有期労働契約58(中外臨床研究センター事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は、有期労働契約の更新拒絶が有効された裁判例を見てみましょう。

中外臨床研究センター事件(東京地裁平成27年9月11日・労経速2256号25頁)

【事案の概要】

Xは、Y社に対し、有期労働契約の更新拒絶が権利の濫用に当たるとして、労働契約上の権利を有する地位の確認を求めるとともに、前記労働契約に基づき、未払賃金及び賞与合計864万円、平成24年1月から毎月25日限り賃金月額27万円及び遅延損害金、平成24年から毎年6月末日及び12月末日限り賞与54万円及び遅延損害金の支払を求めている。

【裁判所の判断】

本件訴えのうち、本判決確定の日の翌日以降の金員の支払を求める部分に係る訴えを却下する。

その余の請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 本件労働契約は、1回更新され、その期間は通算して3年10か月である一方、LDM業務とは、・・・何らの訓練も要さずにY社に入社して即時に処理可能なものとは認められないものの、なお中外製薬からの出向社員が担当する薬剤の臨床開発と比較すると、なお周辺的、定型的な性質を有する業務であると認められる
そうすると、本件労働契約が、その契約期間の満了時に本件労働契約を更新しないことにより本件労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより、当該労働契約を終了させることと社会通念上同視できる事情があるとは認められない。もっとも、Xにおいて本件労働契約の契約期間の満了時に本件労働契約が更新されるものと期待することには合理性があるものと認められるが、前記のとおりの本件労働契約の更新の回数及びXの業務の内容に照らせば、前記合理性を高いものと評価することはできない

2 ・・・Xには、Y社における業務の中で、自らの注意不足、周囲とのコミュニケーションに対する拒否的反応が散見され、これに起因する多数の過誤が発生していたものと認められる。
そして、これらの過誤は、個々に検討する限りでは、Xが主張するとおり、軽微なものと評価すべき事実も散見されるものの、これらが繰り返された回数、頻度及び平成18年3月から平成21年12月までの間、特段の改善傾向が見受けられないことに照らせば、Xの業務態様は芳しいものとは認め難いのであって、これに反するXの主張は理由がない。

3 以上の検討によれば、本件更新拒絶には、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められない事情はないというべきである。

有期雇用契約の雇止めの有効性を判断する場合、上記判例のポイント1で示されているとおり、業務の性質を検討する必要があります。

通常の解雇の場合とは少し異なる視点が加わるので、その点を忘れないようにしましょう。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介501 年収の伸びしろは、休日の過ごし方で決まる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は本の紹介です。
年収の伸びしろは、休日の過ごし方で決まる ズバ抜けて稼ぐ力をつける戦略的オフタイムのコツ34

タイトルがそのまま結論ですね。

帯には、「日曜日こそ早起きする」「趣味にコーチをつける」「枕と私服に投資する」と具体例が書かれています。

上の例を見る限り、異論がある方もいると思いますが、いずれにせよいかに休日を過ごすかで他の人との差が付くこと自体は間違いないでしょう。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

オフタイムとオンタイムは表裏一体です。できる人、稼いでいる人は、オフタイムを完全なる機能停止状態の”ダウンタイム”にしません。ただ漠然と時間をやり過ごし、弛緩するだけのオフにしない。それは、そこから得られる経験値と情報の重要さを知っているからです。ならば漠然と楽しむだけ、頭と体を緩めるだけのオフから、『自己鍛錬』というプラスアルファを意識したオフへと切り替える。」(204頁)

こういう考え方、大好きです。

休日を「自己鍛錬」の時間に使うという発想、私は大賛成です。

休日こそ、日頃は忙しくてなかなかできない分野について自己鍛錬をするのです。

ジムに行って体を鍛えるのもいいでしょうし、全く違う分野の勉強をするのもいいでしょう。

とにかく1日中ぐーたらして、気づいたら夜になっていたという時間の使い方は避けたいわけです(たまにしたくなるときはありますが)。

そんなことをしている時間はないのです。

人生は思っているほど長くないのです。

不当労働行為127(ブリタニカ・ジャパン事件)

おはようございます。

今日は、申立外会社を解雇された組合員の解雇撤回等を議題とする団交に会社が応じなかったことが不当労働行為にあたらないとされた命令を見てみましょう。

ブリタニカ・ジャパン事件(中労委平成27年6月3日・労判1119号94頁)

【事案の概要】

本件は、申立外会社を解雇された組合員Aらの解雇撤回等を議題とする団交に会社が応じなかったことが不当労働行為に該当するかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にはあたらない。

【命令のポイント】

1 Y社らは、事業目的や事業内容、代表取締役、本店所在地等を異にし、それぞれ別個独立に事業を行っていた別法人であり、直接の資本関係や取引関係はなかった上、従業員の採用・解雇や労働条件の決定、従業員に対する指揮命令等もそれぞれ独自に行っていたものであり、Y社が、N社の事業運営に関与していた事実も認められない
そうすると、組合が指摘する事実を考慮しても、Y社らが、実質的に同一性のある企業であると認めることはできない

2 団体交渉においてその解雇が主な議題となっていたA1組合員が従事していた英会話教室事業は、Y社に承継されておらず、Y社らの間で、N社とその従業員との間の契約関係を全体としてY社が承継する旨の合意もなされていないことなどからすれば、Y社とN社との間で、会社分割等救済命令を受けるべき地位を含めた法律関係を承継する効果をもつ合意あるいは手続がなされていないことは明らかである。

労組法上の使用者性が否定された事例です。

上記命令のポイント1のような事情を考えれば当然の結果です。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介500 ストックビジネスの教科書(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ストックビジネスの教科書

「ストックビジネス」、「フロービジネス」という言葉が登場します。

ビジネスのストック化を図りましょうというお話です。

リース事務機、携帯電話、スポーツクラブ、機械警備などなど。

ストックビジネスの例を挙げだしたらきりがありません。

ビジネスをフローからストックへ転換することが大切だと著者は言います。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私には、ずいぶん前から習慣にしていることがあります。それは、電車に乗ったときに、必ず社内広告に目を通すことです。それも、漫然と目を通すわけではありません。広告のほとんどは、何らかのビジネスが絡んでいます。そのビジネスに『ストック性』があるかどうかを意識的にみるようにしているのです。」(68頁)

こういう意識を日頃から持つか持たないかで結果が大きく変わるというわかりやすい例ですね。

セミナーを受けるにしても同じことが言えるのではないでしょうか。

ある人は、会社からの指示でやむなく参加し、ある人は1つでもいいから現場に取り入れられるものはないかという意気込みで参加する。

セミナーに参加すること自体は同じでも、その効果が大きく異なるのは当然のことです。

結局は、意識・やる気の問題です。

意識・やる気の有無により必然的に差はどんどんどんどん広がっていくわけです。

有期労働契約57(日本レストランエンタプライズ事件)

おはようございます。

今日は、職種限定の有期契約労働者に対する雇止めに関する裁判例を見てみましょう。

日本レストランエンタプライズ事件(東京高裁平成27年6月24日・労経速2255号24頁)

【事案の概要】

本件は、Y社から雇止めされたXが、同雇止めが無効であると主張して、Y社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認と、雇止め後の賃金及び遅延損害金の支払を求める事案である。

原審は、Xの請求を棄却したので、Xが控訴した。

【裁判所の判断】

控訴棄却

【判例のポイント】

1 Xは、就業規則上勤務箇所や職場の変更が可能とされていたと主張する。
しかし、XとY社の雇用契約上は、職種は本件配送業務に限定されていたことは争いがないのであるから、Y社に、Xの職種を変更して雇用を継続するよう配慮する義務があるとはいえない

2 Xは、肩腱板断裂は労働災害であり、雇止めの可否については慎重に検討すべきであると主張するが、Xにおいて労働契約で限定された職務の遂行が困難である上、当直業務は独立の配置換えの対象となるような業務とはいえないなど、本件における事情を総合すると、労働基準法19条1項の解雇制限の趣旨が本件のような場合にまで及ぶとはいえない

(原審での判断)

3 XとY社との雇用契約に基づき、月に20日以上、1日平均7時間以上勤務していたのであり、勤務形態は臨時的なものでなかったと認められる。そして、XとY社の間では、本件配送業務を目的とする雇用契約が約5年6か月にわたり多数回更新されてきたことからすれば、Xには契約更新の合理的期待(労働契約法19条2号)が認められる
ただ、雇用期間の定めが明示された契約書が更新の度に作成されていたのであり、XとY社の雇用契約が期間の定めのない契約と同視できる状態(労働契約法19条1号)に至ったとまでは認められない

4 Xは、本件雇止めの時点で、本件配送業務に従事できる状態ではなかったと認められる。Xは、Y社との間の雇用契約においてXが従事すべき業務として定められた本件配送業務に就くことができない状態であったので、Y社が契約を更新しなかったことについて合理性・相当性が認められる

労災発生時に雇止めをすることには躊躇する場合もあろうかと思います。

当然のことながら、ケースバイケースで判断していかなければなりませんが、仮に雇止めをする場合には、上記判例のポイント2を参考にしてください。

日頃から顧問弁護士に相談しながら適切に労務管理を行うことが大切です。

本の紹介499 成功するために必要なシンプルな話をしよう(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう (知的生きかた文庫)

本多静六(1866-1952)さんは、東大教授にして大富豪の方です。

今も昔も成功するために必要とされていることに違いがないことがよくわかります。

著者は、その方法を実践し続けた結果、社会的にも経済的にも成功したわけです。

とても読みやすく、本当に参考になります。

いつも言いますが、あとはやるかやらないかだけです。

おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

私は以上のような体験から、どんな仕事でも努力を続けさえすれば、はじめは多少苦しくても、ついには道楽になる、そしてその道楽の面白さは努力の量に比例し、努力の大なるものほど愉快の大なることを自覚した。その結果、なんでも人の嫌がる仕事、人の困難とする仕事をやるようになった。・・・このように私は今日までの生活は職務だか道楽だかわからない。」(51~52頁)

著者は、「人生の最大幸福はその職業の道楽化にある」(42頁)と言います。

そして、「職業を道楽化する方法はただ一つ努力(べんきょう)にある。」(43頁)と。

仕事を道楽と考えるのには程遠い状況ですが、著者が言わんとしていることはよくわかります。

どんな仕事でも一定の年数、努力を続けなければ本当の意味での仕事の価値、おもしろさはわかりません。

最初は大変ですよね。その仕事に慣れないわけですから当然のことです。

でも、努力を続けることにより、次第に仕事がわかってきますから、大変な中にもおもしろさを感じることができるのです。

怠らず、努力を続けることこそが、仕事を楽しくする方法なのだと思います。

不当労働行為126(丙川商店事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

今日は、専属下請運転手である組合員の定期健康診断を議題とする団交に応じなかったことが不当労働行為にあたらないとされた命令を見てみましょう。

丙川商店事件(大阪府労委平成27年6月26日・労判1119号92頁)

【事案の概要】

本件は、X組合がY社に対し、組合員の健康診断を議題とする団交を申し入れたところ、Y社が団交応諾義務がないと考え団交に応じないとしたことが不当労働行為に該当するかが争われた事案である。

【労働委員会の判断】

不当労働行為にはあたらない。

【命令のポイント】

1 専属下請運転手は、契約上は会社の管理下にあり、会社から割り振られた業務を孫請けに出すことはできないとされていることが認められる。しかしながら、実際には、専属下請運転手の中に親族等の仕事を行う者や株式会社が認められるのであって、毎日業務を行う者もいれば、2、3日に1回程度業務を行う者もいて、年間総報酬額については約330万円から約970万円まで幅のあるとおり、専属下請運転手は、いつどの程度働くか働き方について自らの意思により決定することができるといえるのであって、また、使用するトラックのリース料等経費を負担し、報酬から社会保険料等の控除はなされておらず、自らが確定申告を行っているのであるから、専属下請運転手には、恒常的に自己の才覚で利得する機会を有し、自らリスクを引き受けて事業を行う者としての一定の事業者性があるといえる。

2 ・・・以上を総合勘案すると、専属下請運転手であるA組合員は、会社との関係において、労働組合法上の「労働者」に当たるとまでいうことはできない

専属下請運転手の労組法上の労働者性が否定されています。

裁判所がどのように判断するか注目されます。

組合との団体交渉や組合員に対する処分等については、まずは事前に顧問弁護士から労組法のルールについてレクチャーを受けることが大切です。決して素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介498 ラストホープ 福島孝徳(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

今日は本の紹介です。
ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医

私が陰ながら尊敬している脳神経外科医の福島先生の本です。

福島先生の仕事に対する情熱が本当に素晴らしいです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

時代遅れかもしれない表現ですが、『月月火水水木金金、一週間に八日働け』と言いたいのです。私はそうしてきましたし、その中でたくさんのことを学び、多くの人との出会いからも勉強をすることができました。」(206頁)

医療に携わるあらゆる人たちへ 
お金のために働くな。人のため、世のために働きなさい。挫折はあるだろうけれど顔で笑って心で泣いて。仕事は楽しく、患者さんには喜びと幸せを。持てるすべての力を患者さんのために生かしなさい」(242頁)

福島先生に限りませんが、多くの一流のドクターは、とてつもないハードワーカーです。

自分の能力を引き上げるためには、場数が絶対的に必要なことを知っているからです。

いろいろなことを犠牲にしていることは容易に想像できますが、多くの一流は、仕事と私生活が明らかにアンバランスです。

何の犠牲も払わずに自分に力をつけることなどできないことを知っているのです。

自分に力をつけなければ、誰かを助けることなどできないことを知っているのです。

解雇189(弁護士法人レアール法律事務所事件)

おはようございます。

今日は、能力不足等を理由とする解雇の有効性と地位確認等請求に関する裁判例を見てみましょう。

弁護士法人レアール法律事務所事件(東京地裁平成27年1月13日・労判1119号84頁)

【事案の概要】

本件は、Y社に雇用されていたところ解雇されたXが、Y社に対し、次のとおりの請求をする事案である。
①解雇が無効であると主張して地位の確認。
②上記①と同じ主張に基づき解雇後の賃金の支払。
③上記①と同じ主張に基づき解雇後の賞与の支払。
④違法解雇に基づく慰謝料及び弁護士費用の支払。
⑤割増賃金及び付加金の支払。
⑥上司からパワーハラスメントを受けたとして慰謝料及び弁護士費用の支払。

【裁判所の判断】

1 XのY社に対する賃金請求及び賞与請求に係る訴えのうち、本判決確定日の翌日以降の支払を求める部分を却下する。

2 Y社は、Xに対し、40万6500円及び遅延損害金を支払え。

 Y社は、Xに対し、平成25年9月から平成26年9月まで、毎月25日限り各27万1000円及び遅延損害金を支払え。

 Y社は、Xに対し、8万1300円及び遅延損害金を支払え。

 Y社は、Xに対し、54万2000円及び遅延損害金を支払え。

 Y社は、Xに対し、69万5846円及び遅延損害金を支払え。

7 Y社は、Xに対し、付加金69万5846円及び遅延損害金を支払え。

 Y社は、Xに対し、22万円及び遅延損害金を支払え。

【判例のポイント】

1 Y社と業者が和解書を取り交わす際に、担当弁護士の決裁を経ることが定められていないY社の事務処理体制が不適切であったというべきであり、適切な事務処理体制を定めずにXに和解の処理を任せていたY社がXを責めることはできない
・・・Xは、当該依頼者についての他の業者の過払金779円については、依頼者から了解をとった上で債権債務なしの和解をしており、通常は依頼者の意思を確認していたと認められるし、過払金が293円に過ぎないならば放棄するのが依頼者の合理的意思であり、依頼者からのクレームがあったわけでもなく、Xが当該案件で依頼者の意思を確認していなかったことをもって、能力不足を基礎付ける事情ということはできない。
・・・問題とされている案件において、履歴開示がされた平成24年5月には、同年9月24日に消滅時効の期間が経過することが判明していたのであって、担当弁護士が時効を管理する体制が整えられていなかったことが問題というべきである。当該案件を同年8月頃に引き継いだXに、時効期間が経過したことについて、大きな責任は認められない

2 以上のとおり、Y社の主張する解雇事由は、ミスといえないものか、重大とはいえないミスであって、Xは就業規則48条2号の「従業員の就業状況または職務能力が著しく不良で、就業に適さないと認められる場合」にも同条4号の「前号のほか、やむを得ない事由がある場合」にも当たらない。したがって、本件解雇は無効である。

3 Bが、弁護士費用の一部を精算していなかったXに対し、他の職員の前で「これこそ横領だよ」と言ったとするX供述は、Xが当日交際相手に送ったメールの記載に裏付けられており、信用できる。Xを犯罪者呼ばわりしたことは、不法行為に当たる
Bが、Xの接客態度について、「気持ち悪い接客をしているからこういう気持ち悪いお客さんにつきまとわれるんだよ。Xさんはこういう気持ち悪い男が好きなのか」と言ったとするX供述は、Xが当日交際相手に送ったメールの記載に裏付けられており、信用できる。Bのこの言動は、原告に対する侮辱であって、不法行為に当たる
上記のとおり認定したBのXに対する不法行為の態様からすれば、Xに対する慰謝料は20万円、弁護士費用は2万円を相当額と認める。

事務所の事務処理体制の不適切さを数点指摘されています。

能力不足を理由とする解雇は、その裏付けとなる資料をどれだけ揃えられるかにかかっています。

拙速な解雇は避けた方が無難ですね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介497 引き算する勇気(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばりましょう。

今日は本の紹介です。
引き算する勇気 ―会社を強くする逆転発想

帯には、「シンプルは、パワフル!」と書かれています。

いろんなものやサービスを「足す」のではなく「引く」ことが求められているという内容です。

他とのわかりやすい差別化は、足すことではなく、引くことによってこそ行えるものです。

あとは、それをやる「勇気」があるか、だけですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

『みんなの声に応えよう』とすると、次々と『足し算』が進み、商品が増殖していく。その結果、品ぞろえには特徴がなくなり、在庫も膨らんでいく。顧客はどの商品を選んでいいのか分からなくなる。足し算によって、顧客の要望に応えてきたつもりが、逆に、顧客が離れてしまうという現象がおこる。すべての人々に好かれる企業は存在しない。すべての人を対象にしようとすると、誰からも受け入れられなくなる。『軸のない』顧客第一主義は危険だ。」(55頁)

看板に「そば」と書かれているお店と「そば・うどん・らーめん」と書かれているお店、どっちのお店に入りたいですか?

足せば足すほど特徴がなくなっていきます。

多くの場合、足すことは引くことよりも楽なのです。

引くというのは、とても勇気がいることです。

やろうと思ったらできるけれど、あえてやらないという判断ができるか。

自分が戦う場所を徒に広げすぎないということです。

勝てる場所で戦うということなのです。

一人で多くのことをやれるほど人生は長くありません。

すべてが中途半端に終わるくらいなら、狭くてもそこで1番を目指した方がいいです。