本の紹介761 洞察力(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
洞察力――弱者が強者に勝つ70の極意

元ヤクルトの宮本選手の本です。

言うまでもなくこれまでの野球人生の経験談がベースとなっているものですが、業種を超えて、「洞察力」の重要さが伝わってきます。

非常に参考になる本です。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・ところが最近は、言われたことをやるだけの選手が増えてしまった。時代の変化なのだろうか。昔よりも真面目な選手が多いから、コーチに言われた練習はたくさんこなす。ところが1と言われたときに自分で2、3、4とは考えようとしない。5と言われれば、5まではやろうとするが、その先の6、7に考えを進めることができない。もっと自発的に考えれば結果が変わってくるのに、と思うことが多い。」(65頁)

よく言われることですが、大昔から「最近の若者は・・・」と年配の方に言われて続けているのです(笑)

いつの世もできる人はできるし、できない人はできない。 ただそれだけです。

どれだけ若かろうが、5と言われても、10、20まで考えを進めることができる人はいますし、どれだけ年を重ねようが、5と言われても、1もできない人だっています。

結果を出す人はいつの世だって、人よりも努力し、人と違うことをやり切っているのです。

解雇254 訴訟における主張内容も踏まえて解雇の有効性を判断した事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、就業態度・能率不良に基づく解雇無効地位確認請求に関する裁判例を見てみましょう。

日本コクレア事件(東京地裁平成29年4月19日・労判ジャーナル70号38頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していたXが、Y社から解雇されたところ、当該解雇は無効であると主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、当該解雇日以降の賃金等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇は有効

【判例のポイント】

1 Xは、使用者が従業員に対して通常求める姿勢である、上司の指示、指導等に素直に耳を傾け、上司の意見を取り入れながら円滑な職場環境の醸成に努力するなどといった点に欠ける面が顕著であるといえ、再三のY社からの指示、指導及び警告にかかわらず一向に改善の意欲も認められないことからすれば、XとY社との労働契約における信頼関係は、本件解雇時点においてもはや回復困難な程度に破壊されていると評価せざるを得ず、Y社としては、職場全体の秩序、人間関係への悪影響等に鑑み、職場内の規律維持等の観点から対応せざるを得なかったといえ、本件訴訟においても、Xは、自己の考え方に固執し続けており、このことは、本件解雇以前から職制を踏まえた行動をする意思がなかったことを推認させ、Xの処遇の困難性を示していること等から、Xについては就業規則所定の解雇事由「従業員の就業態度もしくは能率が、会社にとって著しく不適当であると認められた場合」に該当するものと認められ、本件解雇は、その権利を濫用したものとして無効であるとはいえない。

よく解雇事案で、上記判例のポイントのように訴訟中の主張を取り上げて、それも考慮要素とすることがありますので、留意しましょう。

あまりに突拍子もない主張を展開すると判決理由で使われてしまいます・・・。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介760 はたらくきほん100(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
はたらくきほん100 毎日がスタートアップ

お二人の著者が、仕事をする上で基本となる大切な考え方、姿勢について書かれています。

とても読みやすいです。

基本を身につけたい方にはおすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

どれだけ成功した人でも、1日の持ち時間は、みんなと同じ24時間。特別にその人だけ、使える時間が多いというわけではありません。持って生まれた才能や運もあるとはいえ、時間に関しては同じ条件。つまり、成功する人は時間の使い方が格段にうまいのです。限られた時間の中で、何をどう進めていくか、真剣に考えてみましょう。才能や運とは違い、時間の使い方は自分次第で、改善することができるのです。」(82頁)

1日のうち、SNS、ラインのやりとりにどれだけの時間を使っているのでしょうか・・・

「気分転換」という名のもとに1日何回自分の机から遠く離れた喫煙場所に向かい、たばこを吸っているのでしょうか・・・

成果を出すにあたり、あまりにも不必要でムダな行為が多すぎると思いませんか?

日々の習慣、積み重ねが1年、5年、10年と続いた後の成果がそのままその人の人生となることを受け止める必要があると思います。

セクハラ・パワハラ36 パワハラ・セクハラを理由とする懲戒解雇と相当性判断(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、パワハラ・セクハラを理由とした懲戒解雇処分が無効とされた裁判例を見てみましょう。

国立大学法人甲大学事件(前橋地裁平成29年10月4日・労経速2329号9頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結していたXが、Y社によるXのパワーハラスメント及びセクシュアルハラスメント等を理由とする解雇は無効であると主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、賃金請求として平成27年1月1日から毎月17日限り58万1975円、期末手当及び勤勉手当の支払請求として平成26年12月10日から毎年6月30日限り114万6249円、毎年12月10日限り79万8393円及びこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、さらに、Y社がXに対する諭旨解雇処分を懲戒解雇処分に強行的に切り替えた行為により、意思決定の機会を奪われ、精神的損害を被ったと主張して、Y社に対し、民法709条に基づく損害賠償請求として、慰謝料100万円及びこれに対する不法行為の日である同年11月20日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

1 Xが、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
 本件訴えのうち、本判決確定の日の翌日から毎月17日限り58万1975円及びこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める部分、本判決確定の日の翌日から毎年6月30日限り114万6249円及びこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める部分並びに本判決確定の日の翌日から毎年12月10日限り79万8393円及びこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める部分をいずれも却下する。
 Y社は、Xに対し、平成27年1月1日から本判決確定の日まで毎月17日限り58万1975円及びこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 Y社は、Xに対し、15万円及びこれに対する平成26年11月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

【判例のポイント】

1 ・・・以上によれば、本件懲戒解雇は、同日の時点では、Xが退職願の提出の「勧告に応じない」と断定できないにもかかわらず行われたものであり、解雇手続が就業規則45条1項2号の規定に違反した違法な処分であると言わざるを得ない
もっとも、解雇手続に違法があっても、Xを諭旨解雇を経ずに直ちに懲戒解雇とすることが相当であるといえるだけの悪質な、あるいは多数の懲戒事由が認められるとか、既に諭旨解雇に応じるか否か検討する十分な時間を与えられていたなどの特段の事情があり、軽微な違法にとどまる場合には懲戒解雇は有効と解するのが相当である
本件懲戒解雇においては、そもそも全く懲戒事由が存在しないのに懲戒解雇したというような場合ではなく、諭旨解雇から懲戒解雇への切替えが不相当であったに留まる。諭旨解雇か懲戒解雇かにより、退職金の支給の有無などの経済的待遇の違いが生じる余地はあっても、いずれにしても、Y社の教職員としての地位を喪失させる処分という点では異なるところはない。
したがって、Y社としては、Xが勧告に応じれば諭旨解雇として、勧告に応じなければ懲戒解雇として、XのY社の教職員としての地位を喪失させる処分をするという結論自体に変わりはなかったものである。そうすると、平成26年11月20日の本件懲戒解雇の手続が違法であったとしても、Y社は、Xが諭旨解雇の勧告に応じるのに十分な時間が経過した後、日時を改めて、懲戒解雇することになるだけであるから、本件懲戒解雇における手続的瑕疵は軽微なものであったというべきである。

2 Xは、訴訟の段階で平成25年8月29日に行われたXを対象者として行われた聞き取り調査の結果であるハラスメントに係る事実確認調査書に記録されていない事実を懲戒事由として事後的に追加することは許されず、Y社が本件懲戒解雇の懲戒事由として主張できるのは、処分説明書に処分事由として記載されている限度にすぎないと主張する。
確かに、使用者が労働者に対して行う懲戒は、労働者の企業秩序違反行為を理由として、一種の秩序罰を課するものであるから、具体的な懲戒の適否は、その理由とされた非違行為との関係において判断されるべきものである。したがって、懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、当該懲戒の理由とされたものでないことが明らかであるから、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることはできない(最高裁判所平成8年9月26日第一小法廷判決・集民180号473号)。
もっとも、懲戒当時に使用者が認識していた非違行為については、それが、たとえ懲戒解雇の際の処分説明書に記載されていなかったとしても、処分説明書に記載された非違行為と実質的に同一性を有し、あるいは同種若しくは同じ類型に属すると認められるもの又は密接な関連性を有するものである場合には、それをもって当該懲戒の有効性を根拠付けることができると解するのが相当である。
前記のとおり、Y社は、平成25年8月6日以降、J助教、C講師、K助教及びE研究員からXの言動に関する申述書の提出を受け、また、同月29日以降、X、B講師ら5名及びE研究員に対して、それぞれ聞き取り調査を行っているところ、Y社主張欄記載のハラスメントは、いずれもY社が上記各手続により認識するに至った行為であるということができ、処分説明書に記載された非違行為と実質的に同一性を有し、あるいは同種若しくは同じ類型に属すると認められるもの又は密接な関連性を有するものであるということができる。よって、別紙主張証拠対照表のY社主張欄記載のハラスメントは、いずれも本件懲戒解雇の有効性を根拠付けることができるというべきであり、Xの上記主張は採用できない。

3 確かに、Xは、本件教室の教授という立場にありながら、本件教室の構成員であるC講師、J助教、K助教に対し、複数回にわたってパワーハラスメント及びセクシュアルハラスメントを行ったものであり、その他にもXのB講師ら5名に対する言動は、直ちに懲戒事由に該当するものではないとしても不適切といわざるを得ないものが相当程度含まれていることは既に説示したとおりである。Xが平成24年11月1日付けで本件教室に着任してから平成26年11月20日に本件懲戒解雇がなされるまで、E研究員を除く全ての構成員が退職ないし異動をしており、B講師、C講師、J助教及びK助教が何らかの精神疾患に罹患する結果に至っていることは決して軽視できるものではない
しかし、前記で説示のとおり、本件で提出された証拠によっては、Y社が主張する非違事由のほとんどが懲戒事由に該当するものとは認められないものであり、Xの懲戒事由に該当するハラスメントの内容及び回数は限定的である。その上、Xのパワーハラスメントはいずれも業務の適正な範囲を超えるものであるものの業務上の必要性を全く欠くものとはいい難いし、また、Xのセクシュアルハラスメントが殊更に嫌がらせをする目的に基づいてなされたものとはいえないことからすれば、Xのハラスメント等の悪質性が高いとはいい難い。また、C講師が、平成24年5月12日に起立性調節障害、不安緊張状態の診断を受けた後、欠勤を余儀なくされたような事情はないし、K助教は、平成25年5月16日、神経症により約2週間の自宅療養を要する旨の診断を受け、欠勤するに至っているものの、証人尋問においては、欠勤した理由について、医師から「病欠をすることで相手の出方が変わるかもしれないし、とりあえず一度様子をみてはどうか」と言われた旨を供述しており、神経症により直ちに就労が制限される状態であったということができないことも考慮すべきである。さらに、Xは、過去に懲戒処分を受けたことがあることをうかがわせる事情はないし、本人ヒアリング結果等において、ハラスメントの一部を認め、反省の意思を示していたことも認められる。
そうすると、教職員に対する懲戒処分として最も重い処分であり、即時に労働者としての地位を失い、大きな経済的及び社会的損失を伴う懲戒解雇とすることは、上記懲戒事由との関係では均衡を欠き、社会通念上相当性を欠くといわざるを得ない

相当性の判断で拾われていますね。

担当する裁判官によっては解雇を有効とする可能性もあるのではないでしょうか。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介759 こだわらない練習「それ、どうでもいい」という過ごしかた(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
こだわらない練習: 「それ、どうでもいい」という過ごしかた

タイトルがとてもいいですね。

私の性格にぴったりです。

いろんなことにこだわりすぎて自滅してしまう方にはおすすめです。

まあ、この本を読んでもそう簡単に性格は変わりませんけどね(笑)

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

この世の中には、本当にどうでもいいはずのことが、満ちあふれています。・・・その程度の、しょせんはやがて変化してゆくものに執着することによって、何が起こるのか。そう、自らのこだわりに合う人や物に触れると『快』を感じ、こだわりに合わない人や物に触れると『不快』を感じるように、この心が歪んでゆくのです。」(4頁)

だからこそどうでもいいことにこだわらないのがいいのです。

そうすれば、不快なことが減りますので。

この本にも書かれているとおり、世の中、本当にどうでもいいこと、正確にはどちらでもいいことで満ち溢れています。

執着せず、とらわれずに生きていれば、たいしたことで不快に感じることがなくなります。

行雲流水。

ほんの少しの大切なものだけを大切にし、あとはどうでもいいのです。

セクハラ・パワハラ35 長年にわたり仕事を与えなかったことに対する慰謝料額(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、在職中長年にわたって仕事を与えられなかったことにつき損害賠償請求を認めた裁判例を見てみましょう。

国立大学法人H大学事件(神戸地裁平成29年8月9日・労経速2328号23頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の職員であったXが、在職中長年にわたって仕事を与えてもらえず、差別的な扱いを受けるなどの嫌がらせをされて精神的苦痛を受けたと主張して、Y社に対し不法行為または債務不履行に基づき550万円の損害賠償+遅延損害金を請求する事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、50万円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ」の平成24年1月30日付け報告書は、職場のパワハラの概念とその行動類型を次のように説明している。当裁判所もこれを適切なものとして採用することとする。

2 業務上の合理性がないのに、Y社がXに対し長年にわたって仕事をほとんど与えず、研修も受けさせなかったこと、学術情報チーム所属当時に輪番制の事務を割り当てなかったことは、パワハラにあたる。これはXの校務員としての雇用関係上の人格的利益ないし労働者としての人格的利益を侵害する不法行為を構成する。
・・・Y社が成立する前の大学は国の行政機関であったし、Y社も政府からの出資を資本金とし、税金等でまかなわれる政府からの交付金を財源としている。給与は職務の対価であるから、特定の職員に対し長期間にわたりほとんど仕事をさせないでおきながら給与を支給し続けることは、国民に対する背信行為であり、許されるはずもない

3 Xは病気休職から復職した平成10年4月から、学術情報チームにおいて継続的に仕事が与えられ、開館準備行為、書架整理作業を順次割りあてられるようになった平成23年3月頃までの間、約13年間にわたって上記のパワハラを受けた。平成16年にうつ状態、平成17年に自律神経失調症、平成22年に混合性不安抑うつ反応と診断されており、このパワハラがXの精神状態に与えた影響は小さくない
他方、Xは平成9年の減給処分直後から複数回職務遂行上の指導を受けたにもかかわらず、職務に精励し他の職員との人間関係を改善するための努力を十分にしなかった。上記のとおり平成23年春頃以降、Xへの対応は改善されたにもかかわらず、同年8月には学術情報課長に土下座や長時間の正座をさせるなどの強要等の事件を起こしている。Xの粗暴な言動や職場における不届きなふるまいは平成9年の減給処分の理由となった出来事においてすでに顕著に現れており、その後も上司に対して不穏当な発言をするなどしているから、Xが扱いにくい職員であったことはまちがいないXに仕事を与えることをXの上司に躊躇させた原因がX自身にあるのは否定できないトラブル防止のために職員に仕事を与えないという措置を長時間にわたってとることが許されないことはすでに述べたとおりであるが、慰謝料額の算定においてはこのような事情も十分に考慮すべきである。

上記判例のポイント3を読む限り、Xにも相応の原因があったようです。

慰謝料の金額自体は、毎度同じく高額にはなりません。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介758 お金持ちが肝に銘じているちょっとした習慣(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
お金持ちが肝に銘じているちょっとした習慣

成功者たちの習慣をまとめた本です。

実際はさまざまな人がいるので一概には言えないところですが、素直な気持ちで参考にすればよいと思います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『約束の時間さえきちんと守れない人間など、信頼できない』
ビジネス社会では、こう厳しく判断されてしまうことも胸に刻んでおくべきだ。
もう1つ、遅刻はクセだということも知っておこう。遅刻する人は、どんなに気をつけているつもりでも、なぜかいつも遅刻するのだ。・・・『いつも少し遅刻をしてしまうことが多い』という人は、決めるところをきちっと決められないルーズな性格なのだと自覚すべきだ。」(127~128頁)

「遅刻はクセだということも知っておこう」

間違いないですね(笑)

みなさんも思い当たる人、いませんか?

こういう人は早晩相手にされなくなるので放っておいてもどうってことはありません。

会食等の場に遅刻してくる人は、相手のことを重視していないからこそ遅刻をするのです。

「仕事が忙しくて・・・」と言い訳をするのを聞いたことがあります。

私の感覚ですが、待ち合わせの時間に余裕をもって来ている人のほうが仕事ができるので、おそらく遅刻してくる人よりも仕事は忙しいはずです。

たかが5分の遅刻、されど5分の遅刻なのです。

労働時間48 病院における休憩時間は手待時間?(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、常勤・非常勤による労働と労働時間算定等に関する裁判例を見てみましょう。

医療法人社団E会(産科医・時間外労働)事件(東京地裁平成29年6月30日・労判1166号23頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社に対し、雇用契約に基づき次の金員の支払を求める事案である。
(1)平成24年7月1日から平成26年4月20日までの所定時間外、法定時間外及び深夜の労働に係る残業代合計1761万8939円+遅延損害金
(2)付加金

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、1525万9177円+遅延損害金、8万9615円+遅延損害金を支払え

【判例のポイント】

1 労働契約において、労働の時間帯、態様等に応じて異なる内容の賃金が定められている場合において、どちらに基づいて残業代算定のための「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額」(労基法37条1項)を認定すべきか、問題となる。
労基法施行規則23条は、本来の業務とは別の「宿直又は日直の勤務で断続的な業務」につき、労働基準監督署長の許可を得ない限り労働時間の規制から除外しているが、宿直又は日直の勤務でも「断続的な業務」に当たらないもの又は労働基準監督署長の許可を得ないものは割増賃金に関する労働基準法37条を含む労働時間に関する規定が適用されるから、本来の業務に係る賃金が「通常の労働時間又は労働日の賃金」に当たり、本来の業務に係る賃金に割増を加えた賃金が支払われるべきと解される。この場合、宿直又は日直の勤務に係る宿日直手当その他の特別の賃金が定められていても、宿日直手当は、労働基準法施行規則23条に基づいて労働時間に関する規定の適用から除外されて割増賃金が発生しないことを前提とするものであり、宿直又は日直の勤務が全体として許可その他の適用除外の効力発生要件を満たしていないにもかかわらず、宿日直手当の金額に限って労働者に不利な効力を認めるべきではないから、「通常の労働時間又は労働日の賃金」には当たらないと解すべきである。本来の業務の延長であって「断続的な業務」に当たらない、又は宿日直手当が低廉に過ぎるものと判断されて労働基準監督署長の許可を得られないこともありうるところ、本来の賃金額を割増した割増賃金でなく、宿日直手当又はこれに宿日直手当若しくは本来の業務に係る賃金を基礎とした割増分のみを加えた賃金の支払で足りるものとすると、結局、使用者は、宿日直手当を低廉に定めることで、労働基準法施行規則23条の要件を満たさなくとも時間外労働等に伴う経済的負担を軽減できることになってしまい、相当でない
以上のよれば、Xの当直勤務については、本件常勤契約に基づく日勤に係る年俸を基礎賃金として、時間外労働等の残業代を計算すべきである。

2 使用者が当座従事すべき業務がないときに労働者に休息を指示し、又は労働者の判断で休息をとることを許していても、休息の時間を「午後○時○分まで」「○分間」などと確定的に定めたり、一定の時間数の範囲で労働者の裁量に任せたりする趣旨でなく、一定の休息時間が確保される保障のない中で「別途指示するまで」「新たな仕事の必要が生じる時まで」という趣旨で定めていたに過ぎないときは、結果的に休息できた時間が相当の時間数に及んでも、当該時間に労働から離れることが保障されていたとはいえないから、あくまで手待時間であって、休憩時間に当たるとはいえないというべきである。

3 Y社の労働時間の否認には一部理由がある。賃確法6条2項、同法施行規則6条4号、5号によれば、「支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し、合理的な理由により、裁判所又は労働委員会で争っている」場合又はこれに準ずる事由の存する期間は同法6条1項の年14.6パーセントの利率の適用を免れることができるから、本判決が確定するまでの間は、上記利率の適用を免れることができ、遅延損害金の利率は民法所定の年5パーセントにとどめるべきである。ただし、本判決が確定すれば、上記期間に当たらないことは明らかであるから、本判決確定の日の翌日以降は上記利率を適用すべきである。

上記判例のポイント2については、病院での勤務状況に鑑みれば使用者側の主張も理解できないことはありませんが、労基法上の議論としてはやはり難しいものがあります。

これから先ますます人手不足になってきますので、このような問題は立法上解決されない限り争いはなくならないでしょうね。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介757 運命転換思考(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
運命転換思考 一生かかっても身につけたい5つの「働き方」改革

成功者の考え方や習慣が書かれています。

とても参考になる良い本だと思います。

おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『素直さを持ちなさい』メンターから、いまでもいわれる言葉です。素直さは、成長にもつながります。素直な人は、どんな人からも学びます。貴重な教訓を学んだら、それをすぐに生かし、自身の成長に結びつけていきます。だから素直さとは、成功の必須条件といわれるのです。」(133頁)

「素直さとは、成功の必須条件」

この言葉を素直に受け入れられるかどうかが成功の必須条件なのです。

自分のメンターの教えを素直に聞き入れる。

素直に聞き入れられないのなら、そもそもメンターなんていてもいなくても同じです。

成功している人はこのことをよくわかっているので、言われるまでもなくみんな自然とやっているのです。

労働時間47 専門業務型裁量労働制が無効と判断される理由(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、専門業務型裁量労働制と労使協定に関する裁判例を見てみましょう。

京色彩中嶋事件(京都地裁平成29年4月27日・ジュリ1514号116頁)

【事案の概要】

本件は、Xらが、Y社に対し、時間外手当のほか、賃金減額の無効、有給休暇を消化した日の未払い賃金、付加金、長時間労働によりうつ病に罹患したことについての不法行為又は債務不履行である安全配慮義務違反による損害賠償請求をした事案である。

【裁判所の判断】

 Y社は、X1に対し、934万0114円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X1に対し、165万円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X1に対し、500万円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X2に対し、277万1777円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X2に対し、157万6922円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X3に対し、185万2680円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X3に対し、80万5288円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X4に対し、306万6332円+遅延損害金を支払え。
 Y社は、X4に対し、136万4085円+遅延損害金を支払え。

【裁判所の判断】

1 専門業務型裁量労働制を採用するためには、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定を行うことを要する(労基法38条の3第1項)。
また、個別の労働者との関係では、専門業務型裁量労働制を採用することを内容とする就業規則の改定等により、専門業務型裁量労働制が適用されることが労働契約の内容となることを要する。

2 Y社の平成22年秋頃の従業員数は合計19名、専門業務型裁量労働制の採用に当たり対象となる従業員は11名であるところ、Cが労働者の過半数を代表する者とされた際の選出の手段、方法は不明であり、協定届上「推薦」とあるが、C本人及びXらを含むY社の従業員合計6名はいずれもCを従業員として選出するための会合や選挙を行ったことはないと述べており、これらの従業員は、また、同様に、平成23年の就業規則改定に際して労働者代表を選出するための会合や選挙を行った事実もないと述べている。
これに対し、Y社は、労働者代表の選出は、社会保険労務士の指示に従い、従業員のうちの事務を担当していたDに任せていたと述べるのみであり、その具体的な選出方法について何ら説明することができず、結局のところ、当該事業所に属する従業員の過半数の意思に基づいて労働者代表が適法に選出されたことをうかがわせる事情は何ら認められない

3 就業規則が、平成23年の改訂の前後を通じて実際にY社の事務所内の棚に保管され、従業員が手に取れる状態となっていたこと、また、その保管場所が従業員に周知されていたことを裏付ける客観的な証拠はない。むしろ、平成26年7月に行われたY社と労働組合(b労)との団体交渉において、組合側から就業規則の設置場所を聞かれ、Y社側の弁護士が事務所内のAの座っているところの本棚にあると聞いていると説明するのに対して、X1が見たことがないと述べていることに照らすと、保管場所が従業員に周知され、いつでも閲覧し得る状態になっていたということはできないことが明らかである。

4 ・・・このようなY社による理由のない降格、賃金減額のストレスと、長時間労働の負荷とは、時期的にはうつ病の発症の直前ではないものの、これらを解決するために労働組合に加入したX1に対して、さらに不当労働行為が行なわれていること、他に、当時、X1にうつ病の発症の原因となるようなストレスがあったことをうかがわせる事情は特段認められないことからすると、X1のうつ病の発症は、Y社の上記行為に起因するものと推認することができる。
したがって、X1に、減額分の賃金の補填や時間外労働に対する対価の支払のみではまかなえない精神的苦痛を与えたものということができる。
以上の経緯を総合考慮すると、X1に生じた精神的苦痛を慰謝するには150万円をもって相当と認める。

どえらい金額になってしまっていますね。

上記判例のポイントのとおり、法律上求められている手続を無視すると最終的にはこうなってしまいます。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。