Daily Archives: 2026年3月27日

解雇435 出社義務の不履行を理由とする解雇の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。

今日は、出社義務の不履行を理由とする解雇の有効性に関する裁判例を見ていきましょう。

セールスフォース・ジャパン事件(東京地裁令和7年1月15日・労判ジャーナル160号50頁)

【事案の概要】

本件は、Y社と雇用契約を締結して就労したが、解雇されたXが、Y社に対し、本件解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でなく無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、労働契約に基づき、未払賃金等の支払と求めるとともに、上記解雇が不法行為を構成し精神的苦痛を被ったと主張して、不法行為に基づき、慰謝料160万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Y社は、Xが本件雇用契約上、出社義務を負っており、その不履行のみでも本件解雇の合理的かつ社会通念上相当な理由となる旨主張するところ、出社義務の不履行については、その出社回数、履行状況に加え、メールや書面などを通じ、複数回にわたり改善が求められていたにもかかわらず改善しなかったこと、また、出社していないことによって、Xの業務に関連する複数の人物から多数の懸念点が示されていたことに照らし、その程度が著しいというべきであり、上記不履行の程度に加え、Xは、いわば即戦力として採用されたものであり、その職務経歴経験等を活かした業務遂行が期待され、このことはX自身認識するところでもあり、変動賞与等とは別に基本給(年間)約1400万円との待遇も受けていたことを踏まえれば、本件解雇には、客観的合理的な理由があり、また、社会通念上も相当であるというべきであるから、本件解雇は有効である。

つまり、出社義務の不履行のみで解雇できるわけではない、ということです。

裁判例の結論部分だけを抜き出して、対応を誤らないように気を付けましょう。

日頃から労務管理については、顧問弁護士に相談しながら行うことが大切です。