本の紹介781 筋トレは必ず人生を成功に導く(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
筋トレは必ず人生を成功に導く 運命すらも捻じ曲げるマッチョ社長の筋肉哲学

これまでにも何度か著者の本を紹介してきましたが、

今回の本も筋トレをしている人なら必ず共感できるものです。

筋トレをしている人にはおすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

最後の一押しは自信である。自信の有無が明暗を分ける。並みのビジネスマンは、得てして小手先のロジックで乗り切ろうとする。だが、一度や二度上手くいくことはあっても、長くは続かない。百戦錬磨の成功者ほど、一発で自信のないやつを見抜くからだ。そして、自信のないやつは食われるのが運命。食うか食われるか、君はどちらの立場になりたい?」(43頁)

小手先のロジックで乗り切ってばかりいると、それがくせになり、そこから抜け出せなくなります。

人の2倍、3倍働いて本当に得たいものはお金ではなく自信です。

自信を持つためにはどうしたらいいか。

人が休んでいるときに汗をかく。

それをずっと続けること。

そうすればいやでも自信がつきます。

なんでも途中で投げ出して、中途半端に終わらせている限り、自信などつくはずがありません。

解雇261 休職期間満了時における復職の可否に関する判断(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、休職期間満了時の職務に耐えられないことを理由とする解雇の有効性に関する裁判例を見てみましょう。

エミレーツ航空会社事件(東京地裁平成29年3月28日・労判ジャーナル72号52頁)

【事案の概要】

本件は、Y社のA支社総務経理部に所属していた元従業員Xが、同部署の職場環境に起因して心因反応を発症し、これにより休職した後、復職に際してY社に安全配慮義務違反があり、また、Y社での職務に耐えられないことを理由として行われた解雇が無効であるなどと主張して、Y社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認、Y社のA支社総務経理部における就労義務がないことの確認、雇用契約に基づく賃金・賞与の支払、安全配慮義務違反(債務不履行)による賃金等相当損害金や慰謝料等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

A支社総務経理部就労義務不存在確認は却下

解雇無効地位確認等請求及び損害賠償請求は棄却

【判例のポイント】

1 Xの心因反応の発症原因がY社の職場環境にあったとは認められず、他方で、X・Y社間の本件雇用契約について、Xの職種を経理職に限定する旨の合意があったことを前提に、Y社は、業務負担の軽減に係る提案、レポーティングラインの変更による心理的負担の軽減に係る提案、他部署への異動等、Xの復職に関して考え得る手立てを相当程度講じたが、それにもかかわらず、Xが総務経理部に復職する見込みが全く立たない状況にあったことを踏まえると、Xのこの状況は、就業規則所定の「社員の精神的または肉体的状態が与えられた職務に耐えられないと判断された場合」に該当するといわざるを得ないから、本件解雇は、客観的合理性及び社会通念上の相当性があり、有効であると認められるから、XがY社に対して雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める請求は、理由がない。

2 Xの就労不能につきY社に帰責事由があるとは認められず、また、Y社のXに対する安全配慮義務違反があるとも認められないから、XのY社に対する賃金及び賞与請求並びに損害賠償請求は、いずれも理由がない。

心因反応が業務に起因すると言えないと戦いとしては厳しくなります。

本件のような休職期間満了による退職処分の場合、休職の原因が私傷病か労災なのか勝敗を決することになります。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介780 医者が教える食事術 最強の教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68

こういうことに関心がある人はいろいろな本や雑誌で見かける内容ですので目新しさはありません。

最近の情報が一冊にまとめられているという点では読んでおいて損はありません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

自称『健康に気を遣っているビジネスパーソン』から聞くこうした工夫は、まさに『病気になるための努力』と言っても差し支えありません。正直なところ、大半のビジネスパーソンは仕事については非常に優秀でも、自分の口に入れるものについて、ひどく無知なのです。」(9頁)

正しいやり方を知るというのは、仕事や運動、ダイエットなど、すべてのことに共通します。

最短距離で結果を出すには、結果に結びつかない無駄なことを取り除くことが大切です。

ではどうすればいいか?

結果を出している人にやり方を聞き、真似をする。

これが最も効率のいい方法だと確信しています。

自己流などという最も非効率的なやり方は対極にある方法です。

あとはそれをやり続ける。習慣にする。 そうすればたいていのことはうまくいきます。

賃金147 時間数の特定、超過分の清算がなくても固定残業代は有効?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、時間数の特定、超過分の清算実態がなくても固定残業代は有効とされた裁判例を見てみましょう。

泉レストラン事件(東京地裁平成29年9月26日・労経速2333号23頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員であるXが、平成24年12月から平成26年11月までの期間に行った時間外、休日及び深夜の労働に係る割増賃金が支払われていないと主張して、Y社に対し、未払割増賃金+遅延損害金並びに労働基準法114条所定の付加金+遅延損害金の支払を求めた事案である。

これに対し、Y社は、Xの主張に係る時間外労働等の事実を一部否認するとともに、平成26年3月までの期間に関し、月俸に割増賃金(固定残業代)が含まれており、これにより割増賃金が支払われたこと、平成26年4月以降の期間に関し、Xは管理監督者(労基法41条2号)の地位にあり、仮にそうでないとしても、管理職手当が割増賃金(固定残業代)の支払に当たることなどを主張して、Xの請求を争っている。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、166万8103円+遅延損害金を支払え

Y社はXに対し、付加金として81万7846円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 定額手当制の固定残業代については、いわゆる定額給制の固定残業代とは異なって、計算可能性及び明確区分性を確保するうえで時間外労働等の時間数を特定する必要はなく、労基法37条が、定額手当制の固定残業代の対象となる時間外労働等の時間数を特定することを要請しているとは解されない(東京高裁平成28年1月17日判決)。

2 もとより、固定残業代制度を導入した場合であっても、労基法37条所定の計算による割増賃金の額が、固定残業代の額を超過した場合には、使用者は、労働者に対し、その超過分を支払う義務を負うものである。そして、固定残業代制度を導入しているか否かに関わらず、タイムカードを用いるなどして時間外労働等を明示するような労務管理を行うことは望ましいとはいえるものの、そのような労務管理を行うこと自体が、固定残業代を有効たらしめるための要件を構成するとはいえないし、そのような労務管理を欠いており、未払割増賃金が存在し、その未払金の清算がなされていない実態があるというだけで、労働契約上、割増賃金の支払に宛てる趣旨が明確な固定手当について、割増賃金(固定残業代)の支払としての有効性を否定することは困難である。

一時期、最高裁が示した固定残業制度の有効要件よりも厳しい要件を示す裁判例が出たことがありましたが、本件裁判例のように考えるのが妥当だと思います。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介779 花咲かじいさんが教える「人」と「お金」に愛される特別授業(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
花咲かじいさんが教える「人」と「お金」に愛される特別授業 YA心の友だちシリーズ

著者は「日本一の投資家」と言われている方です。

お金や人生に対する考え方が書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

どんなに才能があっても、うぬぼれて謙虚な気持ちが持てない人は、最後にいい結果が残せないと思う。一方で、飛び抜けた才能がなくても、自分の決めた目標に向かって、強い気持ちでコツコツ真面目に努力を続けていく人は、やがて大きな夢を叶えることだってできるんじゃないだろうか。」(53~54頁)

僕たち凡人は、コツコツ真面目に努力を続けることしかできません。

それ以外に天才のみなさんに勝てる術はありません。

結果を出したいのなら、人が休んでいるときに汗を流すしかありません。

楽して結果を出そうなどという甘い考えは捨てて、やるべきことを毎日休まずに続けることです。

解雇260 酒気帯び運転と懲戒免職処分の有効性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、市元職員の酒気帯び運転と懲戒免職処分等取消請求に関する裁判例を見てみましょう。

名古屋上下水道局長(懲戒免職処分取消請求)事件(名古屋高裁平成29年10月20日・労判ジャーナル71号24頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元職員Xが、酒気帯び運転で検挙されたことを理由として、Y社から受けた懲戒免職処分及び退職手当支給制限処分はいずれも裁量権を逸脱又は濫用した違法なものであると主張して、名古屋市に対し、本件各処分の取消しを求めた事案である。

【裁判所の判断】

懲戒免職処分取消請求は棄却

退職手当支給制限処分取消請求も棄却

【判例のポイント】

1 Xは、本件酒気帯び運転に係る車の走行時間及び走行距離が短く、検挙時のアルコール濃度も、懲戒免職処分が違法であるとされた類似事案の裁判例よりも低いから、本件酒気帯び運転の性質・態様は極めて悪質とまではいえず、むしろ比較的軽微との評価もあり得る旨を主張するが、Xの検挙時のアルコール濃度、Xが本件酒気帯び運転に至った上記経緯に照らすと、本件酒気帯び運転の性質及び態様が極めて悪質なものであることは明らかというべきであって、本件酒気帯び運転に係る車の走行時間及び走行距離、Xが指摘する他の裁判例の存在はいずれも上記判断を左右せず、また、市及びY社が、飲酒運転に対して厳しい姿勢で対処すべきであるという社会的要請の高まりを踏まえて旧取扱方針及び現取扱方針を制定するなどし、職員の飲酒運転の撲滅に向けて取り組んできており、そうした取組に反して、Y社の職員であるXが本件酒気帯び運転をしたことによる市政等に対する市民からの信用失墜の程度が低いものであったなどということはできないこと等から、Xの懲戒免職処分取消請求は理由がない

2 Xに有利に勘案されるべき事情(人的・物的被害が発生したことはうかがわれず、本件酒気帯び運転を隠蔽する行動はとっていないこと等)も存するとはいえ、特に、本件酒気帯び運転の態様が極めて悪質で、Xの責任は重大というべきものであることに加えて、退職手当が勤続報償的な性格を基本とするものであることを併せて考慮するときには、もはやXの過去の功績は没却されて、報償を与えるには値せず、退職手当の他の側面である生活保障的性格及び賃金後払い的性格が奪われることになってもやむを得ないものと認めるのが相当であって、退職手当支給制限処分が社会観念上著しく妥当を欠き、退職手当管理機関である処分行政庁の裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したとは認められず、退職手当支給制限処分は適法であるから、退職手当支給制限処分の取消しを求めるXの請求は、理由がない。

Xに有利な事情を考慮してもなお、懲戒免職処分は有効であり、かつ、退職手当支給制限処分も有効と判断されています。

酒気帯び運転の危険性からすればやむを得ないのかもしれませんが、担当裁判官によって結論は異なりうるように思います。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介778 これも修行のうち。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活

著者は僧侶の方です。

サブタイトルは「実践!あらゆる悩みに『反応しない』生活」です。

いちいち反応してイライラしたり悩んでしまう人は読んでみましょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

究極のところ、自分の心の状態ー満足か不満足かーを決めるのは、他人ではなく、自分だからです。孤独を恐れないこと。理解してもらえなくても、苦痛を感じないこと。それは、自分の心の動きや、心の深くにある自分の動機を理解することで、可能になります。」(97~98頁)

みなさんの周りにもいませんか? ほんの些細なことにもいちいちイラついている人(笑)

また、レストランやお店等で、店員さんの不手際があったときに、お客様は神様とでいわんばかりに怒る人(笑)

こういう人と一緒にいると恥ずかしいので二度と一緒に食事に行きません。

「ちっちゃいなー」と。

自分の不手際については寛大なくせに、他人の不手際は許せないわけです。

そのレストランが嫌なら、二度と行かなければいいだけです。

なにも多くの人の前で叱責する必要などまったくありません。 

何様になったつもりなのかと(笑) 

賃金146 出向手当は固定残業代として有効?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、出向手当は固定残業代の性質を有しないとされた裁判例を見てみましょう。

グレースウィット事件(東京地裁平成29年8月25日・労経速2333号3頁)

【事案の概要】

本件は、Xらが、Y社に対し、労働契約に基づき割増賃金、交通費等の支払を求める事案である。

【裁判所の判断】

請求の一部を認容

【判例のポイント】

1 時間数を示さず、固定残業代の金額を示すことでも特段の事情がない限り固定残業代によらない労働契約、労働基準法37条等に基づく通常の計算方法による残業代の金額と比較することは可能であり、固定残業代では不足があるときには法定の計算方法による割増賃金との差額を支給すべきことには労働契約上に特別の定めを要しないことにかんがみると、時間数の明示や差額支給の定めは要しない

2 Y社の就業規則における交通費貸付けの定めは、実質的には労働契約の不履行につき、支給済みの交通費と同額の違約金を定めるものにほかならず、交通費が必ずしも多額にならないことを考慮しても、労働者の足止めや身分的従属の創出を助長するおそれは否定できず、労働基準法16条の賠償予定の禁止に違反し、その効力は認められないというべきである。

3 就業規則の内容が労働契約成立時から労働条件の内容となるためには、①労働契約成立までの間に、その内容を労働者に説明し、その同意を得ることで就業規則の内容を労働契約の内容そのものとすること、又は②労働契約を締結する際若しくはその以前に合理的な労働条件を定めた就業規則を周知していたこと(労働契約法7条)を要する。
ただし、上記②の場合は労働契約で就業規則と異なる労働条件が合意されている部分は、就業規則の最低基準効(同法12条)に抵触しない限り、労働契約が優先する(同法7条但書)。労働契約で用いられている用語につき、就業規則が一般に理解される意味とは異なる特別の意味で用いているからといって、就業規則での特別の意味で解釈することは労働者と使用者の個別の合意による労働契約の内容を使用者のみの制定による就業規則に基づいて変更し、就業規則を優先させることに等しく、使用者による労働者に対する労働条件の明示義務(労働基準法15条)及び理解促進の責務(労働契約法4条)並びに労使の対等な立場における合意原則(労働契約法1条、3条1項、8条、9条本文、労働基準法2条1項)の趣旨に反し、労働者に対し予測可能性なく労働条件を押し付ける不意打ちにもなりかねないから、労働契約締結以前にその就業規則も示して、就業規則の内容が労働契約そのものとなり、労働契約の用語を就業規則での特別の意味で用いることが労働契約に取り込まれたといえる上記①の場合に当たらない限り、労働契約法7条但書の趣旨に従い、その労働契約はやはり一般に理解される意味で解釈されるべきである(就業規則の最低基準効に抵触する場合は除く。)。

固定残業制度の有効要件について、上記判例のポイント1を参考にしてください。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介777 裸の錬金術師(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
裸の錬金術師〜今すぐ人生を大逆転させる魔法の言葉81〜

タイトルはあれですけど、内容はとても良い本です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

部屋が散らかってきていてもすぐ片付けられず、溜めて溜めてようやく片付け始める人。こういう日常的な癖はビジネスにも出る。・・・私は気づいた瞬間に行動に移すようにしている。当然めんどうだと思うことはあるけど、ここで怠けたら一般人のままだと思い、すぐ行動する。そして、成功している人ほど他人のそういう行動力をよく見ている。彼らは日頃から即行動しているので、他人の行動力も気にするのだ。」(89頁)

何度かブログでも書いてきたことですが、特に机の上は心を映す鏡だと思います。

いろんな書類が山積みにされ、散らかり放題散らかっている人は、心に余裕がないのでしょう。

中には、乱雑に書類が置かれていても、どこに何があるかわかるからそれでいい、という人もいるでしょう。

そのような人にまで何かを言うつもりはありませんが、少なくとも上司や同僚からは「だらしない人」「仕事ができない人」という評価をされるのは止めようがありません。

上司としては、重要な仕事をこんな人にはとても怖くて任せられないのです。

派遣労働26 派遣先における面談後の不採用と損害賠償請求の可否(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、派遣先における面談後の不採用に対する損害賠償等請求に関する裁判例を見てみましょう。

バックスグループ事件(東京地裁平成29年6月7日・労判ジャーナル71号44頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用契約の締結を申し込んだ派遣労働者Xが、Y社に対し、Y社がXと雇用契約を締結する前に派遣労働者の就労予定先であるA社の担当者と派遣労働者を面接させたうえ、A社の意向を理由としてXを採用しなかった旨主張し、かかる経緯に照らせば、A社とY社は実質的には労働者派遣契約を結んでおり、Y社が派遣労働者に本件面接を行わせ、本件面接の結果派遣労働者を不採用としたことは、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(以下、告示37号)に違反し、Xに対する不法行為に当たるなどと主張して、不法行為に基づく損害賠償請求として、慰謝料95万円の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 Xは、不法行為の根拠として告示37号違反を主張するところ、告示37号の目的は、労働者派遣法の施行に伴い、労働者派遣法に該当するか否かの判断を的確に行う必要があることに鑑み、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分を明らかにすることであり、労働者派遣事業と請負との区分に関する基準であるから、事業者(使用者)に関する何らかの義務を定めるものではなく、本件においてXが指摘するY社の各行為について、告示37号違反による不法行為を認めることはできない

2 本件面接について、労働者派遣法が禁ずる事前面接に当たるとのXの主張は、派遣先による特定行為を禁止する労働者派遣法第26条6項に違反する旨の主張とも解されるところ、同項は「派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない」と規定しており、いわゆる努力義務にとどまると解される上、その義務の主体は「労働者派遣の役務の提供を受けようとする者」であるから、仮に本件面接が同条項の特定行為に当たるとしても、それによって直ちにXの個々具体的な保護法益が侵害され、その責任をY社が負うとは認め難く、Y社が本件面接を行わせたこと自体がXに対する不法行為に当たると認めることはできず、さらに、契約締結自由の原則により、一般に企業には従業員の採用に当たって広範な裁量が認められるところ、同項の趣旨及び本件に顕れた一切の事情を考慮しても、Y社がXを採用しなかったこと自体が権利濫用に当たるとも認め難いから、Y社はXに対し不法行為責任を負わない。

特段異存はありません。

派遣元会社も派遣先会社も、対応に困った場合には速やかに顧問弁護士に相談することをおすすめします。