不当労働行為321 組合脱退勧奨拒否後の自宅待機命令等の違法性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。

今日は、組合脱退勧奨拒否後の自宅待機命令等の違法性に関する裁判例を見ていきましょう。

大浜資材事件(大阪高裁令和6年12月5日・労判1337号16頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されているXらが、本件自宅待機命令が無効であると主張して、自宅で勤務する雇用契約上の義務のないことの確認を求めるとともに、本件勧告及び本件自宅待機命令がいずれも不法行為に当たると主張して、X1が345万8119円の、X2が361万8826円の損害賠償+遅延損害金の支払を求めた事案である。

原審は、本件訴えのうち自宅で勤務する雇用契約上の義務のないことの確認を求める部分を却下し、損害賠償請求をX1につき275万8119円、X2につき291万8826円及びこれらに対する前同様の遅延損害金の支払を求める部分に限り認容し、その余を棄却した。

Xらは、損害賠償請求の請求棄却部分を不服として控訴を提起するとともに、X1につき123万0370円、X2につき129万2176円及びこれらに対する遅延損害金を更に支払うことを求めて訴えを変更した。

【裁判所の判断】

1 Xらの控訴及びY社の控訴をいずれも棄却する。
2 Y社は、X1に対し、123万0370円+遅延損害金を支払え。
3 Y社は、X2に対し、129万2176円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 広域協がY社に対し、本件組合は法令や社会的ルールを守ることができない組織であると再認識したため、本件組合に加入している従業員に対し、速やかに脱退することを勧告するよう依頼するとの文書を交付したことが認められ、これを受けてY社が本件勧告を行ったとしても、本件勧告は、Xらに本件組合から速やかに脱退することを勧告し、本件組合の組織や運営に妨害の意思をもって介入するものであるから、労組法7条3号の支配介入に当たり、不法行為法上も違法であると解すべきである。

2 本件自宅待機命令は、Y社の主張によっても、本件組合での活動について内省の機会を与えるものというのであって、Xらは本件組合に加入していることに関連して自宅待機を命じられたものというべきである。そして、これによりXらの収入は減少するのであるから、本件自宅待機命令は、労組法7条1号の不利益取扱いに当たり、不法行為法上も違法である。

組合脱退勧奨は、不当労働行為に該当し、不法行為となりますのでやめましょう。

また、業務上の必要性がない自宅待機命令も不法行為となりますので注意しましょう。

労働組合との対応については、日頃から顧問弁護士に相談しながら進めることが肝要です。