解雇143(F1社ほか事件)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。

さて、今日は、会社解散に伴う解雇に関する裁判例を見ていきましょう。

F1社ほか事件(静岡地裁沼津支部平成25年9月25日・労経速2204号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y1社の従業員であったXらが、平成22年2月9日にY1社から会社解散を理由として同日をもって解雇する旨の意思表示を受けたことから、Xらが、前記解雇は解雇権濫用により無効であるなどと主張して、Y1社、Y2社などに対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、Y1社らに対し、同年3月1日以降の賃金又は不法行為に基づく賃金相当額の損害賠償金の支払いを求め、さらに、違法な前記解雇によりXらが精神的苦痛を被ったなどと主張して、Y社らに対し、不法行為に基づく損害賠償金360万円及びこれに対する遅延損害金の支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効なところ(労働契約法16条)、会社が解散した場合、会社を清算する必要があり、もはやその従業員の雇用を継続する基盤が存在しなくなるから、その従業員を解雇する必要性が認められ、会社解散に伴う解雇は、客観的に合理的な理由を有するものとして、原則として有効であるというべきである。しかし、会社が従業員を解雇するに当たっての手続的配慮を著しく欠き、会社が解散したことや解散に致った経緯等を考慮してもなお解雇することが著しく不合理であり、社会通念上相当として是認できない場合には、その解雇の意思表示は、解雇権を濫用したものとして無効となるというべきである。

2 本件解散やそれに伴う解雇予定等について事前に説明がないまま本件解雇に至ったことについては手続的配慮を欠く面があったことは否定できないが、従前の賃金改定がなされなければ存続できなくなる厳しい経営状況にあること等について説明がされていたこと、本件解雇後ではあるものの、元従業員の再就職に関する措置を講じており、これ以上の再就職に関する措置をなし得たと認められないことに加え、タクシー需要が減少している状況やY1社の経営状況から早期の解散という選択が不合理であるとはいえないことを合わせて考慮すれば、Y1社が従業員を解雇するに当たっての手続的配慮を著しく欠いているとまではいえない
以上によれば、本件解散に伴う本件解雇は、客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当であると認められるから、無効とはいえない。

上記判例のポイント1が解散に伴う解雇(整理解雇)の規範です。

通常の整理解雇の4要素よりもさらに厳しいですね。

解散する以上、原則として解雇はしなければならないというところからくるものです。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介332 自信は「この瞬間」に生まれる(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

以前もブログで紹介をしました「エリートの条件」の著者である柳沢先生の本です。

何かを成し遂げようとするとき、できるという揺るぎない自信です。

自信はどのようにしてつくられるのかがこの本には書かれています。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

人生で一番大切なのは、『後悔しないこと』。結局、それが心地よく人生を送る秘訣なのだと思います。ですから、『成功』とは『後悔しないこと』と言えるのではないでしょうか。人生を後悔しない唯一の方法は、『あれ以上はできなかった』と思えるまでやること。『これ以上は無理!』というギリギリの限界点までやり尽くす。そうすれば、『あそこまでやってダメなら、自分には向いていなかったんだな』とスッキリあきらめがつきます。」(91頁)

こういう経験を一度でもしている人は、強いですよね。

私たち弁護士は司法試験を受験し、合格しています。

ほとんどの合格者は、「これで受からなければあきらめよう」というところまで勉強をし、合格しています。

自分で目標を設定し、その目標を達成する。

簡単ではない目標のほうがいいです。

その目標に向かって、「死ぬ気で準備する」。

決してあきらめず、目標達成という成功体験をする。

自信は、結果からしか生まれない。

労働時間36(レガシィほか事件)

おはようございます。

さて、今日は、税理士資格を有さず、税理士名簿への登録も受けていなかった者の業務は専門業務型裁量労働制の「税理士の業務」とはいえないとされた裁判例を見てみましょう。

レガシィほか事件(東京高裁平成26年2月27日・労経速2206号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社ら双方に雇用されていたXが、Y社らに対し、時間外労働についての割増賃金の未払があるなどとして、割増賃金、遅延損害金、付加金等を求めた事案である。

Y社らは、Xには裁量労働制が適用されるなどと主張して争った。

なお、一審は、裁量労働制の適用を否定し、Y社らに対し、約200万円の割増賃金の支払+20万円の付加金の支払いを命じた。

【裁判所の判断】

遅延損害金について、14.6%(賃確法6条1項)を商事法定利率の6%に変更した。

付加金の支払を命じた一審の判断を変更し、付加金の支払いは命じなかった。

その余は控訴棄却

【判例のポイント】

1 賃確法6条2項は、賃金の支払遅滞が「天災地変その他のやむを得ない事由で厚生労働省令で定めるものによるものである場合」に同条1項を適用しないとしていて、これを受けた賃確法施行規則6条は、厚生労働省令で定める遅延利息に係るやむを得ない事由として、天災地変(1号)、事業主が破産手続開始の決定を受け、又は賃金の支払の確保等に関する法律施行令2条第1項各号に掲げる事由のいずれかに該当することとなったこと(2号)、法令の制約により賃金の支払に充てるべき資金の確保が困難であること(3号)、支払が遅滞している賃金の全部又は一部の存否に係る事項に関し、合理的な理由により、裁判所又は労働委員会で争っていること(4号)、その他前各号に掲げる事由に準ずる事由(5号)を規定している。本件では、Xの時間外労働の割増賃金支払の前提問題として、専門業務型裁量労働制がXに適用されるか否かが争点の一つとなっていて、その対象業務の解釈が争われているところ、この点に関する当事者双方の主張内容や事実関係に照らせば、Y社らがXの割増賃金の支払義務を争うことには合理的な理由がないとはいえないというべきである。したがって、Xの未払割増賃金に対する遅延損害金については、商事法定利率によるべきこととなる。

2 本件に顕れた一切の事情、特に、賃確法6条1項及び同法施行令1条による年14.6%の割合による遅延損害金の支払い請求の当否について判断したところを考慮すると、本件においては、Y社らに対し、労働基準法114条所定の付加金の支払いを命じるのは相当ではない。

一審判決については、こちらを参考にしてください。

上記判例のポイント1は非常に重要です。

使用者側としては、是非、この裁判例を参考にして争ってみてください。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介331 トリガー・フレーズ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

トリガー・フレーズ―自分にスイッチを入れる170の言葉 (日経ビジネス人文庫)

レバレッジシリーズで有名な本田さんの本です。

これまでのご自身の本の中から「自分にスイッチを入れる」170のフレーズをピックアップしたものです。

まとめ本ですね。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

本を読まないで仕事をするビジネスパーソンは、練習をしないで試合に臨むスポーツ選手のようなもの。試合に勝ちたいなら、練習しないわけにはいきません。」(137)

本を読めば、そこに近道を行く方法が書いてあるというのに、本を開く時間を惜しんで、わざわざ遠回りをしている」(144)

まったくそのとおりだと思います。

私は、見ての通り、本を読むのがとても好きです。

読書は、いわば「仕入れ」ですよね。

「本を読む時間がない」とよく言いますが、これは正確には「本を読む気がない」という意味です。

トイレに入る時間があるのなら、イコール本を読む時間はあります。

電車で通勤する時間があるのなら、イコール本を読む時間はあります。

結局のところ、自分で「本を読まない」という選択をしているだけです。

「In the end, we are choices.」

これは、アマゾンのジェフ・べゾスの言葉です。

つまるところ、我々はこれまでの選択の総体であると。

日々の正しい選択の結果が今の自分を作り出しているわけです。

10年後、どんな自分になっていたいか。

それを考えれば、日々、どのような選択をすべきかが見えてきますね。

解雇142(東京都教育委員会事件)

おはようございます。

さて、今日は、校長に対する傷害行為を理由とする懲戒免職処分の取消に関する裁判例を見てみましょう。

東京都教育委員会事件(東京地裁平成26年2月26日・労経速2206号20頁)

【事案の概要】

本件は、東京都立甲高等学校の主幹教諭であったXが、平成22年8月27日、甲高校の校舎内で、同校校長との間でトラブルを起こし、同校校長に対する傷害行為に及んだところ、そのことを理由に、東京都教育委員会から平成23年1月20日付けで地方公務員法29条1項1号及び3号に基づく懲戒免職処分を受けたことから、本件処分の違法性を主張して、その取消しを求める事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 本件事件におけるXの傷害行為が、その性質・内容に照らして、地公法33条において禁止の対象とされる当該職の信用を傷つけ、職員の職全体の不名誉となる行為に該当し、したがって地公法29条1項1号所定の地公法違反に該当するほか、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行として同項3号に該当することは明らかである。

2 ところで、地方公務員につき、地公法所定の懲戒事由がある場合に、懲戒処分を行うかどうか、懲戒処分を行うときにいかなる処分を選ぶかは、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の上記行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を総合考慮した上で判断されるものであり、その判断は、懲戒権者の裁量に任されているものと解される。したがって、当該懲戒処分については、上記裁量権の行使として社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用したと認められる場合に限り、違法であると判断すべきである(最判昭和52年12月20日)。

3 そこで、本件処分における裁量権の逸脱・濫用の有無を検討するに、本件事件におけるXの非違行為は、現職の教育公務員として、暴力の否定を含む社会の基本的、常識的な価値観について生徒に教育し、その模範となるべき立場にあったXが、教育現場である勤務先の公立学校内において、上司である校長に対して暴行を加え、傷害を負わせたというものであり、その態様も、2時間程度の間に、手拳による顔面殴打、パイプいすによる頭部等の殴打及び首絞めといった粗暴かつ危険な行為を執拗に繰り返したもので、傷害結果も、・・・加療約2か月間という比較的程度の重いものであるところ、D校長が、Xに対し、自らの生命身体を守り、学校内秩序を維持するために許容される限度を超えた違法な有形力の行使に及んだ事実はない。また、その経緯、動機をみるに、理科の実習助手の処遇をめぐる対応や勤務評価、本件申請書に係る対応等について蓄積していたD校長及びE副校長に対する不満を背景に、両名に対して一方的に因縁を付け、挑発的な言動に及んだ末になされた暴行であり、その際、D校長及びE副校長が、Xの暴行を誘発する言動を行ったとの事実は認められず、上記暴行に対する責任の一端がD校長にある旨のXの主張が失当であることは明らかである。
・・・これらの事情によれば、Xが、本件処分以前の約20年10か月間、東京都公立学校の教員として勤務を継続してきたこと、本件処分以外に懲戒処分歴がないこと、Xの処分軽減を求める多数の署名がなされた嘆願書が都人委に提出されていることなどを勘案しても、Xの傷害行為の悪質性、重大性に照らして、Xを免職とする判断が重きに失するとはいい難く、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用した違法があるものと認めることはできない。

公務員に対する懲戒処分については、本裁判例のように、裁量権の逸脱・濫用があったかどうかが判断されます。

行政事件でよく見かける判断基準です。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介330 1分間顧客サービス(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間お疲れ様でした。
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←先日、新しくメンバーとなったスタッフの歓迎会を「焼肉・ホルモン 六番町」で行いました。

分厚いタン中を塩とレモンでいただきました。

よくある薄いタン塩とは別次元のうまさでした。

おみごとでした。

今日は、午前中は、債権回収の裁判が1件、裁判の打合せが1件入っています。

午後は、建物明渡しの裁判が1件、顧問先会社でのセミナーが1件入っています。

今回のセミナーのテーマは、「ケーススタディで学ぶ派遣会社が押さえておきたい最新労務事情」です。

日頃疑問に思うようなテーマについてケーススタディで勉強していきます。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣

ケン・ブランチャードの「1分間」シリーズです。

今から20年近く前の本です。

「熱狂的ファンをつくる3つの秘訣」というサブタイトルからもわかるとおり、顧客を熱狂的なファンにするための秘訣が書かれています。

このシリーズは、とてもわかりやすくていいですね。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

一つか二つのことに成功すれば、総合的なビジョンをつくりあげることができる。だが、一度に多くのことを変えるのは、不可能ではないにしても、難しい」(120頁)

初めは、効果をあげようと思う分野をかぎることだ。第一に、それで一貫性が保てる。第二に、顧客サービスが最終的に目指すものすべてを一度に導入するよりも、一つの極上の仕事をしようとするほうがずっとうまくいく。一度にすべてのことはできない。そういうやり方は無理なんだ」(119頁)

現状を変えようと思ったとき、あれもこれもいたるところを変えたくなるものです。

でも、それを同時進行で一気にやろうとしても、たいていはうまくいきません。

すべてが中途半端に終わるのがオチです。

物事を変えるにも、やり方や順序があります。

1つずつ変えていく。

変えやすいところから着手する。

変えた部分を定着させる。 定着するまで継続する。

これをひたすら繰り返す。

以上。

賃金78(東名運輸事件)

おはようございます。

さて、今日はテレビ局の下ロケバス運転手による割増賃金等請求に関する裁判例を見てみましょう。

東名運輸事件(東京地裁平成25年10月1日・労判1087号56頁)

【事案の概要】

本件は、Y社で稼働していたXが、平成20年6月から22年12月にかけての時間外労働等に対する割増賃金および付加金の各支払いと遅延損害金を求めた事案である。

【裁判所の判断】

Y社はXに対し、583万7256円を支払え。

Y社はXに対し、400万円の付加金を支払え。

【判例のポイント】

1 Y社は、ロケバス業務に従事する従業員に関し、運行協定書が規定する事項については運行協定書が優先し、就業規則の適用が排除される旨を主張するから、運行協定書が就業規則の一部変更として有効であるか否かが問題となる。
就業規則の変更によって労働条件を変更するには、当該変更が合理的であり、かつ周知されている必要があるところ(労働契約法10条参照)、運行協定書は、その規定に特段不合理な点は認められないが、本件全証拠を総合しても、運行協定書の内容が事業場の労働者の知り得る状態におかれていたことを認めるに足りる的確な証拠はない。したがって、運行協定書は、就業規則一般に必要な周知性を満たしているとはいえないから、その余の点について判断するまでもなく、XとY社との間の労働契約の内容と認めることはできず、単なる業務心得又は運用指針に止まるものというべきである

2 使用者には、労働者の労働時間を適正に把握する義務が課されていると解されること、Y社は、業務毎に作成される運転日報によって労働時間を記録、管理していたことに鑑みれば、本件においては、記載内容が不合理なものでない限り、運転日報に記載された時刻を基準に出勤の有無及び労働時間を推定することが相当である(ただし、この推定は事実上のものであるから、後述の運行表等、他により客観的かつ合理的な証拠が存在する場合には、当該証拠により出勤の有無及び労働時間を認定することが相当である。)。

3 本来の輸送業務の他に、天候、出演者の体調、撮影の進行具合、買出しの必要等のために、撮影中の待機時間に突発的に運転業務を依頼される場合があること、予定外の依頼であっても、Xとして対応可能であれば応じざるを得ないこと、Y社も、待機時間中の依頼も支障のない限り手伝うようにという指示をしていたこと、等の事実を認めることができる
上記事実に鑑みれば、Xは、撮影中の待機時間についても、原則として労働契約上の役務の提供が義務付けられていたというべきである。

4 住宅手当及び通勤手当は、請求期間を通じて一定の金額が支払われていること、Xの住宅又は通勤に要する実費と支給額との関連を認めるに足りる証拠がないことから、実質的に、住宅事情や通勤費用にかかわらず支給されているものとみるべきであり、除外賃金に当たるということはできない。

5 携帯電話料は、ロケバス業務における携帯電話の使用頻度が相当高いものと推認されること…等にかんがみれば、従業員の私物を業務に利用することに伴う実費を負担するため、一種の経費精算として支給されているものとみるのが相当である。したがって、携帯電話料を算定基礎賃金に算入することは相当ではない。

トラックやタクシーのドライバーをはじめとする各種運転手が残業代等の請求をする場合、手待ち時間の問題がよく登場します。

ほとんどのケースで、労基法上の労働時間に該当すると判断するのではないでしょうか。

会社として、どのような対策を講ずるべきか、是非、顧問弁護士に相談してみてください。

 

本の紹介329 UNThink(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

さて、今日は本の紹介です。

アンシンク UNThink 眠れる創造力を生かす、考えない働き方

タイトルは、「考えない」という意味ですね。 ブルース・リーを思い出します。

サブタイトルは、「Rediscover your creative genius」となっています。

日本語でのサブタイトルは、「眠れる想像力を生かす、考えない働き方」です。

著者は、グラフィティ・アーティストの方で、2012年にTEDで講演をしたそうです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

群衆に従う人間は、群衆より遠くに行くことはないだろう。ひとりで歩く人は、以前誰も行ったことのない場所に自分がいることに気づく可能性が高い・・・あなたの人生にはふたつの選択肢がある。本流に飲み込まれていくか、まったくそこを離れた存在になるかだ。独自な人間になるためには、あなたはほかの人と同じことをやっていてはいけない。人と異なる人間になるためには、あなた以外の誰もなりえない人物になる努力をしなくてはならない。」(238頁)

大勢の人が右の道を選ぶとき、あなたは左の道を選ぶことはできますか?

なかなか難しいですよね。

日頃から、物事の判断基準として「みんなはどうしているのか」という物差しを使っている人は、いざというときにも右の道を行くことになります。

でも、みんなが右に行くから、右が正しいかなんてわかりませんよね。

ただ、なんとなく、みんながそっちを選ぶなら、よくわからないからみんなが進むほうへ行っておけばいいでしょ、って感じじゃないでしょうか。

この場合、結果として、正しいかどうかはさておき、集団の中に埋もれてしまうことは明らかです。

「みんなはどうしているのか」ではなく、「とにかく自分で判断する」という習慣がある人は、周りの人がどう動こうと、自分が選んだ道を進むことができます。

解雇141(ロイズ・ジャパン事件)

おはようございます。

さて、今日は「やむを得ない業務上の都合」を理由とする解雇に関する裁判例を見てみましょう。

ロイズ・ジャパン事件(東京地裁平成25年9月11日・労判1087号63頁)

【事案の概要】

本件は、Y社の従業員であったXが、Y社による整理解雇は無効であるとともに、不法行為をも構成すると主張して、Y社に対し、地位確認ならびに解雇後の賃金および不法行為に基づく損害賠償金(慰謝料)の各支払いを求めた事案である。

【裁判所の判断】

整理解雇は無効

慰謝料請求は棄却

【判例のポイント】

1 本件解雇は、労働者の私傷病や非違行為など労働者の責めに帰すべき事由による解雇ではなく、使用者の経営上の理由による解雇であるから、その効力は、人員削減の必要性の有無及び程度、解雇回避努力の有無及び程度、被解雇者の選定の合理性の有無及び程度、解雇手続の相当性の有無及び程度等を総合考慮して、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められるか否かによって判断することが相当である(労働契約法16条)。

2 …本件解雇当時、Y社において人員削減をする必要性があったことを認めることができる。もっとも、…一件記録を精査検討しても、この350万ポンドの削減を単年度で実現しなければY社が倒産し又は高度の経営危機に瀕することを認めるに足りないから、人員削減の必要性の程度としては、Y社が主張するような極めて高度な必要性があったものと認めることはできない

3 Y社は、平成24年1月31日に同年3月末日で失われる5つの職務を特定して発表し、本件5職務に現に従事していた5名の従業員に対し退職勧奨を行ったものの、その余の15名の従業員に対しては希望退職募集を行っていないこと、本件解雇においてXが被解雇者として人選されたのは、本件5職務に現に従事していたことによることが認められるところ、希望退職募集を行わなかった15名が従事していた職務について、人員削減の対象として特定された上記5名では代替することができないものと認めるに足りる証拠はないし、人員削減を行わざるを得ない旨の告知を受けただけで割増退職金等の退職条件の提示がない段階で自主退職を名乗り出た者がいなかったとしても、直ちに希望退職募集を実施してもこれに応じる者がいなかったなどということはできないから、解雇回避措置として希望退職募集を行うことが客観的に期待できなかった事情は認められないし、たとえ削減対象とする職務として本件5職務を選定したことに客観的合理性があったとしても、本件5職務に現に従事していたことを基準として、Xを被解雇者として人選したことに合理性があるものとは認められない

人員削減の高度の必要性が認められない場合には、かわりに高度の解雇回避努力が求められることになります。

これが総合考慮というものです。

希望退職募集などのとりうる方法を整理解雇の前にとっておくことは非常に重要なことです。

結果ではなく、プロセスが大切なのです。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介328 「幸せをお金で買う」5つの授業(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!
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←休日の早朝は、海までのジョギングから始まります。

その後、ジムで体を鍛えまくります。

強い精神は強い肉体に宿ると確信しています。

継続は力なり。

今日は、午前中は、沼津の裁判所で債権回収の裁判が1件、新規相談が1件入っています。

午後は、新規相談が1件、交渉事件が1件、裁判の打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。
「幸せをお金で買う」5つの授業 ―HAPPY MONEY

著者は、カナダのブリティッシュコロンビア大学の心理学准教授の方と、ハーバード・ビジネススクールのマーケティング学准教授の方です。

「幸せはお金では買えない」は本当なのか?ということについて、いろんな角度から検証しています。

タイトルは、非常にキャッチーですが、中身は、とても真面目であり、参考になります。

お金と時間に関する考え方が変わりますよ。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

時間に追われていると感じている人々は、その瞬間を生きるのが難しくなります。・・・夕食の献立や返事を出していないメールについて考えるよりは、いまの瞬間に集中することが、幸福にとっては大事です。実際、いまやっていることが快適であろうと不快であろうと、それに集中しているときが一番幸せなのです。世界中の裕福な人々は、仕事などの前日にプレッシャーを感じたと答える傾向が高くなっています。物質的な豊かさによってあまり多くの幸福がもたらされないのは、豊かになるために自由な時間が減ってしまうことも1つの要因になっているのかもしれません。」(106~107頁)

「経済的に裕福な人たちは幸せに決まっている」と思いがちですが、そんなことはない、という話です。

経済的な裕福さと幸福度は、ある一定の年収までは比例するが、一定の年収を超えると比例の関係になくなることはよく知られています。

年収1000万円の人と年収1億円の人で、後者のほうが10倍幸福度が高いかといえば、そんなことはないでしょう。

結局のところ、経済的な豊かさだけが幸福度を測る尺度ではない、ということです。

私は、経済的な豊かさ以外に、「承認欲求の充足感」という尺度を持っています。

「承認欲求」というのは、人から認められたい、と思うことです。

多くの人は、人に認められたい、という欲求を持っています。

みなさんも、上司やお客様、同僚などに自分の仕事が認められたときって、うれしくなりませんか?

それです、それ。

仕事以外の活動でも同じことです。

「こんな私でも、社会や人の役に立っている」という実感こそが、幸福感につながるのだと信じています。