Author Archives: 栗田 勇

本の紹介2243 コンサルタントの勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

仕事の成果に結びつかない勉強は、勉強ではない」と断言します。

あくまでビジネスで成功するために必要な勉強について書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

大切なのは、『トイレに入る』『電車に乗る』『エアロバイクにまたがる』というように、勉強をするのに最適な環境になったときに、すぐに勉強に入れるようにあらかじめ本や教材を用意しておくことだ。そして気持ちをすぐに、勉強モードに切り替えることも大事。」(89頁)

方法論で言えば、こういうことになります。

もっとも、この時代、やり方それ自体はみんな容易に知ることができます。

成果の差は、「知っている・知らない」の差ではなく、「やるか・やらないか」の差なのです。

やる気がない人は方法論を知ろうとしないですし、知る機会があっても素通りするのが世の常です。

人生を「成長・向上」という視点で組み立てているかどうか、なのだと思います。

労働時間122 1年単位の変形労働時間制の適用が否定された事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。

今日は、1年単位の変形労働時間制の適用が否定された事案を見ていきましょう。

ヤマダ工業事件(東京地裁令和7年6月27日・労判ジャーナル165号30頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員Xが、退職後、Y社に対し、時間外労働等に対する割増賃金が支払われていないと主張して、雇用契約に基づき、未払割増賃金並びに労基法114条に基づき、付加金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

一部認容

【判例のポイント】

1 1年単位の変形労働時間制を実施するためには、労使協定を書面で作成し、これを締結する必要があり、この労使協定において、〔1〕対象労働者の範囲、〔2〕対象期間、〔3〕特定期間、〔4〕労働日及び労働日ごとの労働時間の特定、〔5〕労使協定の有効期間について定めておかなければならないが(労働基準法32条の4)、労働者への影響が大きいことから、いったん特定された労働日を対象期間の途中で変更することは許されないと解されるところ、従業員代表との間で1年単位の変形労働時間制に関する労使協定の締結自体はされているものの、Xは、かかる労使協定によって労働日とされていない法定休日や所定休日に多数勤務している実態があり、労働基準法32条の4が求める労働日等の特定の要件が満たされているとはいえないから、Y社における1年単位の変形労働時間制は無効といわざるを得ず、Xに1年単位の変形労働時間制を適用することはできない。

変形労働時間制の運用は、みなさんが考えているよりも大変です。

どれほどの会社がちゃんと運用できるのでしょうね。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。

本の紹介2242 本気ではじめる大人の勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

日常生活に勉強が組み込まれている人が、意識的にやっていることをまとめた本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仕事だけでは、知識、経験が分散してしまう。教育研修やセミナーなどのoff-JTは、これまでの仕事を整理し、理論家、体系化していくことができ、ステップアップには不可欠である。仕事で学ぶのがフローで、教育がそれをストックにする。」(20頁)

OJTとoff-JTは車の両輪のため、どちらが欠けてもいけません。

両者のバランスが大切です。

毎日、早朝と寝る前にインプットの時間を設けることを習慣にするといいですね。

加えて、多忙な中においても、定期的にセミナーに参加したり、自分のメンターと話をする等して、知識と意識のブラッシュアップを図る必要があります。

すべては「習慣」です。

賃金301 トラック運転手の乗務手当の固定残業代性及び出来高払制賃金該当性が否定された事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、トラック運転手の乗務手当の固定残業代性及び出来高払制賃金該当性が否定された事案

東輪ケミカル事件(福岡地裁小倉支部令和7年3月27日・労判ジャーナル161号20頁)

【事案の概要】

本件は、第1事件において、Y社と雇用契約を締結してトラック等の運転手として稼働してきたA、B及びCが、Y社に対し、雇用契約に基づく未払割増賃金及び労働基準法114条所定の付加金等の支払を来め、第2事件において、Aらが、Aらの組合活動を理由に、令和4年1月からAらに長距離及び休日の乗務を割り当てず、時間外労働をさせない措置を執った会社の行為は不当労働行為(労働組合法7条1号、3号)であり、Aらは、令和4年1月分以降の各月の賃金と時間外労働をしていた令和3年12月分までの賃金との差額相当額の損害を被り、全国一般労働組合福岡地方本部は組合活動に対する無形の損害を被ったと主張して、Y社に対し、不法行為に基づく損害賠償等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

未払割増賃金一部認容

損害賠償等請求認容

【判例のポイント】

1 乗務手当との名称からは時間外労働の対価が含まれることが明らかでなく、給与明細にも乗務手当に時間外労働の対価を含む旨の記載はないから、雇用契約上,乗務手当時間外労働分が時間外労働の対価として支給されていたとは認められず、乗務手当は、時間外労働分も含め、全額が基礎賃金に算入される。

2 乗務手当の出来高払制賃金への該当性について、Y社が、各給与期間の走行距離と1km当たりの単価、これに応じて算出された同期間の乗務手当支給額を記載した就業明細書(計算書)を運転手らに毎月交付していたことに照らせば、走行距離に応じて乗務手当を支払うことが雇用契約の内容となっていたというべきであるから、乗務手当は、その金額を、出来高払制賃金(労基則19条1項
6号)として、基礎賃金に算入すべきである。

上記1は、固定残業制度の基本中の基本ですので、しっかりと押さえておきましょう。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介2241 遊びも付き合いもやめない勉強法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。

今日は、本の紹介です。

「勉強したいけれど、時間がない」という言い訳をしている方は、おそらくこの本を読む時間もないことでしょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

仕事ができる人間は忙しいなどとは決して言い訳しません。それを理由に逃げたりはしないのです。忙しいこと=自分はそれだけの大切な仕事を与えられていて、社内でも能力を認められているのです。たとえば、難しい仕事を与えられたとしましょう。だからといってできなかったという理由は成り立つでしょうか。」(44頁)

与えられた仕事に対し、理由の如何を問わず「できません」と言えば、もう次から仕事は来ません。

いつ声が掛かっていいように、日々、刀を研いでおくのです。

日々の準備もろくにしないで、結果だけを望む人が多すぎます。

ワークライフバランスなんて言葉を真に受けている人に、誰が重要な仕事を任せるでしょうか(労基法上の労働者を除く)。

賃金300 月例給与の査定に裁量権の逸脱、濫用があるとして、月例給与の引下げを無効とした事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、月例給与の査定に裁量権の逸脱、濫用があるとして、月例給与の引下げを無効とした事案を見ていきましょう。

Xグループほか事件(東京地裁令和7年2月17日・労経速2591号13頁)

【事案の概要】

本件は、Yグループに雇用され、Z社に出向して勤務していたXが、令和3年下期の査定及び令和4年上期の査定に基づく月例給与の引下げ及び賞与額の決定がいずれも権利濫用により無効であると主張して、以下の各請求をする事案である。
(1)Yグループに対する労働契約に基づく差額賃金等の支払請求
ア 従前どおりの査定であれば支払われたはずの令和3年12月分から令和4年7月分までの給与及び賞与と実際の支給額との差額賃金(合計63万1311円)
イ 上記アの差額賃金に対する遅延損害金
(2)Z社に対する労働契約の債務不履行(査定権の濫用)に基づく損害賠償金等の支払請求
 ア 慰謝料80万円
 イ 上記アの損害賠償金に対する遅延損害金

【裁判所の判断】

Yグループは、Xに対し、14万5517円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 雇用契約の内容として、使用者は労働者の人事評価一般について広範な裁量権を有すると解されるから、Xに対して行われた人事考課(査定)も、最終的な評価を行う被告Xグループの広範な裁量的判断に委ねられているというべきであるが、評価の根拠とされた事実の基礎が欠けていたり、事実の評価が著しく不合理であるなど、裁量権の逸脱、濫用があると認められる場合には、Xに対する人事考課と、それに基づく月例給与の改定、賞与の算定は、権利濫用により無効になるというべきである。
なお、Xに対する人事考課は、Yグループが最終的な評価を行うとされているが、Yグループは、1次評価から3次評価を出向先であるZ社に委ね、また、Yグループによる最終評価は、基本的にはZ社の評価を変更しないという運用で行われていたのであるから、Z社における人事考課に裁量権の逸脱、濫用があると認められる場合には、Yグループによる最終評価についても裁量権の逸脱、濫用があることになるというべきである。

2 Xに対する令和4年6月査定において、コンピテンシー評価がC評価とされた点についても、評価の根拠となる事実の基礎がそもそも欠けていたといわざるを得ない。
そして、以上に対するY社らの主張は、令和3年12月査定に関する主張と同様であり、それらが採用できないことは、上記で述べたとおりである(補足すると、Y本部長は、令和4年6月査定直後のフィードバック面談においても、Xのコンピテンシー評価がC評価とされた理由について、コンピテンシー項目に沿った具体的な説明をしていないから、令和4年6月査定の評価期間においてもXがAAの格付に見合うコンピテンシーを発揮できなかった旨を述べるY証言がにわかに採用し難いものであることは変わらない。)。
以上によれば、Z社が、Xに対する令和4年6月査定において、コンピテンシー評価をC評価とした点も、評価の根拠とされた事実の基礎を欠いており、人事考課がY社らの広範な裁量的判断に委ねられているという点を考慮しても、Z社の評価には裁量権の逸脱、濫用があると認められ、したがって、Yグループの最終評価についても、裁量権の逸脱、濫用があり、同評価とそれに基づく月例給与の降給は、権利濫用により無効であるというべきである。

認容額だけを見ますと、費用対効果が合わないように思うかもしれませんが、通常、同判決後は、同社は、人事評価の判断方法を変更することになりますので、そういう意味では、意味のある訴訟になったと評価することもできます。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介2240 勉強について、私たちの考え方と方法#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。今週も1週間がんばりましょう。

今日は、本の紹介です。

今から11年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

目まぐるしく変化する今の時代においても、勉強に対する普遍の真理があるように感じます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

大事なのは、何がきっかけになるかわからないということなのです。思いがけないことというのは、出会ってみないことにはわかりません。それに想定内のことばかりしていると、どんなに新しいことに出会っても何の変化も起こりません。」(59頁)

概して、年を取るにつれて、新しいことに挑戦することが億劫になってきます。

老いは、肉体よりも精神から始まるのではないかと思います。

いつかどこかで何らかの形でつながるかもしれない「点」を集めるのが人生なのかもしれません。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日を繰り返しているうちは、なかなかブレイクスルーするのは難しいように思います。

賃金299 退職金にかかる支給制限・支給日規定の不利益変更を無効とする一方、賃金減額合意を有効とした事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間お疲れ様でした。

今日は、退職金にかかる支給制限・支給日規定の不利益変更を無効とする一方、賃金減額合意を有効とした事案について見ていきましょう。

ジベック事件(東京地裁令和7年3月31日・労経速2593号41頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXが、Y社に対し、〈1〉労働契約に基づく退職金(功労一時金)請求として、372万2400円+遅延損害金の支払を求めるとともに、〈2〉XとY社との間の賃金減額合意が無効であるとして、労働契約に基づく賃金請求として、未払賃金合計79万9200円+遅延損害金の支払をそれぞれ求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社は、Xに対し、372万2400円+遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 旧支給制限規定は、「退職後に懲戒解雇事由に該当する行為が判明した」場合をその対象とするものであるが、これは、従業員が在職中に行った行為が懲戒解雇事由に該当することが当該従業員の退職後に判明した場合をいうものと解されるから、従業員が退職後に行った行為(誓約事項違反)を支給制限の対象に加える改正支給制限規定は、労働条件を労働者に不利益に変更するものということができる。
また、その不利益の程度は、功労一時金の支給制限の対象を従業員の退職後の行為にまで拡大し、それに該当した場合には、原則として功労一時金の全部を支払わないとするものであるから、労働者の受ける不利益は、極めて大きいということができる。なお、その変更により不利益を受ける従業員に対し、不利益を軽減するための措置が講じられたとは認められない
Y社は、従業員代表から令和3年改正規程への変更につき異議がない旨の意見書の提出を受けているものの、従業員代表の選出方法(従業員代表の意見書には立候補による選出である旨が記載されている。)や従業員代表への説明内容、交渉経過等は具体的に明らかでないし、従業員に対する説明会等が行われたなどの事情もうかがえない。そうすると、従業員代表の意見書の提出がされたことをもって、従業員に対し、変更による不利益等に関する説明や意見聴取が十分に行われたとは認められない。
以上からすれば、Y社においては、平成29年以降、J社によるBグループの従業員に対する引き抜き及びそれに伴うY社保有情報の流出を警戒する状況が継続しており、そうした事態に対応する必要から令和3年改正規程による労働条件の変更がされたものといえ、相応の必要性があり、改正支給制限規定の内容も一定の相当性を認め得ることを勘案しても、労働者が上記の不利益変更を許容すべきほどの事情があったということはできず、改正支給制限規定への変更が合理的であるとはいえない
したがって、改正支給制限規定への変更は、無効である。

2 Xの年俸総額が減額とされたのは、Xの本件報告指示違反を原因とする責任範囲の縮小やXの査定結果の低下によるものであり、相当な理由があったといえるほか、その減額幅も不相当であるとまではいえない(なお、上記前提事実のとおり、基本給は減額されておらず、主に調整時間外手当及び深夜調整手当が減額されているところ、Xの責任範囲が縮小されていることからすれば、時間外労働の時間も相応に減少するものと考えられる。)。また、Xも減額理由を理解した上で本件賃金減額合意をしたものといえる
以上からすれば、本件賃金減額合意は、Xの自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由があったと認められる。

上記判例のポイント1はしっかりと理解しておきましょう。

賃金や退職金の不利益変更はそう簡単にはできませんのでご注意を。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介2239 仕事ができる人の鬼インプット#2(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。

今から6年前に紹介した本ですが、再度、読み返してみました。

著者は弁護士の方です。

限られた時間で、圧倒的な知識を得る」ためのコツが書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人は本能的になまけたいという欲求を持っている。したがって、作業とインプットの時間をしっかりと意識していないと、人はなまけるために作業時間を勉強時間だと都合よく考えてしまうのである。だから、勉強をする際には常に、『いま自分がしていることは作業なのか、それともインプットなのか』ということを意識しなければならない。」(196頁)

これも習慣・癖の問題ですね。

典型例は、「きれいな資料作り」を目指してしまうことです。

作業が楽しくなってしまうパターンです。

時間がない中で、次々と成果を出すためには、悠長に資料づくりなどしている場合ではないのです。

できるだけ効率よく無駄のない準備を繰り返すことが短期間で成果を出し続けるコツだと思います。

労働時間121 労働者が他の事業主の下でも労働しており、労働時間を通算すると労基法32条所定の労働時間を超えることを事業主が知らなかったときは、労基法38条1項による割増賃金の支払義務を負わないとした事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も1週間がんばりましょう。

今日は、労働者が他の事業主の下でも労働しており、労働時間を通算すると労基法32条所定の労働時間を超えることを事業主が知らなかったときは、労基法38条1項による割増賃金の支払義務を負わないとした事案を見ていきましょう。

タイミー事件(東京地裁令和7年3月27日・労経速2593号3頁)

【事案の概要】

Y社は、アプリケーションソフトウェアを利用して、日雇い労働者を求める事業者(求人者)と求職者との間の労働契約の成立をあっせんする、「Timee(タイミー)」と称するマッチングサービスを提供している。
本件は、Xが、本件サービスを利用して事業者(求人者)との間で労働契約を締結し、同契約に基づいて就労したが、併存的債務引受により当該事業者のXに対する賃金支払債務を負担するY社から賃金が支払われていない旨主張して、Y社に対し、未払賃金1675円(割増賃金335円を含む。)+遅延損害金の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 労働者が複数の事業主の下で労働に従事し、それらの労働時間数を通算すると労基法32条所定の労働時間を超える場合には、労基法38条1項により、時間的に後に労働契約を締結した事業主はその超えた時間数について割増賃金の支払義務を負うとされているが、当該労働者が他の事業主の下でも労働しており、かつ、同所での労働時間数と通算すると労基法32条所定の労働時間を超えることを当該事業主が知らなかったときには、同事業主の下における労働に関し、当該事業主は、労基法38条1項による割増賃金の支払義務を負わないものというべきところ、本件では、XがA社において勤務していた間、事業主であるA社が、Xからの申告等により、他の事業主の下における労働時間と通算すると原告の労働時間が労基法32条所定の労働時間を超えることを知っていたとは認められないから、この点からしても、Y社がXに対し労基法38条1項による割増賃金の支払義務を負うものとは認められない。

2 これに対し、Xは、Y社の提供する本件サービスの内容等に照らせば、Y社及びA社は、他の事業主の下での労働について、Xからの申告等を待たずに自ら確認すべき義務があるといえるところ、かかる義務を怠ったのであるから、労基法38条1項による割増賃金の支払義務を免れないなどと主張する。しかし、この点に関してXが主張する事情等を踏まえても、Xが本件サービスの利用者であることをもって、当然に、A社あるいはY社において、労基法38条1項の規定を念頭に置いて、原告の申告等がない場合にも、自ら、他の事業主の下での労働についてXに確認する義務を負っていたものと解すべき根拠は見出せず、Xの上記主張は採用できない。

上記判例のポイント1の結論はこれでいいとして、どのような根拠に基づき、「当該事業主が知らなかったとき」という規範を導けるのか判然としません。

まあ、そもそも副業・兼業における労基法38条1項の行政解釈自体がなんだかな~という感じですけどね。

日頃の労務管理が勝敗を決します。日頃から顧問弁護士に相談することが大切です。