賃金123 固定残業代の有効性が争われた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、時間外割増賃金部分の区別と時間外割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

エフエヌシステム事件(東京地裁平成28年8月24日・労判ジャーナル57号38頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で労働契約を締結して勤務したXが、退職後にY社に対し、在職中に時間外労働をしたと主張して、賃金請求権に基づく割増賃金等の支払を求めるとともに、割増賃金の不払について労働基準法114条に基づく付加金等を求めた事案である。

【裁判所の判断】

未払賃金として292万4990円+同額の付加金を支払え

【判例のポイント】

1 労働契約では、基本給を月額35万円とした上で、月間総労働時間が200時間を超えた場合はその超過時間につき1時間当たり1750円を別途支払い、150時間に満たないときはその不足時間につき一定金額を減額する旨の約定を内容とするものであるところ、当該約定によれば、1か月200時間以内の労働時間において時間外労働がされても、基本給の金額が増額されることはなく、時間外労働時間の長短にかかわらず支給金額(基本給)が増減することもないから、月額35万円の基本給について、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条1項の規定する時間外の割増賃金に当たる部分とを明確に判別することはできないというべきであり、Y社は、Xに対し、月間200時間を超える労働時間中の時間外労働のみならず、月間200時間以内の労働時間中の時間外労働分についても、月額35万円の基本給とは別に、同条所定の割増賃金を支払う義務を負う。

そりゃそうだ、という判決です。

もうそろそろ固定残業制度は廃止したほうがいいのではないでしょうか。

有害無益です、この制度。

残業代請求訴訟は今後も増加しておくことは明白です。素人判断でいろんな制度を運用しますと、後でえらいことになります。必ず顧問弁護士に相談をしながら対応しましょう。

本の紹介636 スピード・ブランディング(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。
スピード・ブランディング

パーソナル・ブランディングについての本です。

どのようにしてブランディングしていくのが正しいのかが書かれています。

ブランディングを意識している人にとっては、基本的な内容です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

・・・そんなある日、私に大きな転機が訪れます。それは、ある大富豪との出会いでした。その南カリフォルニアに住む大富豪は私にこう言ったのです。
『David, for things to get better, you have to get better.』
「あなた自身が価値ある人間にならなければ、あなたの人生は一向に良くなりませんよ」ということです。・・・これを機に、私はその『価値』を作るために自己投資に目覚め、自分で自分の人生を舵取りできるようになろうと決意しました。」(2頁)

商品が売れない理由はその商品の価値が低いからではありません。

自分の価値が低いからだと思うのです。

実際はどうかはわかりませんが、そう思わなければ、先へは進めません。

特に多くの給与所得者の方の場合、取り扱う商品やサービスそれ自体は自分の力では変えることはできません。

与えられたモノを売るほかありません。

同じモノを売っても、売れる人と売れない人がいますよね。

これって、運の問題ですか?

そんなはずありませんよね。

売っているモノの価値の差ではありません。

売っている人の価値の差です。 

さて、みなさんは自分の価値(ブランド)を高めるために毎日どんな準備をしていますか?

解雇220 解雇の相当性要件を満たさないとの理由で無効とされた事案(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、企業秩序違反等に基づく解雇無効地位確認等請求に関する裁判例を見てみましょう。

GCAサヴィアン事件(東京地裁平成28年8月19日・労判ジャーナル57号42頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の元従業員が、平成24年9月9日付け降格及び平成25年8月31日付け普通解雇の無効並びに会社からの嫌がらせ等の不法行為を主張して、労働契約上の権利を有する地位の確認、平成24年9月から平成25年8月までの間に降格に伴い減額された賃金約80万円及び解雇後の平成25年9月から平成26年2月までの未払賃金の合計約480万円の支払、同年3月以降の毎月の賃金約67万円の支払並びに慰謝料100万円等の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

解雇無効

慰謝料請求は棄却

【判例のポイント】

1 本件解雇では、Xの能力、その発揮、言動、態度等における問題は深刻であり、就業規則の定める「はなはだしく業務能率が悪く、また業務の遂行に必要な能力を著しく欠くとき」又はこれに「準ずるやむを得ない理由」に一応該当すると言うべきであるが、解雇は降格・降給と異なり、労働契約を終了させ、挽回の機会もなく労働者にとって不利益は大きいから、労働者に能力不足、勤務態度不良又は適格性の欠如があっても単に使用者の期待に十分にそわないという程度にとどまらず、労働契約の継続を期待しがたいほどに重大な程度に達していることを要すると解されるところ、Xに対しては、再度の降格・降給は相当であるが、本件解雇は、いささか性急で、酷と見ることができ、本件解雇は社会通念上の相当性を欠くため無効であるから、Xは労働契約上の権利を有する地位をなお保持しているから、この地位を確認すべきである。

2 本件降格は無効とはいえないから違法性を認めることはできず、また、退職勧奨や面談の繰り返しが、不法行為を成立させるほど違法なものとは認められず、さらに、Xが主張するようなパワーハラスメント又はプライバシー侵害の不法行為が成立すると認めることはできない。

解雇理由は存在するものの、解雇は重すぎるということで相当性の要件で助けられた事案です。

はっきり言って、予測可能性は高くありません。 どこまで行ってもケースバイケースですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介635 人生で大切なことはいつも超一流の人たちから学んだ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
人生で大切なことはいつも超一流の人たちから学んだ

よくあるタイプの本ですが、1つでも何か得られればラッキーです。

セミナーでも本でも1つの宝物を見つけられるかどうかが勝負です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ボクシングにまったく不案内な私にもわかるよう丁寧に説明してくれた内山選手の言葉の中で私が強く覚えているのは、『自分の限界のその先を見続けたい』ということ。自分で思っている限界の枠をどうにかして外して、その外した先を見る。これを繰り返すことで、進化した自分を体感できるというのです。」(20頁)

いつ死ぬかわかりませんが、僕は、死ぬまでの間、どこまで進化できるかを自分で見てみたいという気持ちを強く持っています。

ジムに通うのも、ボクシングに通うのも、同じ理由です。

常に超回復していたいのです。

何も変わらない穏やかな日常では、生きている実感が持てないのです。

ゴールなんて設定する必要はないと思います。

残された時間で、どこまで行けるのか。

ただそれだけです。

労働者性20 営業支援業務従事者の労働者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、労働契約上の労働者に基づく解雇無効地位確認請求に関する裁判例を見てみましょう。

AGORA TECHNO事件(東京地裁平成28年8月19日・労判ジャーナル57号40頁)

【事案の概要】

本件は、ITソリューション事業などを行うY社と契約を締結し、営業支援等の業務を行ったXが、Y社との契約は労働契約であったが、平成26年5月29日、解雇されたものの、本件解雇は解雇権の濫用であり無効であるとして、地位確認、未払賃金等を請求した事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 XとY社は自由な意思において労働契約ではなく業務委託として本件契約を締結し、本件契約を継続したと認められ、本件契約の形式において、本件契約が労働契約であったとは認められず、そして、Y社の他の従業員が勤務表、休暇・遅刻・早退の届出、日報などにより管理されていたのに対し、Xはその提出を求められていなかったと認められ、本件契約において日々具体的な営業活動を行うことなどを求められていたとは認められないことにも照らせば、XはY社の指揮命令下にあったとは認められず、また、Y社代表者はXに対し成果が上がれば報酬の増額を考える旨供述したと認められるから、報酬はXの業務の成果に対する対価としての性質であったと認められ、労務提供の対価であったとは認められず、さらに、Xは、会社外部の事業者として報酬を請求していることなどからは、事業者性が認められること等から、本件契約の形式面、当事者の意思、指揮命令下の労働、報酬の労務対価性、事業者性などの観点から総合的に検討しても、本件契約は請負契約としての業務委託契約であったと認められ、労働契約であったとは認められない。

これだけの事情がそろえば、労働者性は否定されるでしょうね。

もっとも、一般的には、労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介634 運に愛される人(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
(文庫)運に愛される人 (サンマーク文庫)

あまり「運」という言葉で片付けたくない人間ですが、ひとまずどんなものか読んでみました。

すべては原因と結果の法則だと思っています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

いまそこにいるあなたは、『私は過去、こういう選択をしてきました』という見本市のようなものです。いまの状態が自分でいいと思うなら、正しい選択をしてきたということですが、もしもいいと思えないのなら、これからの選択を変えていかなければならないのです。」(93頁)

アマゾンのジェフ・ベゾスも同じことを言っていますね。

「In the end, we are our choices.」

人生は選択の連続です。

日々の選択如何で人生が決まります。

なんとなく選択すれば、なんとなくの人生になるのは当然のことです。

1つ1つの選択を自分の力・価値を高めるものにしていく。

そういう意識を持つことがとても大切だと思います。

同一労働同一賃金3 無期労働契約者のみに支給される手当と同一労働同一賃金問題(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、無期労働契約者のみに支給される手当の一部が労働契約法20条に違反するとされた裁判例を見てみましょう。

ハマキョウレックス(第2次)事件(大阪高裁平成28年7月26日・労経速2292号3頁)

【事案の概要】

本件は、一般貨物自動車運送事業等を営むY社との間で、期間の定めのある労働契約を締結して配車ドライバーとして勤務したXが、Y社に対し,
①XとY社との間には始期付きの期間の定めのない労働契約が成立しており、仮にそうでないとしても、Y社と無期労働契約を締結している労働者の労働条件とXの労働条件とを比較すると、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、家族手当、通勤手当及び一時金の支給、定期昇給並びに退職金の支給に関して相違があり、かかる相違は不合理であって公序良俗に反し、平成25年4月1日以降は労働契約法20条にも違反しており無効であるから、Xは、労働契約上、無事故手当、作業手当、給食手当、住宅手当、皆勤手当、家族手当、通勤手当及び一時金の支給、定期昇給並びに退職金の支給に関し、Y社と無期労働契約を締結している労働者と同一の権利を有する地位にある旨主張して、同地位にあることの確認を求め、
②Y社は、Xの手取賃金として最低でも月額30万円を支払う旨約したにもかかわらず、平成23年11月10日から平成25年9月10日まで、原判決別表の「振込額(円)」欄記載の手取賃金額しか支払わず、前記30万円との差額である同表の「差額(円)」欄記載の合計68万2578円が未払であり、仮に前記約束が認められないとしても、手取賃金として最低でも月額30万円が支払われるものとXに期待させるなどしたY社の行為は不法行為を構成し、Xは前記未払分68万2578円と同額の損害を被った旨主張して、主位的に労働契約に基づき、予備的に不法行為に基づき、前記68万2578円+遅延損害金の支払を求め、
前記①のとおり、Xは、労働契約上、Y社と無期労働契約を締結している労働者と同一の権利を有する地位にあるところ、平成21年10月1日から平成25年8月31日までの47か月間の無事故手当月額1万円、作業手当月額1万円、給食手当月額3500円、住宅手当月額2万円、皆勤手当月額1万円と通勤手当の差額2000円との月額合計5万5500円の割合による手当合計260万8500円が未払であり、仮にXが前記労働者と同一の権利を有しないとしても、そのような権利を有するものと期待させながら未だにXとの間で無期労働契約を締結しないなどのY社の行為は不法行為を構成し、Xは前記未払分260万8500円と同額の損害を被った旨主張して、主位的に労働契約に基づき、予備的に不法行為に基づき、前記260万8500円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

 Xの控訴及び当審における追加請求に基づき、原判決を次のとおり変更する。
 Y社は、Xに対し、77万円及びうち12万7500円に対する平成25年10月29日から、うち64万2500円に対する平成27年12月4日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 Xのその余の請求及び当審におけるその余の追加請求をいずれも棄却する。
 Y社の控訴を棄却する。

【判例のポイント】

1 労働契約法20条は、「不合理と認められるもの」といえるか否かの判断については、「職務の内容」、すなわち、「労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度」と、「当該職務の内容及び配置の変更の範囲」と「その他の事情」を考慮要素とする旨規定しており、「労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度」とは、労働者が従事している業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいい、「当該職務の内容及び配置の変更の範囲」とは、今後の見込みも含め、転勤、昇進といった人事異動や本人の役割の変化等(配置の変更を伴わない職務の内容の変更を含む。)の有無や範囲を指し、人材活用の仕組みと運用を意味するものと言い換えることができる。また,「その他の事情」とは、合理的な労使の慣行等の諸事情を指すものと解される(本件施行通達)。

2 そして、労働契約法20条の不合理性の判断は、有期契約労働者と無期契約労働者との間の労働条件の相違について、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、個々の労働条件ごとに判断されるべきものであると解される(本件施行通達)ところ、同条の不合理性の主張立証責任については、「不合理と認められるもの」との文言上、規範的要件であることが明らかであるから、有期労働契約者は、相違のある個々の労働条件ごとに、当該労働条件が期間の定めを理由とする不合理なものであることを基礎付ける具体的事実(評価根拠事実)についての主張立証責任を負い、使用者は、当該労働条件が期間の定めを理由とする不合理なものであるとの評価を妨げる具体的事実(評価障害事実)についての主張立証責任を負うものと解するのが相当である。

3 Y社の正社員と契約社員との間には、前記のような職務遂行能力の評価や教育訓練等を通じた人材の育成等による等級・役職への格付け等を踏まえた広域移動や人材登用の可能性といった人材活用の仕組みの有無に基づく相違が存するのであるから、前提事実の労働条件の相違が同条にいう「不合理と認められるもの」に当たるか否かについて判断するに当たっては、前記のような労働契約法20条所定の考慮事情を踏まえて、個々の労働条件ごとに慎重に検討しなければならない。

4 労働契約法20条は、訓示規定ではないから、同条に違反する労働条件の定めは無効というべきであり、同条に違反する労働条件の定めを設けた労働契約を締結した場合には、民法709条の不法行為が成立する場合があり得るものと解される。

しかしながら、労働契約法は、同法20条に違反した場合の効果として、同法12条や労働基準法13条に相当する規定を設けていないこと、労働契約法20条により無効と判断された有期契約労働者の労働条件をどのように補充するかについては、労使間の個別的あるいは集団的な交渉に委ねられるべきものであることからすれば、裁判所が、明文の規定がないまま、労働条件を補充することは、できる限り控えるべきものと考えられる

したがって、関係する就業規則、労働協約、労働契約等の規定の合理的な解釈の結果、有期労働契約者に対して、無期契約労働者の労働条件を定めた就業規則、労働協約、労働契約等の規定を適用し得る場合はともかく、そうでない場合には、前記のとおり、不法行為による損害賠償責任が生じ得るにとどまるものと解するほかないというべきである。

労働契約法20条の規範的効力を否定しています。

また、ざっくり労働契約法20条違反か否かを判断するのではなく、個々の労働条件ごとに判断していくべきであるとされています(当然といえば当然ですが)。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介633 潜在能力でビジネスが加速する(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
潜在能力でビジネスが加速する――才能を自然に引き出す4ステップ・モデル

潜在能力や潜在意識に関する本はいくつか読んできましたが、実のところ、いまいちよくわかりません。

いわんとしていることはわかるのですが、まだ自分のものになっていません。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『僕らは毎日、こんなふうに自分自身にストップをかけている。十分な能力があるにもかかわらず、できないと思い込むことによって、その能力を自ら放棄しているんだ』『私はできない』人の心理にとって、この言葉以上にネガティブな威力を発揮するものはありません。」(67頁)

言葉の重要性についてわかっている人からすれば当たり前のことなのですが、多くの人が自分で自分のキャパシティを制限しています。

やる前から「どうせできない」と決めているのです。

こんなの奥ゆかしくもなんともありません。

どうしたらこの負のスパイラルから抜け出すことができるのでしょうか。

私は、「成功体験」の有無が大きく影響していると思っています。

これまでに高いハードルを越えた経験がある人は、自分の能力を信じることができます。

こういう人は、やる前に「どうせできない」とは考えません。 「どうせできる」と考えるのです。

「いろいろ大変だろうけど、最終的にはどうせうまくいく」と思えるのです。

結果を出せる人は、こういう考えができる人なのだと思います。

労働者性19 フルコミッションの歯科医師の労働者性(労務管理・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、歯科医師の労働契約に基づく未払退職金等支払請求に関する裁判例を見てみましょう。

医療法人社団市橋会事件(東京地裁平成28年8月24日・労判57号37頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の開設する歯科医院において歯科医師として勤務し、その後Y社を退職したXが、医療法人に対し、退職金の支払を求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 歯科医師であるXは、Y社において、担当の患者の歯科治療の開始から終了まで継続して担当し、その間の自由診療の適否を含む治療方針、診療計画及び診療報酬の算定を自らの責任において決定の上診療業務を行っていたものであり、自身の担当患者の診療により得られた診療報酬額に比例した完全歩合制による報酬を得ていたのであるから、業務上の自由裁量を有し、成果に基づく報酬を得ていたといえること等から、本件契約は、医療法人の指揮命令の下で労務を提供し、その対価としての賃金を受領することは本質とする労働契約とは性質を異にし、請負契約ないし業務委託契約的な性質を持つ契約であると解するのが相当であり、Xも、かかる特質を理解して本件契約を締結したものと認めるのが相当であり、退職金請求権の発生要件のうち、労働契約の締結及び退職金請求権の根拠たる規範の存在の各要件を欠くから、Xの退職金請求には理由がない。

フルコミッションだからといって、それだけで労働者性が否定されるわけではありませんのでご注意を。

今回のケースでも、業務上の自由裁量の程度が高いことを労働者性否定の一理由とされています。

どこまでいってもケースバイケースの世界です。

労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介632 フォーカル・ポイント(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は、本の紹介です。
フォーカル・ポイント

ブライアン・トレーシーさんの本です。

サブタイトルは、「労働時間を半分にして、生産性と収入を倍にする思考術」です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

わたしは原因と結果の法則から、『自分の思考がものごとの原因であり、その結果としての現状がある』といういちばん重要な教えを学んだ。言い換えると、あなたの考えかたしだいで、あなたの人生の過ごしかたが決まるということだ。今のあなたの生活は、あなた自身の思考によって自ら手に入れてきたものである。そして、あなたは思考を変えることによって、自分の人生を変えられる。」(97頁)

自分のメンターがいる人は、こういうときにとても強いです。

だって、メンターの考え方を真似すればいいのですから。

できるだけメンターの側にいて、メンターの話し方、話す言葉、しぐさ、行動パターンを観察して、真似をするのです。

考え方は言葉や行動に表れます。

言葉や行動を真似するとはすなわち考え方(思考)を真似することと同じ意味です。

これを愚直に続けることができれば、だめだめな自分の思考を変えることができると確信しています。