解雇391 暴力団構成員との交友等を理由とした解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、暴力団構成員との交友等を理由とした解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

高松テクノサービス事件(大阪地裁令和4年9月15日・労判ジャーナル131号26頁)

【事案の概要】

本件は、建設会社であるY社との間で労働契約を締結し、現場監督等として勤務していたXが、暴力団構成員と共に保険金の詐欺未遂被疑事件で逮捕、勾留され、その後、Y社から、身柄拘束期間中に無断欠勤し、その際、虚偽の欠勤理由を報告したこと及び暴力団構成員と交友していることを理由に普通解雇されたが、これに基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認並びに未払賃金等の支払を求めるとともに、Y社から、反社会的勢力との関係が存在しないことを証明しない限り退職しなければならないなどと言われて退職を強要されたと主張して、使用者責任に基づき、慰謝料等230万円等の支払をもとめた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、Cが暴力団幹部であることを知りながら交友関係を維持して保険金請求手続に関与させ、詐欺未遂罪を被疑事実としてCと共に逮捕及び交流をされながら、Cとの関係について具体的な説明をしなかったのであって、Y社は、このようなXとの間の雇用関係を維持すれば、取引先との契約全般について解除される危険を負う状況にあったと認められるから、Y社に、Xを解雇する以外の選択をすることができたとはいえず、Xの本件交友等及びその後の経緯に照らして、これが社会通念上相当でないともいえないから、本件解雇は就業規則所定の解雇事由である「その他のやむを得ない事由」に当たり、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上の相当性を欠くものとも認められないから、本件解雇は有効である。

2 Xは、釈放されてから3日後、Y社のD及びEと面談し、その際、Dらは、Xに対し、Cとの関係を説明するように求めたことが認められるが、DやEが、面談の際、これを超えて、Xに対して反社会的勢力との交友関係について客観的に不可能な行為を要求したことは認められず、また、Dらが、Xの自由意思を抑圧する態様で退職を求めたことを認めるに足りる証拠もないから、Y社が、Xに対し、違法な退職勧奨を行ったとは認められない。

上記判例のポイント1は、会社側としてはむしろ必要な対応といえるでしょう。

訴訟を恐れて尻込みをしてしまうと、取引先等との別の問題が生じてしまいます。

解雇をする際は、必ず事前に顧問弁護士に相談をすることをおすすめいたします。