本の紹介582 大富豪が実践しているお金の哲学(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
大富豪が実践しているお金の哲学

よくある感じの本ですが、考え方はとても参考になります。

一般の人、小金持ち、大金持ちという3つの分けて、あるべき考え方を伝えています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

せっかく社会人になって自分でお金を稼げるようになったのに、遊びに使わず自分の成長のためにお金を使えと言われても普通の人には酷です。でも同世代で自己投資にお金を惜しまない人もいるのです。その違いは、目線が『今』か『将来』かの差です。」(108~109頁)

みなさんは、5年後、10年後のために何か準備をしていますか?

1日のうち、朝30分だけ、5年後、10年後のための準備にあてるということを習慣化している人はいますか?

毎朝わずか30分です。

6時に起きているのを5時30分にするだけです。

1年後、どれだけの差になっているか。

日々の小さな積み重ねを続けられるかどうか、本当にそれだけの差なのです。

不当労働行為148(日幸製菓事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、賃金要求に対して全従業員との個別面談後に回答するとしたことなどが不当労働行為にあたるとした命令を見てみましょう。

日幸製菓事件(中労委平成27年11月18日・労判1134号95頁)

【事案の概要】

本件は、組合からの賃金要求に対して全従業員との個別面談後に回答するとしたことなどが不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたる

【命令のポイント】

1 ・・・同年8月23日に開催された団交において、全従業員との個別面談を行った後に回答するとして、「賃金に関する要求」に対する具体的な回答を行わず、回答の根拠となる資料を示さなかった会社の対応は、合理的な理由なく不当に回答を引き延ばす不誠実なものであって、労組法7条2号に該当する不当労働行為であると認められる。

2 他方で、会社は、・・・第4回団交までに人事評価に係る評価項目の概要、評価ランクの定め方及び評価者等、支給基準に関する事項について相当の説明を行っており、また同団交において、それまで不開示としていた評価ランクの人数分布について開示するなど、組合が開示を求める理由が必ずしも具体的かつ十分に説明されない状況において、開示について一定程度協力的な姿勢をみせていることからすると、部門ごとの具体的な評価項目及び各評価ランクの平均金額を開示しないことをもって不誠実であったとまでは認められない。

資料の提示を拒否する場合には、その合理的な理由を説明できないと不誠実団交として不当労働行為に該当します。

また、回答について合理的な理由なく先延ばしを繰り返すのも同様です。

気をつけましょう。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介581 99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る

著者は、宮城県山元町生まれで、日本、インドで6つの法人のトップを務める経営者の方です。

私より1つ年上のようです。

復興のため、「日本一のイチゴ」を作ることに挑んだ話が書かれています。

多くの人が「どうせ無理」と思ったことでしょう。

結果、どうなったかについては是非、本を読んでみて下さい。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

やっかみを受けるくらいのことをやらないと、閉鎖的な社会に対して、新しい変化をもたらすことはできないのも事実だ。経営者としては、ある程度の覚悟を持ち、批判を受けやすい状況に身を置かねばならない。やっかみが起きてきたら、『これは、なにか新しいことが起きるシグナルだ!』と考えた方がいいのだ。やっかみが起こらないようなことは、毒にも薬にもならない。大事なことはポジションを取ること。極を取ることだ。自らを敢えて批判にさらす。それによって自分の考えを研ぎ澄ませ、人間力を鍛えるのだ。」(178頁)

注目されるために、あえてみんなと逆のことをやってみる。

埋もれていては注目されることはないからです。

この判断をするときに必要なのは、勇気と行動力。

批判されたくない、やっかみを言われたくないという気持ちを捨てる勇気を持たないと新しいことにチャレンジすることはできません。

著者が言うように、うわさされる、やっかみを受けるくらいのことをやらないと、そもそも新しい変化をもたらすことなどできないわけです。

解雇208(三菱重工業事件)

おはようございます。

今日は、現住所から通勤できる職場を求め復職を拒否した労働者に対する解雇が有効とした裁判例を見てみましょう。

三菱重工業事件(東京地裁平成28年1月26日・労経速2279号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用され愛知県内の事業所で勤務していたXが、私傷病による欠勤の後、復職には同居の家族の支援が不可欠であるとして埼玉県内の現住所から通勤可能な場所での復職を求めたのに対し、Y社から原職場での復職を命じられたため出社を拒否したところ、解雇されたとして、Y社に対し、上記解雇が解雇権の濫用により無効であることに基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、Y社から就労開始可能と判断された平成25年9月1日以後の給与として同年10月から本判決確定に至るまで、毎月20日限り22万3500円+遅延損害金を求めている事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却
→解雇は有効

【判例のポイント】

1 今回の復職命令の目的、性質の観点から検討すると、今回の復職命令は、再出勤審査会の答申を受け、Y社の職場復帰支援制度に基づき、第1段階として実施される短時間勤務であり、第2段階では短時間勤務中の出勤率及び職場での業務状況等を評価して再出勤(フルタイムの通常勤務)の可否を判定するものであり、その目的・性質からすると、当初の短時間勤務はできるだけ負荷をかけないためにも、周囲の理解やサポートを得るためにも原職場が望ましく、また、判定のためにも従前の勤務状況との比較が必要であり、原職場に復職することが望ましいこと、名古屋製作所の過去の実例でも、他の事業所に復職した社員はいないことに照らせば、Y社の職場復帰支援制度も原職場で短時間勤務を開始することを予定しているものと解される

2 Xは、復職には同居の家族による生活全般の支援が不可欠であるとして現住所から通勤可能な勤務場所を求めているが、業務内容や勤務時間等の就業上の配慮はともかくとして、Xの食事、選択、金銭管理等の生活全般の支援をどうするかは本来的に家族内部で検討・解決すべき課題である。これまでに名古屋製作所で実施された職場復帰支援による短時間勤務の実例でも、家族の方で同居するか頻繁に行き来するなどして私生活をサポートしている。しかも、本件でXが挙げる理由は、Xの実姉が働いているのでその子供らの世話を実母がしなければならず、これに伴いXも転居できないので現住所から通勤できる勤務地を求めるというものであり、家庭内の事情を優先した形で企業側に対応を求めている

3 以上から、Xが現住所から通勤可能な勤務地での復職を申し出ても、債務の本旨に従った労務の提供を申し出ているとはいえず、また、この申し出に対してY社が就労の現実的可能性のある業務を調査・検討すべき義務があるともいえず、Y社が原職場での復職を命じた復職命令は相当である。

リハビリ出勤における上記判例のポイント1の考え方は参考になりますね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介580 成功は一日で捨て去れ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
成功は一日で捨て去れ (新潮文庫)

ユニクロの柳井社長の本です。

タイトルからもわかるとおり、経営に対する厳しい姿勢を学ぶことができます。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。常に危機感を持って会社経営することが正常なのである。『正常な危機感』とでも言おうか。会社経営をしたことのない人は、危機感がなく順風満帆なことが正常だと勘違いしている。危機感を持ちながら経営しない限り、会社は継続しないし、『いつも危機』と考えて経営しないと維持や継続さえもできない。」(45頁)

経営に対する厳しさを知ることができます。

会社に規模にかかわらず、経営者は常に危機感を持って経営に取り組まなければならないと。

会社の調子がよくないときに危機感を持つのは当たり前のことですが、大切なのは、会社が絶好調のときにも危機感を持てるかどうかです。

むしろ調子がいいときこそ、気を引き締めて経営することを意識する必要があります。

油断や慢心から一気に状況が変わってしまうわけですから、経営者は常に危機感を持つことが求められますね。

セクハラ・パワハラ18(学校法人関東学院事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、ハラスメントの調査・認定申立てに対する調査委員会の不設置等の配慮義務違反性に関する裁判例を見てみましょう。

学校法人関東学院事件(東京高裁平成28年5月19日)

【事案の概要】

本件は、Y社が運営する大学の事務職員であるXが、所属する部署の上司からパワー・ハラスメント及びセクシャル・ハラスメントを受けたとして、同大学のハラスメント防止委員会に対して申立てを行ったところ、①同委員会がハラスメント防止規程に則って調査委員会を設置しないなど、適切な措置を執らず、②ハラスメント防止委員会の審議における同委員会の委員によるXを侮辱しかつ名誉を毀損する発言により、Xの人格権が侵害され、③Xと同じく上記上司からハラスメントを受けていた嘱託社員についてXが同委員会等に対応を求めたところ、Y社は同嘱託社員を当該上司の所属する部署に異動させ、Xをハラスメントの申立てをしたことに対する報復措置として異動が命じられるのではないかとの恐怖にさらしたと主張して、Y社に対し、Y社の安全配慮義務違反又は同委員会の委員の不法行為に係る使用者責任による損害賠償請求権に基づいて、慰謝料200万円+遅延損害金の支払を求めた事案である。

原審は、①Y社のハラスメント委員会は、Xの申立てがハラスメントの問題と人事の問題が混在し、申立期間の制限に抵触している可能性があると思われたことから、開始手続を取るか否かを含めて、当事者双方に事情聴取をしたところ、同申立てが適切であることを確認できなかったことから、調査を開始することは難しい旨決定し、問題の原因は当事者間のコミュニケーション不足にあると判断し、同委員会の委員長立会の上でXと面談する機会を設け、また、人事に関する事項について大学事務長に対し事情聴取を行うとともに、同人からXに対して人事に関する説明をしたことが認められるから、同委員会が規程に則り、適切に対処したものと評価することができ、Y社に安全配慮義務違反があるとは認められない、②Xが証拠として提出する同委員会の委員の発言を録音したものは、非公開である同委員会の審議内容を何者かが無断で録音したものであって、不法に収集された証拠であり、訴訟上の信義則に反し、証拠能力を認めることができず仮に同委員会の審議においてXが主張する同委員会の委員の発言があったとしても、その発言は多角的に検討されるべき議論の範囲内のものであるということができ、また、そもそも非公開の会議である審議中のものであるから、名誉毀損ないし侮辱といった不法行為上の故意又は過失は認められない、③嘱託社員の異動は、異動先の課に所属していた他の職員が専任職員の登用試験に合格し、慣例上、他部署へ異動させなければならないことから、同課の職員を補充する必要があったことによるものであり、Xが同嘱託社員の受けているハラスメントに対する対応を求めてから約4年が経過した後であったことからすると、同嘱託職員の異動が報復としての人事措置であるということはできない旨それぞれ判断し、Xの主張は理由がないとして、Xの請求を全部棄却する判決をした。Xは、原審の上記判断を不服として、控訴した。

【判例のポイント】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 民事訴訟法は、自由心証主義を採用し(247条)、一般的に証拠能力を制限する規定を設けていないことからすれば、違法収集証拠であっても、それだけで直ちに証拠能力が否定されることはないというべきである。しかしながら、いかなる違法収集証拠もその証拠能力を否定されることはないとすると、私人による違法行為を助長し、法秩序の維持を目的とする裁判制度の趣旨に悖る結果ともなりかねないのであり、民事訴訟における公正性の要請、当事者の信義誠実義務に照らすと、当該証拠の収集の方法及び態様、違法な証拠収集によって侵害される権利利益の要保護性、当該証拠の訴訟における証拠としての重要性等の諸般の事情を総合考慮し、当該証拠を採用することが訴訟上の信義則(民事訴訟法2条)に反するといえる場合には、例外として、当該違法収集証拠の証拠能力が否定されると解するのが相当である。

2 Xによれば、本件録音体は、平成21年7月7日に行われた委員会の審議内容が録音されたものであり、本件録音体であるCD-ROM2枚の入った差出人の記載の無い封筒が、平成25年1月31日、学内便により、Xに届けられたというものであるところ、そうであるとすると、本件録音体は、非公開の手続であり、録音をしない運用がされている委員会の審議の内容を無断で録音したものであり、・・・録音がされた委員会の審議は第一次申立てに係るものであることになる。しかして、第一次申立てについては、平成21年12月7日、委員長からXに対し、同年6月22日付けでXに通知された第一次決定をもって委員会の最終的な結論とする旨が伝えられているのであるから、Xが本件録音体を取得したのは、録音時から約3年半後で、第一次申立てが最終的に終局してからでも約3年2か月後を経過した時点であることになり、このことについても、また、差出人不明者から本件録音体が送付されたというのも、いかにも唐突で不自然である
以上の点に鑑みると、Xが本件録音体を取得した経緯に関するXの供述はにわかに採用することができない。
なお、Xが、本件録音体の無断録音が行われたという同年7月7日からわずか8日後の同月15日に行われた委員長らとXとの面談内容を無断録音していたこと、Xが本件録音体及び上記面談内容を無断で録音した録音体を所持し、それぞれの反訳書を証拠として提出していることに鑑みると、本件録音体の無断録音についてもXの関与が疑われるところである

3 次に、委員会は、ハラスメントの調査及びそれに基づくハラスメント認定という職務を担い、その際にハラスメントに関係する者のセンシティブな情報や事実関係を扱うものであるところ、このような職務を行う委員会の認定判断の客観性、信頼性を確保するには、審議において自由に発言し、討議できることが保障されている必要がある一方、その扱う事項や情報等の点において、ハラスメントの申立人及び被申立人並びに関係者のプライバシーや人格権の保護も重要課題の一つであり、そのためには各委員の守秘義務、審議の秘密は欠くことのできないものというべきである。委員会が、その審議を非公開で行い、録音しない運用とし、防止規程13条が各委員の守秘義務を定めているのも、かかる趣旨によるものと解される。そうすると、委員会における審議の秘密は、委員会制度の根幹に関わるものであり、秘匿されるべき必要性が特に高いものといわなければならない
他方、委員会の審議の結果は、ハラスメント申立てに対する回答としてその申立人に伝えられ、委員会は審議の結果に対して責任を持つものであり、審議中の具体的討議の内容はその過程にすぎないものであるから、結論に至る過程の議論にすぎない本件録音体の内容は、争点(1)のXの主張ア及びウに係る第一次申立ての事案の解明において、その証拠としての価値は乏しいものである。
・・・以上によれば、委員会の審議内容の秘密は、委員会制度の根幹に関わるものであって、特に保護の必要性の高いものであり、委員会の審議を無断録音することの違法性の程度は極めて高いものといえること、本件事案においては、本件録音体の証拠価値は乏しいものといえることに鑑みると、本件録音体の取得自体にXが関与している場合は言うまでもなく、また、関与していない場合であっても、Xが本件録音体を証拠として提出することは、訴訟法上の信義則に反し許されないというべきであり、証拠から排除するのが相当である。

ニュースとしても取り上げられた有名な事件です。

民事裁判で無断録音の内容が証拠として提出されることは少なくありませんが、事案によっては違法収集証拠として排除すべきとの判断がなされるわけです。

あまり多くはありませんが。

ハラスメントについては、注意喚起のために定期的に研修会を行うことが有効です。顧問弁護士に社内研修会を実施してもらいましょう。

本の紹介579 1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書くボクのインプット&アウトプット法(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く ボクのインプット&アウトプット法

久しぶりに千田さんの本です。

インプット・アウトプットといっても、知識に関することだけではなく、人脈、仕事、お金、人生といったあらゆることに関するインプットとアウトプットについて書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

せっかく多くの人に出逢っても、人脈が長続きしない人が多い。長続きしない理由は簡単だ。あなたが退屈だからだ。この世で何が辛いかといって、一緒にいて退屈な相手と無駄な時間を過ごす以上に辛いことはない。」(65頁)

個人的にはこの「人脈」という言葉の響きが好きではないですが、ともかく人のつながりの根底には、「この人と一緒にいたい」という「好き」とか「楽しい」というプラスの感情が存在します。

単に打算的な考えのもとで人のつながりを保つのは、やはり無理があります。

さまざまな会に参加しても人のつながりがなかなか広がらない人がいる反面、一切会合には出席しなくても広範囲にわたる人のつながりを持っている人も存在します。

どこまでいっても最終的にはその人の人間力なのでしょうね。

不当労働行為147(日本ロール製造事件)

おはようございます。

今日はパイプ事業部縮小に伴う組合員の雇用及び労働条件に関する団交における会社の対応が不当労働行為に当たらないとされた命令を見てみましょう。

日本ロール製造事件(中労委平成28年1月6日・労判1134号94頁)

【事案の概要】

本件は、パイプ事業部縮小に伴う組合員の雇用及び労働条件に関する団交における会社の対応が不当労働行為にあたるかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にあたらない

【命令のポイント】

1 本件団交において、Y社は、パイプ事業部は続ける、雇用は守ると回答するだけでなく、事業契約についての説明会を行うとともに、事業計画についての書面も組合に提出し説明する等、OEM先との交渉中であることを踏まえ、本件団交当時にできる範囲の具体的な説明をしており、加えて、パイプ事業部の経営状況も可能な限り説明していたのであるから、こうしたY社の対応は、不誠実なものとはいえない。

2 Y社は、4月18日の団交において、パイプ事業部は続けていく旨回答しているが、5月9日の団交において、パイプ事業部の事業計画がはっきり決まっていない、パイプ事業部を存続させるために努力している、雇用を守べく努力している等と回答していることからすると、4月18日のパイプ事業部は続けていく旨の会社の回答は、パイプ事業部を存続させるために努力することを明言したものとみるのが相当である。

3 Y社はOEM先と交渉中であり、それが確定しないとパイプ事業部の具体的な事業計画を立てられる状況になく、組合員の労働条件や処遇への影響も不確定で十分に説明できるような状況にはなかったと認められる。このような状況の下で、パイプ事業部の存続と赤字脱却のための将来展望について、会社が本件団交でした以上の説明を求められるとすることはできないから、会社の対応が不誠実とはいえず、組合の主張は採用できない。

会社とすると「できる限り」の説明をすることが求められます。

ときに、組合から回答困難な質問が投げかけられることもありますが、会社として、回答できないと判断した場合には、その理由を説明しなければなりません。

説明に合理性が認められる場合には不当労働行為にはあたりません。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介578 最強の時間(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ブライアン・トレーシーが教える 最強の時間

ブライアン・トレーシーさんの本です。

一昨日、「最強の営業」という本を紹介しましたが、今回はタイムマネジメントに関する本です。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人は習慣で行動する生き物だ。・・・効率の悪い人は、誤って悪い習慣を身につけてしまった人たちだ。そのせいで、彼らは悪い行動習慣に生活を支配されている。会社に着くと、時間の無駄でしかない何の価値もないことにとりかかる習慣が身についてしまっている人は多い。オフィスに入ったとたん、同僚を見つけておしゃべりする、新聞を読む、メールをチェックする、コーヒーを淹れる、といったことを行う。そういう人はたいてい、そのままダラダラと1日を過ごす。・・・残念ながら今日では、会社で働く人のほとんどに、組織や自身のキャリアアップにとって無意味なことに多くの時間を無駄にする習慣が身についている。あなたはそうなってはいけない。」(79頁)

オフタイムの時間の過ごし方については、個々の習慣が強く反映されますね。

もっとも、みんながみんな、成功したい、天下をとりたいと願っているわけではないので、オフに何をしようとそれは完全に自由です。

与えられている時間はすべて自分のスキルアップに使いたいと願う人ばかりではないからね。

反面、成功することを決意している人にとって、休日な平日の早朝等の時間をいかに使うかは重大な関心事です。

時間の流れの早さを嫌という程見せつけられ、その中で時間は無限でないことを学ぶのでしょう。

日々の10分を無駄に過ごすか、力をつけるための準備にあてるのか。

その習慣をつくれるかどうかで結果は大きく変わってきます。

有期労働契約67(ラボ国際交流センター事件)

おはようございます。

今日は、Y社に労働契約法の潜脱の意図を有していたとは認められず、雇止めが有効とされた裁判例を見てみましょう。

ラボ国際交流センター事件(東京地裁平成28年2月19日・労経速2278号18頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の有期雇用職員であったXが、平成26年3月31日をもってY社に雇止めされたところ、Xは、Y社に対し、同雇止めの無効を主張して、地位確認、賃金請求及び損害賠償請求をする事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 契約更新手続が極めて形式的なものであったとは認められず、かえって、毎期毎にXY社間で新たな労働条件での契約更新がなされてきたものと認められることから、期間の定めが形骸化していたとは認められない。また、Xは、「なぜこれだけやっているのにあなたは社員ではないの?」と質問されるとのことであるから、「社会通念上」Y社の正社員と同視できる状況にあったとも認められない。よって、XY社間の雇用契約が、同条1号における期間の定めのない労働契約と社会通念上同視できるとは認められない。
もっとも、本件は「当該有期雇用契約が更新されることについて合理的な理由がある」(労働契約法19条2号)ものと認められる

2 Xは、担当業務の遂行能力には秀でたものがあったと思われるが、Y社の他の職員との協調性には問題が認められる。また、仕事を1人で抱え込む状態が長期間継続すると、何らかの問題がXの担当業務に発生したときに、Y社全体として責任をもって適切に対処することが困難となる弊害がある。そして、Y社の事業運営上の問題点に鑑みれば、Y社の事業運営上もXによる専任体制を維持することが困難となっていたことは明らかであり、Y社において、XY社間の雇用契約の見直しを迫られたことにはやむを得ない事情があったというべきである

3 なお、本件は労働契約法19条2号の事案であり、同条1号における「期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できる」ものでもないのであるから、解雇(同法16条)における判断と同程度の厳格な判断を求められるわけではない

4 なお、Xは、本件雇止めは、労働契約法18条・19条を潜脱する意図で実施されたと主張し、これに沿う証拠として、C氏のメールを提出する。同メールには、「新労働契約法の施行が今年4月1日。1年間雇用し、1回更新すると、労働者に、無期雇用の期待が生まれるため、本来は、来年3月で雇止めをするのが、組織運営上は望ましい。」、「こうした確約をとらずに、2015年3月末を迎え、その時になって、私には無期雇用の権利があると主張されるとかなりやっかいなことになるので」との記載がある。
・・・C氏のメールは、C氏の個人的意見の域を超えず、Y社組織全体としての意見とは認められない。
・・・そうすると、Y社が労働契約法の潜脱の意図を有していたとは認められず、Xの当該主張は採用できない。

2号事案です。

多くの場合、この2号事案ですが、上記判例のポイント3は、使用者側・労働者側ともに理解した上で主張立証をすることが求められます。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。