Author Archives: 栗田 勇

不当労働行為226 労組の交渉窓口担当者の交代を求めると不当労働行為?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

27日目の栗坊トマト。どんどん大きくなってきています!

今日は、学校法人が労組の交渉窓口担当者の交代を求めたこと、賃上げを議題とする団交を約2か月半延期したこと等を不当労働行為とした事案を見てみましょう。

学校法人大阪YMCA事件(平成31年2月6日・労判1203号84頁)

【事案の概要】

本件は、学校法人が労組の交渉窓口担当者の交代を求めたこと、賃上げを議題とする団交を約2か月半延引したこと等が不当労働行為に該当するかが争われた事案

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 Y社の対応には一定の酌むべき事情がないとはいえないものの、A2組合員との窓口対応において、円滑な事務的調整が行われなかったことが一度あったからといって、組合が自主的に決定するものである交渉窓口担当者の交代を求め、交代するまで窓口対応を取りやめるというY社の対応は、組合の内部運営に介入し、組合の弱体化を招くおそれのある行為といえる。

2 26.7.2団交におけるY社の対応は、自らの回答について組合の理解を得るべく説明に努めたとはいえないもので、不誠実な交渉態度といわざるを得ず、誠実交渉義務に反するものであり、労組法7条2号の不当労働行為に当たる。そして、組合員の労働条件に関する組合の要求について、Y社が説明に努めたとはいえず、実質的な交渉が行われなかったことは、組合の影響力を弱めるものとして労組法7条3号の不当労働行為に当たる。

3 28.3.15団交申入れは、翌年度の賃上げを求めて団体交渉を申し入れたものであるから、賃上げ実施前の団体交渉の開催を求めるのは組合として当然であり、このような組合員の基本的労働条件に関する事項について説明を求められている以上、Y社が5月の理事会前には確定的な方針をもって回答ができないことを理由として団体交渉を拒否することは、正当な理由に基づくものとは言えない

上記命令のポイント1のように短気を起こさないことが団体交渉では肝心です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介956 君に成功を贈る(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。

中村天風さんのお話をまとめた本です。

成功というよりもいかに生きるかということが書かれていると感じました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

同じ集りで、同じ話を聴いて、非常にぬきんでて偉くなる人と、いつまでたっても偉くならない人との差が、そこに出てくるんです。その原因は、人間のもって生まれた素質にあるように考えている人が多いかもしれませんが、そうじゃありません。ではどうして、偉くなる人とそうならない人と、差が出てくるかっていうと、同じ話を聴いても、聴き方、受けとり方がぜんぜん違うからなんです。そして、受けとったことを自分の人生に、どう応用していくかということだけの差なんです。」(102頁)

同じようにセミナーを受け、同じように本を読んでも、結果は大きく異なります。

なぜか?

それは行動する人もいれば、行動しない人もいるからです。

99%はセミナーを受けっぱなし。本も読みっぱなし。

知識は増えていきますが、人生は変わりません。

実際に行動に移すこと。それを継続すること。

仕入れ(Input)をしたら、ちゃんと売上げ(Output)に変えなければ意味がありません。

行動こそが人生を変える唯一の方法です。

他人のことを批評しているうちは何も変わりません。

賃金173 固定残業代が有効と判断される場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

22日目の栗坊トマト。順調に大きくなっています。

今日は、固定残業手当、深夜手当は時間外・深夜労働の対価性を有すると認めた裁判例を見てみましょう。

さいたま労基署長事件(東京地裁平成31年1月31日・労経速2384号23頁)

【事案の概要】

本件は、平成23年9月30日に急性心不全により死亡した亡Xの母であるAらが、Xの死亡は勤務先における恒常的な長時間労働が原因であると主張して、所轄労働基準監督署長であるさいたま労働基準監督署長に対し、遺族補償給付などを請求したところ、処分行政庁は、平成29年7月18日付けで、Xの給付基礎日額を8915円と認定した上で、当該給付基礎日額に基づき算定された金額の遺族補償年金をAに支給する旨の処分等につき、原告らが、上記各処分には給付基礎日額を低額に認定した違法があると主張して、Yに対し、上記各処分の取消しを求める事案である。

【裁判所の判断】

請求認容

【判例のポイント】

1 本件会社における固定残業手当(残業手当)ないし深夜手当が、通常の労働時間の賃金に当たる部分(基本給)と明確に区分されていることは明らかである。
次に、対価性についてみると、Xが署名した契約社員雇用契約書には、「業務手当」を「残業手当」として支給する旨が明記されるとともに、本件賃金規程17条には、定額式の時間外手当として固定残業手当を支給することがあること及び実際の時間外労働がその金額を超えたときは別途時間外手当を支給する旨の包括的な定めが置かれ、本件賃金規程12条は、従業員が午後10時から午前5時までの間に勤務した場合には深夜勤務手当を支給する旨を定めている。また、Xの給与明細には「残業手当」ないし「固定残業手当」及び「深夜手当」との名称が明記されていた上、「固定残業手当」や「残業手当」という言葉の通常の語感からも、定額の残業代(割増賃金)を意味するものと容易に認識することが可能である。これらの事実によれば、本件会社がXに支給していた「残業手当(業務手当)」ないし「固定残業手当」は、時間外労働に対する対価として、「深夜(勤務)手当」は深夜労働に対する対価としてそれぞれ支払われたものと認められ、Xも、これを認識していたと認めるのが相当である(Aは、Xから残業代が支払われていないとの不満を聞いたことはない旨供述しているところ、当該供述も上記認定を裏付けるものといえる。)。

奇を衒わず、基本に忠実に固定残業制度を運用すればちゃんと裁判所は認めてくれます。

決して自分勝手に解釈して固定残業制度を導入することだけはやめましょう。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介955 事実VS本能(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

サブタイトルは「目を背けたいファクトにも理由がある」です。

不都合な真実はとりあえずなかったことにして都合のいい事実を作り出す時代をどう生きればいいのかを考える本です。

どこかの国の行政が統計の数値を都合よく変えてしまうのも無理はありません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自分がどのような世界に生きているのかをまちがって理解しているひとも、自分や家族の人生について正しい判断をすることができないでしょう。世の中には、縮尺や方位のちがう地図を手に右往左往しているひとが(ものすごく)たくさんいます。そんななかで、正しい地図を持っていることはとてつもなく有利です。これが、事実(ファクト)にこだわらなければならないいちばんの理由です。」(6頁)

私たちが日ごろ接するのは「事実」そのものではなく、事実であると説く誰かの「解説」「解釈」です。

だから、実際の真実と解説・解釈が異なることなんて日常茶飯事です。

「~らしいよ」という程度の話を鵜呑みにし、自分が正しいことを信じて疑わない。

独善的で、自分の正義感を他者へ押し付ける。

こういう人とは関わらないことです。

労働者性26 運転代行従事者の労働者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

20日目の栗坊トマト。 葉っぱの数が増えてきました。

今日は、運転代行従事者の労働者性と未払賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

ミヤイチ本舗事件(東京高裁平成30年10月17日・労判1202号121頁)

【事案の概要】

Y社は、運転代行業などを業とする株式会社である。X1は、平成24年7月頃から平成26年3月15日まで、X2は、平成24年5月22日から平成26年3月15日まで、いずれもY社において運転代行業に従事していた。

本件は、Xらが、Y社との雇用契約を締結していたと主張して、Y社に対し、未払残業代等の請求した事案である。

Y社は、主に、Xらとの契約が雇用契約ではなく業務委託契約であると主張して、Xらの請求を争った。

原審は、Xらが労働者に当たるとはいえないと判断して、Xらの各②③の請求を棄却するとともに、各①の請求について、請求に係る元本額+遅延損害金の限度でこれを認容した。

Xらは、原判決の上記判断を不服として控訴した。

【裁判所の判断】

労基法上の労働者性を肯定

【判例のポイント】

1 Xらは、就業規則と題する書面に署名押印させられ、勤務時間を定められ、職務専念義務及びY社の指示に従う義務を課せられた上、就業規則に定めのない事項は労働基準法その他の法令の定めるところによるとされていた。さらに、具体的な仕事の進め方についても、「代行本舗 社内遵守事項」が定められており、Xらは、業務遂行にあたって、仕事開始時間、待機の場所等について具体的に指示され、時間的場所的拘束を受けるだけでなく、Y社の指示に従う義務を課されるなど、Y社の包括的な指揮監督に服していた

2 具体的な業務内容である勤務シフトは、Y社側が一方的にシフト表を作成し(具体的にシフト表作成の事務を行っていたのはXらであるが、シフト表に従った勤務を命じているのはY社である。シフト表に従った勤務をできないときは、Y社の許可が必要であり、許可なしに勤務しなかった場合には、「代行本舗 社内遵守事項」によって、最高で1日2万円の制裁が科される。したがって、各月の運転代行業務について、Xらに諾否の自由があったとは認められない

3 他の代行運転者が業務委託契約書を交わしているのに対し、Xらについては、業務委託契約書が作成されていない上、Xらの業務は、他の代行運転者と異なるものであった。すなわち、Xらは、他の代行運転者よりも早く出社して、自動車を駐車場から事務所に移動させる業務、顧客を紹介する飲食店への手土産の購入などの業務、シフト表の作成業務、X1については電話番と手配業務などをしていたが、これらは代行業務に係る業務委託契約の範囲を超える業務であるというほかない。

4 Xらは、歩合報酬だけでなく、X1が電話番として勤務する以外の場面においても職務手当及び役職手当との名目で支払を受けていたこと、Y社の決算報告書において、Xらに対する支払いを業務委託料ではなく給料手当として計上していることからしても、Y社もXらとの関係を雇用関係であると理解していたとうかがわれる。
これらの諸事情を総合すると、XらとY社との関係は労働契約に基づくものというべきである。

これだけの事情がそろえば、労働者性は肯定されることはそれほど大変ではありません。

もっとも、一般的に労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介954 戦略と情熱で仕事をつくる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

著者は、ボードゲームソムリエの方です。

すべてのことが職業になるということを教えてくれています。

これからますます今までなかった職業が登場するでしょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

僕な好きな格言 やったことはたとえ失敗しても、20年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、20年後には後悔するだけだ。 マーク・トウェイン」(120頁)

生きている間にあと何回、チャレンジできるのでしょう。

もちろん何もチャレンジしなくても、日々の生活はできますし、何の支障もありません。

だから、みんながみんな、何かにチャレンジする必要はありませんし、いつも言うことですが、自分が生きたいように生きればいいのです。

何歳まで生きられるかわかりませんが、やりたいことがやれるうちは、何の我慢もせず、どんどん好きなことをやればいいのです。

老後の心配なんてしたところで、何の役にもたちません。今やりたいことを好きなだけやればいいのです。

賃金172 固定残業代が無効と判断される場合とは?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

18日目の栗坊トマト。成長著しい!

今日は、タクシー乗務員の未払割増賃金等支払請求に関する裁判例を見てみましょう。

洛陽交運事件(大阪高裁平成31年4月11日・労判ジャーナル89号28頁)

【事案の概要】

本件は、タクシー乗務員としてY社に勤務する従業員Xが、Y社に対し、①平成25年3月22日から平成28年2月19日までの時間外労働及び深夜労働に対する未払割増賃金合計約235万円等の支払を求めるとともに、②労働基準法114条に基づく付加金約199万円等の支払を求めたところ、原判決が、①未払割増賃金合計約183万円等の支払、②付加金約95万円等の支払の限度でXの請求を一部認容し、その余を棄却したため、X及びY社がそれぞれその敗訴部分を不服として控訴した事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 A期間について、「基準外手当(1)」及び「基準外手当(2)」及び「時間外調整給」には、割増賃金の性質を含む部分があるとしても、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金の性質を含む部分とを判別することはできないから、いずれも通常の労働時間の賃金として、割増賃金の基礎となる賃金に当たるというべきであるが、他方、「祝日手当」は、Y社において「祝日」及び「公休出勤手当」は、休日に勤務した場合に支給される手当であることからすると、通常の労働日の賃金であるとは認められないから、割増賃金の基礎となる賃金に当たらないというべきであり、また、「業績給」及び「乗務手当」は、いずれも4箇月ごとに支給されるものであり、労働基準法施行規則21条5号の「1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」に当たるというべきであるから、割増賃金の基礎となる賃金には当たらない

2 B期間について、「基準外1」及び「基準外2」は、月間運送収入額の多寡に応じて、月間運送収入額ないしそのうちの一定額に一定の割合を乗ずるなどして算定されるものであり、「基準外1」及び「基準外2」は、いずれも通常の労働時間の賃金として、割増賃金の基礎となる賃金に当たるというべきであり、また、「調整給」は、A期間における「時間外調整給」と同内容のものであるから、割増賃金の基礎となる賃金に当たるというべきであるが、他方、「祝日手当」は、A期間における「祝日手当」と同内容のものであるから、割増賃金の基礎となる賃金に当たらないというべきであり、また、「休日出勤手当」は、A期間における「公休出勤手当」と同趣旨のものであるから、割増賃金の基礎となる賃金に当たらないというべきである。

3 「基準外手当(1)」、「基準外手当(2)」、「時間外調整給」、「基準外1」、「基準外2」及び「調整給」は、いずれも、出来高に応じて支払われる手当であるから、「請負制によって定められる賃金」(労働基準法施行規則19条1項6号)に当たる。

固定残業制度の運用を誤ると、一気に基礎賃金の額が上がるので、細心の注意をしなければなりません。

固定残業制度については最高裁判例及び多くの裁判例が出されていますので、それらを参考にしながら、適切に運用していくことが肝要です。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介953 捨て本(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れさまでした。

今日は本の紹介です。

本当にそれは必要ですか?

1ページ目にはこの1文だけが書かれています。

所有している「モノ」の多くは、本来、たいして所有する必要のないものです。

所有から解放されると何物にも縛られない自由を手に入れることができます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『欲しいものがわからないと、本当は欲しくないモノに包囲されて暮らすことになる』『所有していたモノに、自分が所有されるようになる』だいぶ前にブラッド・ピット主演の映画化で話題になった、チャック・パラニュークの小説『ファイト・クラブ』の一節だ。・・・僕はモノの呪縛を解いて、動き続ける。安定じゃなく、刺激あふれる世界にいたい。しがらみや古い常識に、とらわれない。とらわれたくない。何かに縛られて、立ち止まりたくないのだ。」(292~293頁)

全く同感。

所有欲がない人の多くはこのように考えます。

しがらみとか世間体とかに囚われて生きたくないのです。

「~は~であるべきだ」みたいなのはすべて無視して、自分の生きたいように生きればいいのです。

好かれたい、嫌われたくないという他人の評価から解放されると、幸福度が一気に上がります。

生きたいように生きる。 これが一番です。

解雇306 上司の指示命令に従わないことを理由とする解雇(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

15日目の栗坊トマト。順調に育っております。

今日は、上司の指示命令に従わないこと等を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

社会福祉法人三宅島あじさいの会事件(東京地裁平成31年3月7日・労判ジャーナル89号42頁)

【事案の概要】

本件は、Y社を普通解雇された元職員Xが、本件解雇は無効であるとして、Y社との間で雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、Y社に対し、本件解雇後の未払賃金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 Xの行為のうち、解雇理由1ないし5については、上司の職務上の指示命令に従うことを求めた就業規則26条2項、職員間で相互に協調することを求めた同規則27条1号、職務上の権限を越えた専断的行為を禁じた同規則29条1項5号に反するものであり、同規則22条11号(就業規則等の定めに反したとき)に該当し、また、解雇理由2ないし6のとおり、Xの介護技術や同僚職員との連携に不十分な点があったにもかかわらず、Xが上司及び同僚職員の指示や指導を聞き入れようとせず、本件けん責処分を受けながらなお真摯な反省の態度を示すことがなかったXの姿勢は、Y社においてXを指導し、介護技術や職員間の連携等など、介護の職務遂行上必要な能力を向上させることをおよそ困難とする事情であり、同条3号(勤務成績が著しく不良又は上司の指示を守れず早期に改善の見込みがないとき)、同条4号(職務遂行能力が劣り、一定期間の改善指導を行っても職務遂行上必要な水準まで上達する見込みがないとき)及び同条12号(前各号の他、解雇に該当する合理的事由があるとき)に該当し、本件解雇には、就業規則上定められ、合理的と認められる解雇の理由が存する。

2 Xの解雇理由に共通するのは、Xが自己の判断で独善的かつ専断的に業務を遂行するという点であり、Xには、上司の指示に従い他の職員と協同して業務を遂行するという、組織の中で職務を遂行するに当たり求められる基本的な姿勢が欠けているといわざるを得ず、また、Xが、上司や同僚職員からの指導に対して真摯に耳を傾ける姿勢を欠き、本件けん責処分により改善の機会が付与されたにもかかわらず、その後も自己の勤務態度を改めることがなかった経緯も踏まえると、Xの勤務態度について、指導等による改善が見込めるものでもないから、Xに対し解雇をもって臨むことはやむを得ず、本件解雇の手続にも特段不適切な点は認められないことなどを踏まえると、本件解雇は社会通念上相当として是認することができること等から、本件解雇に解雇権を濫用した違法があるとはいえず、本件解雇は有効である。

このような事案の場合、使用者側もしびれを切らしてすぐに解雇してしまう例がありますが、それではいけません。

指導・教育・改善の機会を与えたにもかかわらず改善しなかったという一連の流れについてエビデンスを残す意識を持つことが大切です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介952 外資の流儀(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。

サブタイトルは「生き残る会社の秘密」です。

年功序列とは真逆の世界で生きていることがよくわかります。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私が転職者の面接をするとき、とくに重視するのは着目点とその順序です。
着目点は第一に『情熱』、第二に『人柄』、そして第三に『能力』です。この優先順位が大事なのです。いくら人柄が良く、能力的に優れていても、仕事で何かを成し遂げようとする強い情熱がなければ、何事も成功しません。また、情熱や能力があっても、仕事は必ず他人と関わるもので、チームを円滑に運営できなければ生産性は下がります。そのとき、もっとも大切なのが人柄です。」(195頁)

3ついずれも大切なのは言うまでもありませんが、どれだけ能力が高くても、前二者が備わっていないと能力を発揮することはできません。

もっとも、これらの着目点を面接時にどれほど把握できるかは個人的には疑問です。

実際に一緒に働いてみないとわからないのが実際のところではないでしょうか。

仕事は一時的なものではなく、長く継続するものなので、瞬間最大風速ではなく、平均風速が鍵となります。