【自己破産⑫】優先的破産債権、劣後的破産債権ってなに?

優先的破産債権、劣後的破産債権とはなんですか? 

破産手続は、破産者の総財産を換価・配当する終末的処理を目的とし、僅少な財産を分配するため、厳格な順位が付されています。
破産債権は、配当を受ける順位区分にしたがい、優先的破産債権一般破産債権及び劣後的破産債権に分けられます。
破産配当原資は、まず優先的破産債権に配当され、残余があるときは一般破産債権に、そしてさらに残余があるときには、劣後的破産債権、そして、約定劣後破産債権に配当されます。
以下、優先的破産債権と劣後的破産債権の説明をいたします。
1 優先的破産債権
破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権は優先的破産債権となります。
一般の優先権があるかどうか及びその優先順位は、民法、商法その他の法律の定めるところによって決定されます。
実務上よくみられる例としては、租税等請求権、労働債権のほか、個人事件における破産手続開始前6か月分の上水道、電気及びガス料金などがあります。
これに対して、下水道の料金は財団債権となります。
2 劣後的破産債権
一般の破産債権に後れるものを劣後的破産債権といいます。
劣後的破産債権は、実質的に配当から除外されることを意味し、議決権行使も否定されます。
劣後的破産債権のほか、破産債権者と破産者の事前の合意によって、劣後的破産債権に更に劣後する債権を設けることが認められています(約定劣後破産債権)。