まえると、Y社が本件免許停止処分以降、約1年間にわたってXの就労を拒否し続け、Xが労務を提供することができなかったことについて、Y社の責めに帰すべき事由があると認めることはできないから、本件請求のうち、平成28年5月29日から平成29年5月18日までの賃金の支払を求める部分は理由がない。

上記判例のポイント2のようなプロセスをしっかり踏むこととそれをエビデンスとして残すことがとっても大切です。

本の紹介994(リアルビジネス3.0)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

サブタイトルは「あらゆる企業は教育化する」です。

複数の例を取り上げて、1.0→2.0→3.0のそれぞれの段階をわかりやすく説明してくれています。

これを自分の仕事に当てはめて実験をしてみるというのがビジネスの楽しさです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

モノの時代が終わった日本では、製造業はサービス化し、サービス業はより進化したサービスを展開してきました。モノを売り買いしていた時代が『1.0』だとすれば、サービス化の時代は『2.0』、そして教育化が『3.0』と位置付けられます。」(4頁)

この「教育化」というキーワードは、この言葉を見ただけでは、その意味することを十分に理解することはできません。

こういう系の本は読んだだけで満足してしまうのですが、それでは意味がないわけです。

本に載っている具体例や方法論をいかに自分の仕事に応用するかが勝負です。

この本が言わんとしていることは読めば誰でもわかります。

でも、多くの人は実践しないのです。

勝敗はそこで決まります。

賃金190(富国生命保険事件)

おはようございます。

今日は、総合職加算及び勤務手当が法内残業の対価であると認められた裁判例を見てみましょう。

富国生命保険事件(仙台地裁平成31年3月28日・労経速2395号19頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結し、総合職として勤務したXが、退職後にY社に対し、在職中に時間外労働をしたと主張して、賃金請求権に基づく割増賃金+遅延損害金の支払を求めるとともに、上記割増賃金の不払について労働基準法114条に基づく付加金+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、17万0063円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 内務職員給与規定において、総合職加算についても、勤務手当についても、その支給対象者は法内残業時間に対する時間外勤務手当の支給対象外とされていることに照らすと、総合職加算も勤務手当も、法内残業時間に対する時間外勤務手当としての性質を有していると解するのが相当である。
この点、Xは、Xのように法内残業が恒常化している者の場合には、総合職加算の額も勤務手当の額も法所定の残業代に満たないから、これらを法内残業手当とみることはできないと主張する。
しかしながら、所定労働時間を超えていても、法定労働時間を超えていない法内残業に対する手当については、労働基準法37条の規制は及ばない。また、所定労働時間内の労働に対する対価と所定労働時間外の労働に対する対価を常に同一にしなければならない理由はないから、清算の便宜等のために残業時間にかかわらず法内残業手当の額を固定した結果、法内残業をした日の多寡によっては、法内残業に対する時間当たりの対価が、所定労働時間内の労働に対する時間当たりの対価を下回る結果となったとしても、それだけで直ちに違法ということはできない

各種手当に関するルールをしっかり理解して運用すれば、裁判所はしっかり認めてくれます。

本の紹介993(「複業」で成功する)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

著者は、弁護士で「弁護士ドットコム」の創業者で、かつ、参議院議員の元榮先生です。

「三足のわらじ」の著者が、「複業社会のなかでの生き方」を説いています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自由に生きたいと口にしていても、実際のところはルールに縛られた社会のほうが『生きやすい』と感じている人も少なからずいるものです。どうしてかといえば、やるべきことを細かく決められている状況に慣れているからです。ルールや枠がなくなることで不安になる人がいるのはわかりますが、それを怖がるか、楽しむかで人生は変わってきます。一歩、前へと足を踏み出す。その勇気をもつだけで人生がまったく違ったものになっていきます。」(203~204頁)

こんな時代からこそ、自由にやりたいことをやればいいのです。

いろんなことを我慢して自由がほとんどない生活をしている人もいれば、その逆の人もいます。

いずれも自らの選択ですから、良いも悪いもありません。

ただ、どちらかに慣れてしまうと、もう抜け出せなくなります。

自分の人生は自分で決める。

生きたいように生きる。

やりやくないことはやらない。

それだけで幸福度は大幅に上がります。

賃金189(飯島企画事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は、実際の時間外労働時間数との間に相当程度の差異がある時間外手当が固定残業代として有効とされた裁判例を見てみましょう。

飯島企画事件(東京地裁平成31年4月26日・労経速2395号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で雇用契約を締結した労働者であるXが、Y社に対し、①時間外労働等に係る割増賃金+遅延損害金、②労働基準法114条に基づく付加金+遅延損害金、③月例賃金の減額に同意していないとして、減額前後の月例賃金の差額分合計26万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件雇用契約における時間外手当は、本件雇用契約締結当初から設けられたものであり、その名称からして、時間外労働の対価として支払われるものと考えることができる上に、実際の時間外労働時間を踏まえて改定されていたことを認めることができる
これらの事実によれば、時間外手当は、時間外労働に対する対価として支払われるものということができ、また、時間外手当と通常の労働時間の賃金である基本給とは明確に区分されているから、時間外手当について、有効な固定残業代の定めがあったということができる。

2 これに対し、Xは、固定残業手当について、時間当たりの単価や、予定する時間外労働等に係る時間数が示されていないため、通常の労働時間の賃金である部分と時間外労働に対する対価である部分とが明確に区別されていないと主張する。
しかし、有効な固定残業代の定めであるためには、必ずしもXが指摘する各点を示すことは必要ないと解されるので、Xの上記主張を採用することはできない。

3 Xは、Y社が主張する実際の時間外労働に係る時間数と、上記の時間数が著しく異なるため、時間外手当は、時間外労働の対価としての性質を有しないとも主張する。そして、確かに、Y社が給与計算において考慮した時間外労働等に係る時間数と、上記時間数は相当程度異なるが、上記の各事実が認められることのほか、Y社の給与計算においてコース組みに要した時間が含まれていないこと、Y社の給与計算によっても平成28年2月16日から同年3月15日の間に38時間以上、平成30年1月16日から同年2月15日の間に47時間以上時間外労働をしていたことを考慮すると、上記判断は左右されない。

最近は、上記判例のポイント2のような判断が主流ですね。