Monthly Archives: 9月 2017

本の紹介714 筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方

Testosteroneさんの新しい本です。

日本のダイエット業界やメディアが取り上げる科学的根拠のないインチキダイエットに対して猛烈に怒っているようです(笑)

著者が薦めるのは「マクロ管理法」という方法です。

気になる方は本を読んでみましょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ダイエットに限らず、人生において本当に価値のあるものは簡単に手に入らない。『努力は一切必要ない!』とか『誰にでもできますよ~』なんていうのは詐欺の決まり文句だ。等価交換がこの世の原則である。楽して価値のあるリターンを得ようという態度がそもそもよくない。」(22頁)

ですって(笑)

No pain, no gain.

幸か不幸か、たまたま楽して結果を得られた経験をしてしまうと、次も同じ発想をしてしまうものです。

一度覚えてしまうとくせになってしまうのです。

もう努力するのがあほらしくなって、体が言うことを聞かなくなってしまうのです。

人間なんてみんな弱い生き物ですから。

だからこそ、仕事でも勉強でもスポーツでも、楽をしてはいけないのです。

最初に自分で決めたことをやり続けることが大切です。

賃金139 口頭弁論終結後に割増賃金を支払った場合の付加金支払義務(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、口頭弁論終結後に割増賃金を支払った場合の付加金支払義務に関する裁判例を見てみましょう。

損保ジャパン日本興亜(付加金支払請求異議)事件(東京地裁平成28年10月14日・労判1157号59頁)

【事案の概要】

本件は、判決により労働基準法114条所定の付加金の支払を命ぜられた原告が、判決確定前に未払割増賃金を支払ったので、付加金の支払義務が発生しておらず、Xが同判決を債務名義、同判決で命ぜられた付加金請求権を請求債権とし、Y社を債務者として行った債権差押えは不当な執行であるとして、同強制執行の不許を求める請求異議の事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 労働基準法114条は、裁判所は、労働者の請求により、解雇予告手当(同法20条)、休業手当(同法26条)、割増賃金(同法37条)、年次有給休暇の期間における賃金を支払わない(同法39条6項)使用者に対し、使用者が本来支払うべき金額の未払金のほか、同一額の付加金の支払を命じることができると定めている。
付加金の性質は、労働基準法によって使用者に課せられた義務の違背に対する制裁であって、損害の填補としての性質を持つものではないと解され、実体法的な権利関係に基づいて生ずるものではないから、未払割増賃金の弁済等の実体法上の消滅原因によって付加金支払義務を免れることができないというべきである。
また、付加金支払義務は、付加金の支払を認める判決の確定によって生じるところ、判決の基礎とすることができる事実は、事実審の口頭弁論終結時までのものである。
このことからすると、付加金の支払を認める判決の確定によって、付加金支払義務が発生するためには、事実審の口頭弁論終結時において、付加金の支払を命ずるための要件が具備されていれば足り、当該判決が取り消されない限りは、事実審の口頭弁論終結後の事情によって、当該判決による付加金支払義務の発生に影響を与えないというべきである。
したがって、使用者が判決確定前に未払割増賃金を支払ったとしても、その後に確定する判決によって付加金支払義務が発生するので、付加金支払義務を消滅させるには、控訴して第一審判決の付加金の支払を命ずる部分の取消を求め、その旨の判決がされることが必要となる
 この点、Y社は、最高裁平成26年判決が「裁判所がその支払を命ずるまで(訴訟手続上は事実審の口頭弁論終結時まで)に使用者が未払割増賃金の支払を完了しその義務違反の状況が消滅したときには」と判示していることから、事実審終了後判決確定までの間に未払割増賃金が支払われた場合には、付加金が発生しないことが前提となっており、判決にある付加金支払義務は、判決確定前に未払の割増賃金等が支払われないことを停止条件として発生する、又は、判決確定前に未払の割増賃金等が支払われることを解除条件とするものである旨主張する。
しかし、最高裁平成26年判決では、付加金支払義務はその支払を命ずる判決の確定によって発生するものであるが、事実審の口頭弁論終結後の事実は判決の基礎とすることができないから、使用者が未払賃金の支払を完了して付加金支払義務を免れることができるのは、訴訟手続上、事実審の口頭弁論終結時までとなることが説示されているものと解され、このことからすると、付加金支払義務を免れるためには使用者としては控訴をした上で訴訟手続上、支払の事実を主張立証することが必要であると解される。
したがって、判決による付加金の支払義務の発生は、判決確定前の未払割増賃金等の支払の有無を条件とするものである旨の原告の主張は採用できない。

本件の特徴は、「事実審の口頭弁論終結後判決確定前」に未払賃金を支払ったという点です。

結論としては上記のとおりです。

支払いが遅れないように気をつけましょう。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介713 20代で知っておくべき「歴史の使い方」を教えよう。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
20代で知っておくべき「歴史の使い方」を教えよう。

久しぶりに千田さんの本です。

幅広い分野で本を書けること自体が勉強になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

真の勇気とは、よいと思ったことをすぐにやり、悪いと思ったことはすぐにやめることだ」(44頁)

簡単そうに見えて、なかなかできないことです。

考え方の習慣の問題なので、できる人は無意識のレベルでできるのですが、できない人は意識しても体が言うことを聞かないのです。

「フットワークが軽い」という表現をよく使いますが、これは別に、誘われた会合にすぐにかけつけることだけを指すのではありません。

よいと思ったことをすぐにやり、悪いと思ったことはすぐにやめることもまたある意味フットワークが軽いのでしょう。

賃金138 退職した看護師に対する修学資金等返還請求(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、辞職した看護師等に対する修学資金等貸付金返還請求に関する裁判例を見てみましょう。

医療法人杏祐会事件(山口地裁萩支部平成29年3月24日・労判ジャーナル64号32頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が、かつて雇用していた看護師であるXに対し、①准看護学校在学中の修学資金等として、平成17年4月4日から平成19年3月1日まで合計約146万円を期限の定めなく貸し付け、さらに、②看護学校在学中の修学資金等として、同年4月26日から平成22年3月27日まで合計108万円を期限の定めなく貸し付けたとして、金銭消費貸借契約に基づき、本件貸付①の残元金約146万円及び本件貸付②の元金108万円の合計254万円等の支払を求めるとともに、Xの父であるAに対し、同人が本件貸付の貸金債務を連帯保証したとして、保証契約に基づき、上記同額の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 E事務長等のY社の管理職は、Xが退職届を提出するや、本件貸付の存在を指摘して退職の翻意を促したと認められるのであり、本件貸付は、実際にも、まさにXの退職の翻意を促すために利用されており、しかも、E事務長は本件貸付②だけではなく本件貸付①も看護学校卒業後10年間の勤務をしなければ免除にならないと述べるなど、本件貸付規定は、労働者にとって更に過酷な解釈を使用者が示すことによってより労働者の退職の意思を制約する余地を有するものともいえ、このようなXの退職の際のY社の対応等からしても、本件貸付は、資格取得後にY社での一定期間の勤務を約束させるという経済的足止め策としての実質を有するものといわざるを得ないから、本件貸付②は、実質的には、経済的足止め策として、Xの退職の自由を不当に制限する、労働契約の不履行に対する損害賠償額の予定であるといわざるを得ず、労働基準法16条の法意に反するものとして無効というべきである。

労働基準法16条では「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と規定されています。

このような病院は複数存在しますが、訴訟になればこのような結果になりますのでご注意ください。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介712 人生をはみ出す技術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
人生をはみ出す技術 自分らしく働いて「生き抜く力」を手に入れる

著者は、東大、マッキンゼーからパンツブランドの社長になった方です。

タイトル通り「はみ出す」ことの大切さを説いています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

日本にはいまだに、『定時を過ぎても上司が会社にいるうちは帰りづらい』とか『上司から仕事を頼まれたら断れない』といった雰囲気が職場にあると思います。つまり『自分を大切にする』という発想で行動すること自体が”タブー”なのです。こうした状況を変えるためには、まず自分が結果を出す必要があります。『あいつは結果を出しているから早く帰ってもいいな』と思ってもらえればしめたものです。」(121~122頁)

賛否両論あると思いますが、まあ、このやり方が楽かなと思います。

つまり、「結果を出しておけば、やいやい言われなくなる」という法則です。

まずは仕事で結果を出すことにフォーカスするのです。

周囲から一目置かれる存在になれば仕事がやりやすくなるのは今も昔も同じことです。

そのためには人より努力し、人とは違う工夫をしなければ結果なんて出やしません。

仕事をしやすい環境は、自分の力で作り出せばいいのです。

解雇242 生活保護受給と賃金仮払いの必要性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、ダンプ運転手に対する解雇の有効性と合意解約の成否に関する裁判例を見てみましょう。

ゴールドルチル(抗告)事件(名古屋高裁平成29年1月11日・労判1156号18頁)

【事案の概要】

Xは、Y社との間で、ダンプカー運転手として期間の定めのない労働契約を締結していたところ、平成27年5月28日、Y社から事実上解雇されたが、その解雇は無効であると主張して、Y社に対し労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めるよう求めるとともに、Y社に対し、平成27年9月分以降本案判決確定に至るまで毎月15日限り賃金28万6166円をXに仮に支払うよう求めるのに対し、Y社が、本件労働契約の合意解約ないし解雇による終了を主張するなどして、Xの申立てを争う事案である。

原決定は、本件労働契約は合意解約により終了したとして、Xの申立てを却下したので、Xが本件抗告をした。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 本件において、XのY社に対する労働契約上の権利を有する地位が仮に定められれば、社会保険の被保険者たる資格を含めた包括的な地位が一応回復されることになること、Xがあえて任意の履行を求めるものでもよいとして発令を求めていること、Y社は、履行する意思はないとしているものの、抗告審において和解勧試に真摯に対応しており、発令に応じてXを従業員として扱うことも期待できないわけではないこと等の事情が認められるのであり、そのような事情が認められる本件事案においては、雇用契約上の地位保全の必要性を認めることができるというべきである。

2 Y社は、仮処分決定時までに履行期が到来している賃金については、Xが現に生計を維持してきた以上、保全の必要性は認められず、また、Xは生活保護を受給しているから、仮処分決定時以降も保全の必要性はなく、仮に必要性があるとしても、その金額が月額10万9450円を上回ることはない旨主張する。
しかし、仮処分の審理期間に係る賃金仮払いが認められないのでは、被保全権利が認められるのにも関わらずY社が争ったために審理を要したことの不利益をXに負担させることになり、相当ではないから、申立時以降の賃金仮払いが認められるべきである。また、生活保護の受給についても、生活保護が「生活の困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」(生活保護法4条1項)ものであって、雇用主に対する賃金支払請求権を有している場合に給付されることが予定されているものではないことからすれば、Xが生活保護を受けている事実をもって保全の必要性が否定されることにはならない。そして、仮払の金額についても、健康で文化的な最低限度の生活を営むのに必要な限度とする必然性はなく、XがY社に解雇されるまで、Y社から支払われる賃金をもって生活の原資としており他に収入があったとは認められないこと、賃金額がXの生活にとって過分なものであったとは考え難いことからすると、Xの生活には、従前支給されていた賃金額の金員を要するものと認められるから、同額について支払の必要性があるというべきである。

上記判例のポイント1は珍しい考え方ですね。

また、上記判例のポイント2の生活保護と賃金仮払いの必要性については参考になります。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介711 道を継ぐ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
道を継ぐ

帯には「49歳でその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子。いまなおトッププレイヤーたちの強烈な影響を与え続ける彼女の『生き方』とは?」と書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『上司がスタッフを平等に扱ってくれない。こういうときはどうすればいいか』という質問をした人に対しての答えだった。鈴木さんは、人間は平等であると錯覚している人がとても多いけれど、それは違うと答えた。そして、こう続けた。『もし人間が平等であるとするならば、それは不平等になる機会を平等に持っているだけだ』だから、自分の働きかけ次第で相手の態度は変わって当然だし、それを働きかけ機会はあなたにも他のスタッフにも平等に与えられている。『平等にしてほしい』という前に、自分が変わるべきである。そんな内容だった。」(85~86頁)

人はみな平等であるという意味についての鈴木三枝子さんの考えが紹介されています。

「平等」とは、結果の平等ではなく、機会の平等だと。

機会を活かすかどうかだけの話であり、それは日々の努力の積み重ねだと思うのです。

仕事も勉強もスポーツも根っこにある考え方はすべて同じです。

やる奴はどんな状況、どんな環境でもやるし、やらない奴はどこまでいってもやらないのです。

不当労働行為174 会社工場の周辺住民の健康被害に対する補償問題は義務的団交事項?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、会社工場の周辺住民の健康被害に対する補償問題などが義務的団交事項に当たるかが争われた事例を見てみましょう。

リソルホールディングス事件(埼玉県労委平成29年4月13日・労判1156号90頁)

【事案の概要】

本件は、会社工場の周辺住民の健康被害に対する補償問題などが義務的団交事項に当たるかが争われた事例である。

【労働委員会の判断】

義務的団交事項にあたらない

【命令のポイント】

1 アスベストが、いわゆるクボタショックにみられるようにアスベスト製品製造工場の周辺住民にも健康被害を及ぼすおそれのある物質であることから、組合が、Y社に対して、Aら旧大宮工場の周辺住民への補償を求めることは理解できなくはない。
しかしながら、労働委員会が扱う不当労働行為救済制度が、労働者の労働条件に係る交渉について、労働組合と使用者との対等な関係を保障するためにあることからすれば、労組法上の「雇用」とは、会社との労働契約関係に近似ないし隣接する関係のことを意味するというべきである
そうすると、旧大宮工場の周辺に居住していたにすぎない者は、Y社との関係において、労働契約関係に近似ないし隣接する者とはいえない。
また、旧大宮工場の周辺住民に金銭補償を行うか否かは、元従業員の未精算の労働条件とは全く別の問題である

2 したがって、「旧大宮工場の周辺住民被害者」は労組法第7条第2号にいう「使用者が雇用する労働者」には当たらず、「周辺住民被害者」の企業補償に関する事項は義務的団交事項には該当しない。

異論のないところだと思います。

義務的団交事項を理解するにはわかりやすい例ではないでしょうか。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介710 無敵の思考(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21

ひろゆきさんの思考方法がよくわかる本です。

ここまで合理的に考える方はあまり見かけませんが、1つの考え方として参考になります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

これから先、日本の失業率はものすごく上がっていくでしょう。そして、スキルのない人が苦労する時代になっていくと思います。
・スキルを身につけてお金を稼いで幸せを目指すか
・お金がなくても工夫して幸せを目指すか
その二択に分かれていくのです。どちらがいいかという話ではなく、どちらであっても『考え方』次第で軸をちゃんと決めて自分を正当化することが大事です。」(190~191頁)

スキルを身につけずにお金を稼いで幸せを目指せるかというと、なかなかそううまくはいきません。

もし前者を目指すのであれば、やはり努力を重ねるほかありません。

社会で求められているスキルを理解して、そのスキルを身につけるしかありません。

毎日1時間早く起きてその準備をするだけです。

不当労働行為173 労組法27条2項の「継続する行為」の意義(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、大量観察方式により不当労働行為の成立が否定された事例を見てみましょう。

明治(不当労働行為)事件(中労委平成29年1月11日・労経速2314号3頁)

【事案の概要】

本件は、本件Xらが、同人らの行う組合活動を嫌悪したY社は、Y社の人事制度の下、本件Xらの平成元年度から5年度における昇格・昇給を他の従業員と差別して不利益に行い、 その結果、組合の運営に支配介入したことは労働組合法第7条第1号及び第3号の不当労働行為に該当すると主張して、6年7月6日、都労委に対し、救済を申し立てた事案である。

【労働委員会の判断】

本件各再審査申立てをいずれも棄却する。

【命令のポイント】

1 労組法第27条第2項は「労働委員会は、前項の申立てが、行為の日(継続する行為にあつてはその終了した日)から一年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない」と規定し、これを受けた労委規則第33条第1項第3号は、申立てが行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、申立てを却下することができる旨規定している。
これらの規定の趣旨は、不当労働行為としてその救済が申し立てられる事件が行為の日から1年を経過している場合には、一般に、その調査審問に当たって証拠収集や実情把握が困難になり、かつ、1年を経過した後に命令を出すことはかえって労使関係の安定を阻害するおそれがあり、あるいは命令を出す実益がない場合もあることから、このような制度上の制限を設けたものと解される
そして、上記の「継続する行為」とは、個々の行為自体は複数であっても 全体として1個と見ることができる不当労働行為が継続している場合、すなわち、継続して行われる一括して1個の行為と評価できる場合をいうが、この範囲をあまり緩やかに解すると上記各規定の趣旨を没却することになるから、各行為の具体的な態様、目的、効果及び各行為の関連性等を総合して、各行為が一体のものとして1個の行為と評価できるか否かによって判断すべきである。

2 本件申立人らを含む申立人ら集団が、昭和30年代後半より、生産合理化活動や新職分制度などの会社の施策に反対する活動を行っており、労使協調路線を採るインフォーマル組織との間で、組合支部役員選挙等において激しく対立する状況にあったこと、インフォーマル組織の推薦する者が組合支部執行部を担うようになった後においても、申立人ら集団に属する者が同役員選挙等に立候補し、あるいはこれを支援するビラ配布等の活動を行っていたこと、これらの活動と並行して、会社を相手方とする組合員の解雇や配転等に関する裁 判等の傍聴や署名等の支援活動を行っており、「三つの裁判を支援する全国連絡会」が結成され、後に「全国連絡会」が結成され市川工場事件や本件の救済申立てにもつながっていることに加え、昭和41年2月の戸田橋工場における民主化同志会の結成以降、全国の各支部において一斉にインフォーマル組織が結成されており、民主化同志会の会合に市川工場の工場長を始めとする他の工場の職制らが出席していたり、戸田橋工場の課長が大阪工場にて組織化の方法を教示していたことなどからすれば、会社がその施策に賛同するインフォーマル組織の結成に関与していた疑いがあるというべきこと、さらに、会社の要職にあった者が、福岡工場での会議において、本件申立人らの活動である「三つの裁判を支援する全国連絡会」の 結成や、申立人ら集団を指すと思われる「民青」の会社内の人数の推移等 について報告していたことも認められ、会社においても、申立人ら集団 (本件申立人らや市川工場事件申立人らを含む。)について1つの集団として把握していたことがうかがわれる。
これらの事情を前提とすれば、本件申立人らを含む申立人ら集団が組合活動の面においては1つの集団であったと見た上で、人事考課成績等に関する集団的考察を行うことは、本件で不当労働行為の成否を判断にするに当たってはやはり有益な面がある

まずは上記命令のポイント1の規範を押さえましょう。

その上でいかなる場合であれば「継続する行為」と認定されるか、この事例を参考にしてください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。