Author Archives: 栗田 勇

退職勧奨9(日本アイ・ビー・エム(退職勧奨)事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう!!

さて、今日は、退職勧奨に関する裁判例を見てみましょう。

日本アイ・ビー・エム(退職勧奨)事件(東京高裁平成24年10月31日・労経速2172号3頁)

【事案の概要】

Y社は、企業体質強化を目的とし、退職者支援プログラムを用意しつつ、一定層の従業員をターゲットにして、全社的に退職勧奨を実施した。

Y社は、平成20年10月頃から、Xらに対する退職勧奨ないし業績改善のための2回ないし7回にわたる面談を行った。

Xら4名の従業員は、Y社が行った退職勧奨が違法な退職強要に当たるとして、Y社に対して不法行為による損害賠償請求を行った。

【裁判所の判断】

控訴棄却
→本件退職勧奨は違法ではない。

【判例のポイント】

1 労働契約は、一般に、使用者と労働者が、自由な意思で合意解約をすることができるから、基本的に、使用者は、自由に合意解約の申入れをすることができるというべきであるが、労働者も、その申入れに応ずべき義務はないから、自由に合意解約を応じるか否かを決定することができなければならない。したがって、使用者が労働者に対し、任意退職に応じるよう促し、説得等を行うことがあるとしても、その説得等を受けるか否か、説得等に応じて任意退職するか否かは、労働者の自由な意思に委ねられるものであり、退職勧奨は、その自由な意思形成を阻害するものであってはならない。
したがって、退職勧奨の態様が、退職に関する労働者の自由な意思形成を促す行為として許容される限度を逸脱し、労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであったと認められるような場合には、当該退職勧奨は、労働者の退職に関する自己決定権を侵害するものとして違法性を有し、使用者は、当該退職勧奨を受けた労働者に対し、不法行為に基づく損害賠償義務を負うものというべきである

2 以上のとおり、RAプログラム(リソース・アクションプログラム)の目的及び退職者の選定方法は、基本的には不合理なものとはいえず、定められた退職勧奨の方法及び手段自体が不相当であるともいえない。したがって、Y社がXらを選定し、退職勧奨を試みたことについては、①その個別の選定に合理性を欠いていたか否か、②その具体的な退職勧奨の態様において、社会通念上相当と認められる範囲を逸脱していたか否かが問題となる。

3 Y社には、業績評価の客観性を確保する基準としてのPBC(人事業績評価制度、パーソナル・ビジネス・コミットメント)が存在し、従業員に厳しいコンプライアンス教育が施されていたことは原判決の認定の通りであり、RAプログラムには、面談の留意事項として退職強要は許されず、対象者の「自由意思」を尊重することが掲げられ、具体的かつ詳細な注意事項が示されて講義や面談研修も施されており、これらの措置は、個別の退職勧奨が、対象者の自由な意思形成を促す限度で行われ、法的に正当な業務行為として許容されるように慎重に配慮されたものと認められるところ、このような配慮に従って、業績評価の客観性が確保され、面談の留意事項が遵守されるのであれば、RAプログラムによる退職勧奨に基づく説得は、自由な意思形成を促す行為として社会的に許容される範囲を逸脱するとは解されない。

本件の一審判決はこちらです。

使用者側とすれば、退職勧奨が違法であると判断されないために退職勧奨をする際の留意点を予め明確にしておく必要があります。

過去の裁判例から失敗例・成功例を学び、実務に応用することが大切です。

是非、顧問弁護士を活用し、日々、準備をしておきましょう。

本の紹介210 今やる人になる40の習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間、お疲れ様でした。
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←先日、セミナー終了後、社労士の先生と事務所の近くの「VENTI DUE」に行ってきました。

写真は、「ブロッコロ」です。ブロッコリーのアーリオ・オーリオ炒めです。 やみつきになります。

超おすすめです。

いつもながら、おいしゅうございました。

今日は、午前中は、顧問先会社でセミナーが入っています。

テーマは、「第6回 契約書作成に必要なリーガルマインド習得講座」です。

各種契約書を作成する部署の担当者向けに法律的な視点をシリーズでお話しています。

午後も、別の会社での社内セミナーが入っています。

テーマは、「改正労働契約法・最新重要判例から読み解く有期雇用契約のポイント」です。

労働契約法の改正内容の復習及ぶ重要判例から有期雇用契約の法的注意点についてお話をします。

今日は、ずっとセミナーですね。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
今やる人になる40の習慣
今やる人になる40の習慣 [単行本]

東進ハイスクールの林先生、2冊目の本です。

1冊目の「いつやるか? 今でしょ!」は、以前、紹介しました。

いいですね。 勢いがあります。

いい流れに乗っているときは、躊躇せず、流れに身をまかせるべきです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・僕はこう考えています。仕事を選ぶなどというのは、その道の『大家』がすること。『修行中』の身で、仕事を選ぶなんて十年早い、と。なにか新しい仕事を振られると、すぐに『ムリ』と言う人がいます。しかし、これは随分もったいないことをしていると思うんですよ。・・・こいつにやらせてみよう、こいつならできるんではないか、そう思って仕事を与えることのほうが圧倒的に多いのです。その際に、『イヤ、僕にはムリです』と答えてしまったら、もしかしたら適性のあるかもしれないジャンルをみすみす逃してしまうことにもなりかねません。ここは、『そうか、僕はこの仕事ができると思われているんだ、よしやってみよう』 こう考えて、ありがたく拝命すべきです。」(86~87頁)

確かに、林先生、仕事を選ばず、どんどん引き受けています(笑)

有言実行ですね。 すばらしい。

やったことのない仕事をふられた時、どのように捉えるかでその人の成長の度合いが決まるように思います。

「こんなの無理だよ」とマイナスに捉えるか。

「よし。これでまだ成長できる!」とプラスに捉えるか。

周りの人は、後者のような人を放っておきません。

常に前向きで、向上心に溢れている人を、周りは放っておかないのです。

こういう人の周りには、同じように前向きで向上心に溢れている人が自然と集まり、結果として、どんどんステップアップしていくのだと思います。

こういうのを「引き寄せの法則」とは言うんでしょうね。

労働災害65(ニューメディア総研事件)

おはようございます。
__←先日、スタッフ全員と久しぶりに鷹匠の「TORATTORIA IL Paladino」にランチを食べに行ってきました。

写真は、「山田農園無農薬野菜のペペロンチーノ、アンチョビ風味」です。

やさしい味付けで、おいしゅうございました。

 

今日は、午前中は、沼津の裁判所で離婚調停です。

午後は、静岡に戻り、労働事件の裁判が1件、新規相談が2件入っています。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、過重労働で突然死した女性SEの遺族による損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

ニューメディア総研事件(福岡地裁平成24年10月11日・労判1065号51頁)

【事案の概要】

本件は、Xの相続人らが、Xが死亡したのは承継前被告であるY社における業務の過重負荷に起因するものである旨主張し、不法行為に基づく損害賠償請求又は労働契約上の債務不履行に基づく損害賠償請求として、Y社に対し、損害賠償請求をした事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、合計約6800万円の支払を命じた。

【判例のポイント】

1 労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周知のところである(最高裁平成12年3月24日判決)。そして、厚労省認定基準やその運用上の留意点においては、業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、労働時間(時間外労働時間)を中心として、不規則の勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務、交替制勤務・深夜勤務、作業環境(温度環境・騒音・時差)、精神的緊張を伴う業務等の他の負荷要因について十分検討するものとされ、専門検討会報告書においても、長期間にわたる長時間労働やそれによる睡眠不足に由来する疲労の蓄積が血圧の上昇などを生じさせ、その結果、血管病変等をその自然的経過を超えて増悪させる可能性のあること、また、過労が身体的ストレスのみならず精神的ストレス状態であり、突然死の大きな修飾因子となること、などが指摘されている。

2 Y社は、Xの業務は過重なものではなく、Xの死亡に対する予見可能性はなかった旨主張するが、労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周知のところであり、かつ、本件事故当時におけるXの業務の量・内容が過重負荷なものであり、Y社はそのことを認識し、又は認識し得べき立場にあったのであるから、Y社にはXの死亡に対する予見可能性があったものというべきであり、Y社の上記主張を採用することはできない。

3 Xは、平成19年3月8日にUクリニックを受診しているところ、Y社は、Xや付添いをしていたXの相続人が、医師に自殺未遂の事実を伝えず、また、医師から指示のあった再診を受けず、処方された薬も服用しなかった、として、これが過失相殺事由に該当する旨主張する。
しかしながら、Xの自殺未遂は、Xの業務が脳・親族疾患の発症をもたらす過重なものであったことの顕れとして理解すべきものであるところ、Xは、同クリニックに対し、Y社に入社して10年間、土日にも出社して仕事をしており、オーバーワークの状態にある旨申告しているのであるから、Xが医師に対して自殺未遂の事実を伝えていたかどうかは本質的な問題ではない。また、同クリニックは心療内科であり、処方された薬も神経症(神経衰弱状態)との診断に対する抗不安剤にすぎないから、Xが、同クリニックを再受診し、また、医師から処方された薬を服用したとしても、そのことによって疲労の蓄積から解放され血管病変等をその自然的経過を超えて増悪させる可能性が減少したといえるかどうかには疑問があるといわざるを得ない。

4 Y社は、XがY社に対して再三にわたり回復した旨の連絡と復帰の申入れをし、相続人らもXの上記申入れ等を止めることなくむしろ勧めていた旨主張する
この点、労働者は、一般の社会人として、自己の健康の維持に配慮すべきことが期待されているのは当然であるけれども、Xによる復職の申入れが自身の健康を増悪させることを認識・認容してなされたものとは考えがたく、そのような事実を認め得る証拠は見当たらないし、そもそも、使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負っているのであるから、Y社としては、Xが復職をするに当たり、休職前におけるXの稼働状況に鑑み、新たな人員を配置してチームの人員を増やしたり、Xに休暇等を取らせたりしてその疲労の蓄積を解消させる措置をとるなど、業務の量・内容等が過度にならないようなものとする措置を具体的に講じなければならないのであり、Xが再三にわたり復職の申入れをしたとの一事をもって過失相殺事由が存在するということはできない

使用者側は、上記判例のポイント4を是非、参考にしてください。

裁判所としては、このような判断をすることになります。

従業員が復職を求めてきた際は、使用者は復職が客観的に可能か否か、仮に復職を認めるとして、就労環境等に十分に配慮する必要があります。

本の紹介209 クオリティ・カンパニー(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
クオリティ・カンパニー
クオリティ・カンパニー [単行本]

すばらしい本です。

経営の理念が詰まっています。

自社の経営理念を見つめ直す機会を与えてくれるはずです。

この本を読んで、著者の考えをもっと知りたくなりました。

早速、青木さんのブログをお気に入りに追加し、メルマガの登録をしました。

若い経営者は、読むべきです。 読んで実践すべきです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

経営の目的とは、その会社に縁ある人を幸せにすることである。その対象は社員、顧客、取引先、企業が所在している地域社会、支援者として存在する株主など多岐にわたる。経営の第一義的な目的が、利潤の追求にあるという考え方は間違いである。利益は人を幸せにした結果、得られる果実である。売上から経費を差し引けば利益になるのだから、事業を運営していて儲からないほうがおかしい。儲からないとは客足が途絶えているということである。それは顧客を幸せにできていないから起こることだ。経営が難しいのではない。当たり前のことを当たり前にすることが難しいのである。」(1頁)

この「経営の目的」を読んで、単なるきれいごとと考えるか、心の底から共感できるかが、まず第一歩目の分かれ道です。

何に幸せを感じるかということに尽きると思うのですが、自分はもちろんのこと、関わりのある人をも幸せにしたいと考えることが経営の目的なのではないでしょうか。

一生涯を通じて、スタッフや依頼者の幸せに貢献できる仕事をしていきたいです。

また、そう思うことのできる仲間と一緒に仕事をしていきたいです。

労働災害64(日本赤十字社(山梨赤十字病院)事件)

おはようございます。
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←先日、休日出勤をしていたスタッフと一緒に、久しぶりに事務所の近くの「くりた」に行ってきました。

写真は、「鴨南ばん」です。

いい出汁が出ていて、おいしゅうございました。

午前中は、労働事件の裁判が1件と交通事故の裁判が1件入っています。

午後は、顧問先会社でのセミナーと打合せが3件入っています。

今日のセミナーのテーマは、「従業員が知っておくべきコンプライアンス講座~基礎編~」です。

全従業員を対象に、最低限知っておくべき法的ルールについてお伝えします。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は、うつ病発症・自殺した介護職員の遺族からの損害賠償請求に関する裁判例を見てみましょう。

日本赤十字社(山梨赤十字病院)事件(甲府地裁平成24年10月2日・労判1064号37頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の運営するリハビリテーション施設で介護職に従事していたXが自殺により死亡したことについて、Xの妻及び子が、Xは長時間かつ過密な業務に従事していたにもかかわらず、Y社がXの心身の健康を損なうことがないよう配慮する措置を何ら採らなかったため、うつ病エピソードを発症し、前記自殺をするに至ったと主張して、Y社に対し、不法行為ないし債務不履行に基づき、合計8895万3000円の損害賠償請求をした事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、損益相殺後、合計約2500万円の支払を命じた。

【判例のポイント】

1 労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは周知のところである。
労働基準法は、労働時間に関する規制を定め、労働安全衛生法65条の3は、作業の内容等を特に限定することなく、事業者は労働者の健康に配慮して労働者の従事する作業を適切に管理するように努めるべき旨を定めているが、それは、前記のような危険が発生するのを防止することをも目的とするものと解される。これらのことからすれば、使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当であり、使用者に代わって労働者に対し業務上の指揮監督を行う権限を有する者は、使用者の前記注意義務の内容に従って、その権限を行使すべきである(最高裁平成12年3月24日判決)。

2 タイムカードは、労働時間を把握する法的義務を負っている使用者が労働者の勤怠を管理するために労働者に打刻させる記録である以上、特段の事情がない限り、労働者がタイムカードに記載された始業時間から終業時間まで業務に従事していたものと事実上推定すべきであって、タイムカードの客観的記載と労働の実態との間に乖離が生じている旨を主張する使用者には、高度の反証が要求されるというべきである

3 Y社においては、職員が時間外労働に従事した場合、その時間や用務等を記載した時間外勤務申請書を提出することとされていたため、Xが現実の時間外労働時間を逐一正確に記載して提出していたか疑わしい上、このような申請書の性格上、労働者が使用者に遠慮して現実に従事した時間外労働時間よりも少なく申告する可能性があることも容易に推察されるところであるから、当該申請書はXの時間外労働時間を客観的に反映したものとはいえない

4 ・・・本件自殺前6か月間のXの時間外労働時間は99時間30分に及んでおり、特に本件自殺前1か月間の時間外労働時間は166時間を超えていた上、業務内容自体の重さ及びE所の責任者に就任することによる業務量及び精神的負荷の増加も考慮すると、Xの担っていた業務は過重なものであったと評価することができる。

5 長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険性のあることは周知の事実であり、うつ病等の精神障害を発症した者に自殺念慮が出現して自殺に至ることは社会通念に照らして異常な出来事とはいえないから、長時間労働等によって労働者が精神障害を発症し、自殺に至った場合においては、使用者が、長時間労働等の実態を認識し、又は認識し得る限り、使用者の予見可能性に欠けるところはないというべきであって、予見可能性の対象として、うつ病を発症していたことの具体的認識等を要するものではないと解するのが相当である

6 Y社においては、職員の勤怠管理を上記のようなタイムカードで行っていた以上、Xの労働時間が長時間に上っていた以上、Xの労働時間が長時間に上っていることや労働内容にも一定の配慮が必要な業務が多いことなどを認識し、あるいは容易に認識し得たにもかかわらず、Y社では、タイムカードを確認してXの労働時間を把握することすらしておらず、Xが適切な業務遂行をなし得るような人的基盤の整備ないし時間外労働時間の減少に向けた適切な指示等をせずに、漫然と放置していたものである。
したがって、Y社は、Xに従事させる業務を定めて管理するに際して、同人が適切な業務遂行をなし得るような人的基盤の整備等を行うなど労働者の心身の健康に配慮し、十分な支援体制を整える注意義務を怠ったものと認められる。

使用者側としては、上記判例のポイント2を参考にしてください。

実際、反証をするのは容易なことではありませんので。

本の紹介208 あなたの潜在能力を引き出す20の原則と54の名言(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!
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←土曜日に、月一恒例の用宗海岸の掃除に行ってきました。

目の前に落ちているゴミ1つ拾えない者が世の中を変えることなんてできませんから。

今日は、午前中は、証人尋問の最終準備です。

午後は、ずっと証人尋問です。

今日も一日がんばります!!

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さて、今日は本の紹介です。
あなたの潜在能力を引き出す20の原則と54の名言

2年ほど前の本ですが、もう一度読み直してみました。

よくある感じの本ですが、とてもいいことが書かれています。

言葉にはとても強い力があることを再認識させられます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・残念ながら、『今すぐに欲しい』というメンタリティは、多くの人を挫折に導いています。『今すぐに欲しい』という衝動を抑え、将来的に最大の恩恵を得るのに必要な代償を進んで払おうとする人はごくわずかしかいません。しかし、それができれば、長期的な成長と幸せを手に入れる可能性は飛躍的に高まります。」(243頁)

コンスタントに成果をあげるためには、まず必要なことは、「楽して成果を出したい」「楽して儲けたい」という邪念を捨てることではないでしょうか。

少なくとも私は、楽してコンスタントに成果をあげる方法を知りません。

あったらこっそり教えてください。 あ・・・邪念が・・。

もう1つ。

仕事でも勉強でもそうですが、あまり短期的に成果を出そうと思わず、根気強く、地味な努力を続けることができる人というのは、本当に強いですね。

こういう人を、私は、人としてとても信頼できます。

こういう人は、周りの人の心を動かす力を持っているからです。

不当労働行為66(清水建設事件)

おはようございます。 今週も一週間、お疲れ様でした。

さて、今日は、小規模組合に対する組合事務所不貸与に関する命令を見てみましょう。

清水建設事件(愛知県労委平成25年1月15日・労判1064号96頁)

【事案の概要】

X組合は、平成20年3月、Y社名古屋支店社員9名で結成された。組合員は6名である。

X組合は、平成21年10月、組合事務室の貸与を要求したが、同年11月、Y社は、名古屋支店内にスペースがないことを理由に応じられないと回答した。

なお、Y社は、A組合(会社の管理専門職、総合職、一般職4772名で組織)の名古屋支部(組合員333名)およびB組合(地域管理専門職、地域職約2000名で組織)の名古屋支店(組合員233名)に対し、それぞれ約22㎡および約10㎡の組合事務所を貸与している。

【労働委員会の判断】

組合事務所不貸与は不当労働行為にはあたらない

【命令のポイント】

1 ・・・X組合において組合事務室貸与にかかる交渉を行ったのは、平成21年10月からこれまでに数回にすぎず、その会社との交渉の中で、組合事務室の必要性や貸与可能なスペースについて具体的な主張をしたとは認められないことからすれば、Y社が組合の要求に応じる必要を見出せなかったとしてもやむを得ないものと認められる

 X組合が保有する資料等の分量は、小型の段ボール箱1つ分程度であるから、保管のために組合事務室が必要であるとまでは認められない。また、組合の活動規模が小さいことに照らせば、そもそも組合員同士が集まって交流する機会は少ないし、そのこと自体、組合事務室がなければ不可能なものではなく、部屋が必要な際にはその都度貸与を要求する等の方法でも可能である。更に、組合の存在の周知及び組合員の増員については、ビラ配付等の他の手段によって達成することが可能である

3 Y社の名古屋支店内において、X組合が組合事務室として使用するスペースをY社が捻出することは、不可能とまではいえないものの、X組合と他組合との間には、組合員数に大きな開きがあること、組合の活動規模も組合事務室の必要性が希薄であるといわざるを得ず、貸与拒否により組合の運営上特段の支障が生じるとはいえないこと、これまでの組合事務室貸与に係る交渉経過に鑑みて、Y社が組合の要求に応じる必要性を見出せなかったとしてもやむを得ないことから、Y社が組合からの組合事務室の貸与要求に応じなかったとしても、そのことには合理的な理由がある
したがって、Y社が組合に組合事務室を貸与しないことは、組合の活動を相対的に低下させ、その弱体化を図ろうとする使用者の意図を推認させるものではなく、組合の運営に支配介入するものとはいえないから、労組法7条3号には該当しない。

複数の組合が存在する場合に、一方には組合事務所を貸与し、もう一方には貸与しないという場合、貸与されなかった組合から不当労働行為と主張されることがあります。

本件の判断は、あくまでも事例判断ですので、一般化するのは難しいですが、是非、参考にしてください。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介207 たくさん失敗した人ほどうまくいく(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は、本の紹介です。
たくさん失敗した人ほどうまくいく

10年程前の本ですが、もう一度読んでみました。

タイトル通り、失敗は決してマイナスではないということを、さまざまな方法で説いています。

このブログでも、これまで同様の内容について書かれている本を多く紹介してきました。

実際、失敗を恐れずに挑戦し続けることができるかどうかが人生を充実したものにする大きなカギになると確信しています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

起業家には興奮を追い求める気質がある。おだやかな晴天よりも、不吉な暗雲と雷鳴に吸い寄せられる。起業家の意識調査を見ると、こうした冒険者にとって、秩序だった環境は混沌とした環境よりも苦痛になるようだ。・・・混乱の最中には力を発揮し、平穏になると集中力を失う人間がいる。・・・こうしたリスクを追い求める人たちは重圧にうまく対処しているのではない。重圧を渇望しているのだ。」(34~35頁)

進歩が安穏をもたらすことはめったにないし、そうなるべきでもない。安穏に暮らす人たちが新しい可能性に挑戦するとは考えられない。・・・求めているのは挑戦である。挑戦の結果が、いわゆる成功か他人が失敗と呼ぶものになるかどうかは問題ではない。『高くつく失敗』という言葉をしばしば耳にする。だが、現状に甘んじる代償はそれ以上に大きい。人は失敗を経験しながら少しずつ前進する。」(61頁)

非常にいい文章ですね。

私も間違いなく平穏や安心よりも、混沌、混乱、リスクということばを好みます。

「現状維持」ということばが死ぬほど嫌いです。

成功も失敗も経験した上で、次のステージに行きたいです。

ところで、私は、物事にはすべてやりかたや秘訣があると思っています。

目的を達成するためにも秘訣があります。

それは、「失敗してもあきらめないこと」と「成功者の真似をすること」です。 これに尽きると思っています。

「なんだ、そんなことか・・・」と思う方も当然いると思います。

しかし、真理は常にシンプルです。

あとは、どれだけ愚直に実行に移せるか。

私の周りには、同世代の多くの挑戦者がいます。

そういう人は、全力で応援します。

労働者性8(ソクハイ事件)

おはようございます。

さて、今日は、自転車配送員の労組法上の労働者性に関する裁判例を見てみましょう。

ソクハイ事件(東京地裁平成24年11月15日・労経速2169号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社が、メッセンジャー(自転車配送員)の労働者性等に関する団交拒否、メッセンジャーの労働組合の執行委員長である営業所長が労働委員会の調査期日に出席し発言したことを理由とする所長解任、この所長解任等に関する団体交渉拒否の不当労働行為性について、これを認めた中労委命令の取消しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

労組法上の労働者性を肯定

【判例のポイント】

1 メッセンジャーについて営業所長の管理の下、Y社の事業組織に組み込まれていたといえること、契約内容をY社が一方的に決定していたものといえること、メッセンジャーの報酬は本来出来高払い制であるもののその出来高は労務提供(労働量)に依存する側面があること、メッセンジャーは個々の業務依頼を基本的には引き受けるべきものとされていたこと、メッセンジャーの稼動について、時間・場所・態様の各面につき、一定程度の拘束があるとみるのが相当であること、メッセンジャーの事業者性が高いものとは評価し難いことなどの諸点に、労組法の目的(同法1条1項)を総合考慮するに、メッセンジャーは、労働契約又は労働契約に類する契約によって労務を供給して収入を得る者として、同法3条所定の労働者に当たる(Y社との間では同法7条の「雇用する労働者」にも当たる)と認めるのが相当である。

2 Y社はメッセンジャーの兼業を禁じておらず、実際にも兼業をする者がいる。また、メッセンジャーは、稼動に当たり配送の手段である自転車や携帯電話機を自ら所有し、これらに係る経費を自ら負担した上、報酬については事業所得として確定申告しており、Y社から、物的設備や第三者に対する損害賠償を備え、その負担の下、保険への加入が義務付けられ、交通事故があった場合もメッセンジャーの責任において処理がなされていることが認められる。
しかし、上記のように配送手段を所有し、あるいは経費等の負担をしていたことについては、Y社の採用時の説明に基づく結果と見ることもでき(源泉徴収はされず、個人事業主として確定申告を要すること、自ら社会保険に加入する必要があること、個人として自転車その他の備品を用意し、傷害保険に加入する必要があることについて採用面接時に説明がされていることはY社自身も認めるところである。)、むしろ、配送経路の選択といった点以外は、メッセンジャーが、各人の裁量・才覚によって特段顕著な相違を生じさせ、利得する余地は乏しいと評価せざるを得ないところであり、第三者への再委託を禁じられていて、他人を使用することにより利得する余地もなかったことにも照らすと、メッセンジャーの事業者性が高いものとは評価し難い。

裁判所は、メッセンジャーの労組法上の労働者性を認定する際、(1)事業組織への組込みについて(、(2)契約内容について、(3)個々の業務依頼に関する諾否について、(4)労務供給の時間・場所・態様について、(5)事業者性について検討しています。

非常に微妙な判断ですね。

なお、東京地裁(平成21年5月13日・労経速2076号3頁)は、別訴において、メッセンジャーの労基法(現在では労契法)上の労働者性を否定しています(営業所長の労基法(現在では労契法)上の労働者性を肯定しています。

労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介206 経営は何をすべきか(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

経営は何をすべきか

著者は、ロンドン・ビジネススクールの教授です。

イノベーションについて改めて考える機会を与えてもらいました。

非常に良い本です。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

妥協したり、他社が無条件に従うトレードオフを受け入れたりしたのでは、偉業など達成できない。トレードオフから抜け出す、つまり、二者択一を拒んで二兎を追うことによって、偉業は生まれる。・・・ここからは、『競争相手と同じトレードオフを受け入れたのでは、優位に立つことはできない』という大切な教訓が得られる。聞き分けのよい人々は、ブレークスルーを起こせないのである。」(121頁)

「聞き分けのよい人々は、ブレークスルーを起こせない」

心に突き刺さる言葉ですね。

業界の常識では、無理だとされていることに果敢に挑戦することからブレークスルーを起こす。

「うちの業界では・・・」なんて恥ずかしいことを言っている間は、枠からはみ出すことはできません。

常識を常識として受け入れるのではなく、「本当にそれって当たり前なの?」と疑問に持つことが大切ではないでしょうか。

周りに無理だと言われることに挑戦することに喜びを感じられる人種が世の中を変えていくのだと確信しています。