派遣労働34 派遣労働者の休業手当支払請求が認められた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。

今日は、派遣労働者の休業手当支払請求が認められた事案を見ていきましょう。

ピックル事件(東京地裁令和7年3月26日・労判ジャーナル163号46頁)

【事案の概要】

本件は、派遣元であるY社との間で労働契約を締結し、派遣先において就労していた派遣労働者が、令和5年3月分の賃金からの銀行口座振込手数料の控除は無効であるとして賃金等の未払があり、同年4月に就労することができなかったのはY社の責めに帰すべき事由(民法536条2項又は労働基準法26条)によると主張して、Y社に対し、主位的に、同年3月分の未払賃金、未払割増賃金、通勤交通費、4月分の未払賃金等の支払を求めるとともに、予備的に(主位的請求のうち同年4月分の賃金請求の全部又は一部が認容されることを解除条件に),同年4月分の休業手当等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 本件控除は無効
→同年3月分の未払賃金等支払請求認容
2 未払割増賃金等支払請求一部認容
3 通勤交通費請求棄却
4 同年4月1日以降に就労することができなくなったことについて、Y社の責めに帰すべき事由による(民法536条2項)と認められないとして、未払賃金等支払請求(主位的請求)
棄却、休業手支払請求(予備的請求)認容

【判例のポイント】

1 Xが令和5年4月1日以降に就労することができなくなったのは、本件派遣先から、Xの業務の遂行状況に照らして着台不可である旨連絡があったことを契機とするものであり、本件派遣先からその旨判定されたこと自体は、Y社に起因するものではなく、Y社は、上記連絡を受け、Xに対し、他の派遣を紹介しており、Xの就労を継続させるべく一定の努力をしたといえるから、Y社の責めに帰すべき事由を認めるに足りる事情ではないから、本体において、本件労働契約及び取引上の社会通念に照らして、Xが4月1日以降に就労することができなくなったことについて、Y社の責めに帰す
べき事由による(民法536条2項)と認めるには足りず、Xは、Y社に対し、同日以降の賃金を請求することはできない。

2 Xが4月1日以降に就労することができなくなったのは、本件派遣先からの連絡を契機とするものであり、Xに本件労働契約上の債務不履行があったと認めるに足りる証拠はないことを考慮すれば、使用者側に起因する事情によるものというべきであって、Y社の責めに帰すべき事由によると認めるのが相当であるから、Y社は、Xに対し、平均賃金の100分の60以上の休業手当を支払う義務を負う。

民法536条2項と労基法26条の要件の違いがよくわかりますね。

日頃から労務管理については、顧問弁護士に相談しながら行うことが大切です。