Daily Archives: 2026年4月6日

継続雇用制度36 65歳以降の雇用について雇止め法理の適用を否定した事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、65歳以降の雇用について雇止め法理の適用を否定した事案を見ていきましょう。

大成ロテック事件(東京地裁令和7年3月11日・労経速2594号3頁)

【事案の概要】

本件は、道路工事等の設計、施工、管理及びコンサルティング等を目的とする株式会社であるY社を定年退職した後に、期間の定めのある労働契約をY社と締結し、複数回更新してきたが、その後、Y社から契約更新を拒絶されたXが、Y社に対し、前記有期労働契約は労契法19条1号又は2号により更新された旨主張して、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、令和5年7月から本件判決確定の日まで、毎月25日限り、20万円+遅延損害金の各支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 有期労働契約締結の際には、いずれも、Y社の人事担当者が原告と面談をしてXの契約締結の意向を確認した上で、XとY社との間で雇用契約書が作成されており、本件労働契約は、その更新手続が形がい化していたとはいえないから、更新の回数等を考慮しても、労契法19条1号に該当するものとはいえない。

2 満65歳までの雇用区分を再雇用社員とする有期労働契約とそれ以降の雇用区分を契約社員とする有期労働契約では、労働契約更新の期待の程度には大きな差異があり、後者についてXを含むY社の従業員が労働契約更新の期待をもつことが合理的であるということは困難というべきである。このような事情に加えて、最終的に雇用区分を再雇用社員とする有期労働契約が終了した後の、XとY社との間の雇用区分を契約社員とする有期労働契約は、1回しか更新されていない上、その更新の際、Y社からXに対し、それ以降の更新はない旨伝えられていること、Y社は、Xに対して、令和5年7月以降も雇用が継続されることを期待させるような言動は行っていないこと、令和5年度における契約社員の契約更新状況をみても、70歳未満で契約更新を希望した34人の内、Xを含む6人が契約更新されず雇用契約が終了となっており、65歳以降も原則として契約更新がなされる取扱いであったとまでは評価できないこと等の事情も併せ考慮すれば、本件労働契約の契約期間の満了時に満66歳に達するXにおいて、本件労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるとは認められない。

65歳以降の継続雇用は、現在のところ、努力義務であり、上記判例のポイント2の各要素を踏まえれば、裁判所の判断は妥当であると思います。

高年法関連の紛争は、今後ますます増えてくることが予想されます。日頃から顧問弁護士に相談の上、慎重に対応することをお勧めいたします。