本の紹介303 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、セノバ内の「ピッツェリア ドォーロ ローマ」に行ってきました。

写真は、「パンチェッタとポルチーニ茸のカルボナーラ」です。

パンチェッタとポルチーニ茸は、ともに個性が強い食材ですが、見事にマッチしています。

すばらしい!

今日は、午前中は、新規相談が1件、打合せが1件入っています。

午後は、刑事裁判(裁判員裁判)の公判前整理手続が入っています。

夜は、裁判官による破産申立手引説明会があります。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

テレビでもお見かけする山口先生の本です。

山口先生は、東大法学部(首席で卒業)→財務省→弁護士というすごい経歴の方です。

しかし、本のタイトルにもなっているとおり、山口先生ご自身は、生まれながらの天才ではなく、圧倒的な努力をずっと続けてきた「天才」であることがよくわかります。

この本を読むと、刺激になりますよ。 おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

東大首席卒業、大学3年時に司法試験合格、大学4年時に国家公務員採用Ⅰ種試験合格、財務省入省、そして、弁護士に。 私には、天賦の才というほどのものはありません。しかし、今挙げたこれまでの私の経歴は、私の努力でもぎ取ったものです。私は努力することにおいては、誰にも負けません。これだけは自信を持って宣言できます。
・・・努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。
この王貞治さんの名言に、私はとても共感します。真摯な努力は、いつか必ず報われます。その信念があるから、私はこれまで努力を続けてこられたし、これからも努力を続けていけると思えるのです。」(59~60頁)

努力をすることは、多くの人ができることだと思います。

しかし、努力をし続けることは難しい。

また、王さんの言葉にもあるように、努力と呼ぶにふさわしい鍛錬をし続けることはもっと難しいわけです。

努力は必ず報われると心から信じている人だけが、圧倒的な努力を続けることができるのかもしれません。

自信は、着実な成功体験の積み重ねにより生まれるものだと思います。

短い人生の中で、どこまで駆け上がれるか、行けるところまで行ってみたいと思います。

労働者性9(ソクハイ事件)

おはようございます。 今週も一週間がんばっていきましょう!!

さて、今日は、メッセンジャーの労基法上の労働者性に関する裁判例を見てみましょう。

ソクハイ事件(東京地裁平成25年9月26日・労経速2198号3頁)

【事案の概要】

本件は、Y社との間で、「運送請負契約書」、「業務委託契約書」と題する契約を順次締結し、バイシクルメッセンジャーとして稼働していたXらが、Xらは、Y社から契約終了を告知されたが、(1)Xらは労働基準法上の労働者であり、X・Y社間の上記契約はいずれも労働契約に該当するから、同契約終了の告知は解雇に当たるところ、同解雇は理由がなく無効であって、同解雇により精神的苦痛も受けたなどと主張し争った事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ・・・以上によれば、本件業務委託契約書の規定内容は、Y社の配送業務の請負に関する約定であると認められるところ、その使用従属性については、メッセンジャーが稼働日・稼働時間を自ら決定することができ、配送依頼を拒否することも妨げておらず、その自由度は比較的高いことY社がメッセンジャーに対し、一定の指示をしていることは認められるが、これらは受託業務の性質によるところが大きく、使用従属関係を肯認する事情として積極的に評価すべきものがあるとはいえないこと拘束性の程度も強いものとはいえないことを指摘することができ、これをたやすく肯認することはできない。そして、メッセンジャーの報酬の労務対償性についても、労働契約関係に特有なほどにこれがあると認めることは困難である。もとより、メッセンジャーの事業者性が高いとまで評価することができないことは上記説示のとおりであるが、さりとてメッセンジャーの事業者性がないともいえず、また、専属性があるともいえず、むしろ、上記のとおり稼働時間を含めてメッセンジャーが比較的自由にこれを決定し、労働力を処分できたと評価し得ることに照らせば、少なくとも本件契約2締結後のXらメッセンジャーについて、労基法上の労働者に該当すると評価することは相当ではないというべきである(なお、Y社のメッセンジャーについて、労組法3条、7条所定の労働者に当たるとした当裁判所の判断があることは上記のとおりであるところ、上記認定事実によれば、本件契約2締結後においてもXらメッセンジャーはY社の事業組織に組み込まれ、個々の業務依頼を基本的には引き受けるべきことが想定はされていたこと、時間・場所・態様の各面につき、一定程度の拘束性があったことが否定されるものでもないこと等を指摘することができるところであり、これらの点に照らせば、本件業務委託契約締結後においても、Xらメッセンジャーが同法3条、7条所定の労働者に当たることまでは否定されないと解される。しかし、同法所定の労働者に該当するか否かは、同法の目的(同法1条1項)に照らし、団体交渉によって問題を解決することが適切な関係にあるか否かといった観点から検討されるべきものであり、労働力の提供を強制される立場にある労基法上の労働者に対する種々の保護に関して規定するところの労基法ないし労契法所定の労働者の該当性の判断の在り方との間で、自ずと差異が生ずることを否定することはできず、Xらメッセンジャーが労組法3条、7条所定の労働者に当たるからいって直ちに労基法上の労働者に該当するということにはならない。)。

2 以上によれば、XらとY社との間で締結した本件契約2において、メッセンジャーが労基法上の労働者に当たるとはいえず、同契約が労働契約であるとはいえない。したがって、その解消ないし打ち切りに解雇権濫用法理の適用(労契法16条参照)があるということもできず、これを前提とするXらの主位的請求は、その余の点について判断するまでもなくいずれも肯認することができない。

メッセンジャーの労組法上の労働者性が争われた裁判例は、こちらを参照。

労組法と労基法(労契法)では、法の目的が異なる以上、各法律における労働者の定義が異なることはおかしい話ではありません。

労働者性(の問題に限りませんが)については、複数の要素の総合考慮により判断されるため、この裁判例のいいとこどりをしようとしても、うまくいきません。

トータルで物事を考えなければうまくはいかないのです。

労働者性に関する判断は本当に難しいです。業務委託等の契約形態を採用する際は事前に顧問弁護士に相談することを強くおすすめいたします。

本の紹介302 会社の目的は利益じゃない(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。

会社の目的は利益じゃない 誰もやらない「いちばん大切なことを大切にする経営」とは

著者は、ネッツトヨタ南国株式会社の元社長・現相談役の方です。

ちなみにネッツトヨタ南国は、高知県にある会社で、全国のトヨタ販売会社300社中、12年連続顧客満足度No.1だそうです。 すごすぎますね。

なぜネッツトヨタ南国が12年連続で顧客満足度No.1をとり続けれらたのか、その秘訣がこの本に書かれています。

非常に参考になりますよ。 おすすめです!

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

顧客満足度が高いという評価をいただいているわが社のサービスは、当たり前のことを人並み外れた熱心さで実行し続けることによって生み出されています。
大事なのは、熱心さであり、続けることです。
それこそ、『いちばん大切なことを、日々、いちばん大切にし続けられるかどうか』なのです。」(25頁)

著者は、スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」に出てくる「いちばん大切なことは、いちばん大切なことを大切にすることである」という言葉が心に残ったと言っています。

フルタイムで仕事をしている人ですと、1日のうち、寝ている時間を除けば、その大半は、仕事をしていますよね。

もちろん、労基法の制限はありますが、それでも、残業時間も含めると、1日あたり、8~10時間程度働いているわけです。

1日の時間の使い方を円グラフで表すと、かなりの面積を「仕事」が占めるのでしょう。

この仕事の時間をいかに使うかが、人生の豊かさに大きく影響していることは言うまでもないことです。

単に給料をもらうために働くのではなく、給料をもらいつつ、自分の力を高めていく。

半年前より自分は成長しているか。

会社や社会に貢献できているか。

こういうことを意識して日々の仕事にとりくむことが大切なんだと思います。

能力や才能の問題ではなく、意識の問題です。

今、いちばん大切にすべきことを短期的にではなく、長期的な視点で考えて、日々の生活を送っていきたいと思います。

労働時間34(オリエンタルモーター事件)

おはようございます。

 

さて、今日は、労務提供の義務付け等は認められないとして時間外労働の未払賃金請求等を認めなかった裁判例を見ていきましょう。

オリエンタルモーター事件(東京高裁平成25年11月21日・労経速2197号3頁)

【事案の概要】

本件は、XがY社に対し、①平成22年7月から12月までの間、常時1時間ないし5時間程度の残業をしたとして未払賃金及び労基法114条に基づく付加金の支払いを、②退職時に法律上の原因なく金銭の支払いを強要されたとして不当利得に基づく支払金の返還を、③飲み会への参加や一気飲みを強要されて自律神経失調症を発症したとして使用者責任に基づく損害賠償金の支払いをそれぞれ求める事案である。

なお、原審(長野地裁松本支部平成25年5月24日)は、①の未払賃金及び付加金請求の一部を認容し、その余の請求を棄却した。

【裁判所の判断】

原判決中控訴人敗訴部分(上記①)を取り消す。

上記の取消部分に係る被控訴人の請求を棄却する。

【判例のポイント】

1 Xは、ICカードの使用履歴によれば、Xが平成22年7月1日から10月31日まで連日残業をしていたことが認められると主張する。しかし、ICカードは施設管理のためのものであり、その履歴は会社構内における滞留時間を示すものに過ぎないから、履歴上の滞留時間をもって直ちにXが時間外労働をしたと認めることはできない。そこで、上記ICカード使用履歴記載の滞留時間にXが時間外労働をしていたか否かについて検討する。

2 Xは、残業の内容として日報を作成していた旨主張する。しかし、日報が実習の経過を示すものであって会社の業務に直接関係するものではないこと、提出期限も特になく、必ず当日中に提出しなければならないとの決まりもなかったこと、Xの実習スケジュールにおいては実習メニューとは別に概ね35分ないし65分間の日報作成の時間が取られていたことは認定したとおりである。実習期間中には設けられた日報作成時間が5分間である日が3日あるが、上記のとおり日報について提出期限がなく、当日提出の決まりもなかったのであるから、この3日間について残業が必要であったということもできない。

3 Xは、時間外労働として翌日訪問する営業先の下調べ等をしていた旨主張するが、Xは、Y社に出社していた間は実習中であって、販売目標その他の営業ノルマを課されたこともなく、平成22年12月になるまでは1人で営業先に赴くこともなかったというのであるから、仮にXがその主張するような下調べをしていたとしても、これをもって労務の提供を義務付けられていたと評価することはできない

4 Xは、残業として発表会への参加を強制されていた旨主張するので検討する。・・・しかし、これらの発表会は実習中の新人社員が自己啓発のために同僚や先輩社員に対し実習成果を発表する場として設定されたものであり、会社の業務として行われたものではなく、これに参加しないことによる制裁等があったとも認められないから、Y社が業務として発表会への参加を指揮命令したものということはできない。

5 以上によれば、XがICカード使用履歴記載の滞留時間に残業して時間外の労働をしていたものとは認められないから、XのICカード使用履歴に基づく主張は理由がない

残業代請求の実務に一石を投じる判例ですね。

使用者側は、この裁判例を参考にして主張を展開するべきです。

労働者側は、これまでのように、タイムカード等の打刻時間のみから残業時間を算定するという安易な方法だと、足下をすくわれる可能性がありますので、注意が必要です。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介301 「これからの世界」で働く君たちへ(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、リニューアルオープンした「伊駄天」に行ってきました。

お店がとてもきれいになりました。

写真は、「極み醤油らー麺」です。

すごくあっさりしています。

〆の一杯にはいいと思います。

今日は、終日、労働事件の証人尋問です。

合計5名の証人の尋問を行います。 準備は万全です。

夕方から、打合せが1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 「これからの世界」で働く君たちへ

著者は、元アップル・ジャパンの社長です。

30年間、グローバル企業で働いてきた立場から、若者にアドバイスをしています。

第一線で働いてきた著者の仕事に対する厳しい姿勢が伝わってきます。 いい刺激になりました。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

時間を効果的に使って成果に結びつけようとするなら、『優先順位』と『犠牲にすること』の二点を何より意識することです。・・・多くの人は、テレビは癒しの時間だとか、お酒の時間で疲れを回復できるといった言い訳をすぐにつくりますが、普通に暮らして成果を出せるなら誰もが出せているのです。これから世界に出て活躍しようというみなさんには、ぜひ目先の言い訳で自分を正当化するのではなく、自分にとって何がもっとも大切なのかを見極めるようにしてください。」(142~144頁)

目先の言い訳で自分を正当化するのをやめる。

いい言葉ですね。

私は、「人間には能力の差はない。あるのは習慣の差だけである」という考え方が好きです。

向上につながらない、いわゆる「時間の無駄遣い」もひとつの習慣によるものです。

「時間の無駄遣い」をしても、自分を正当化することが習慣化されている人であれば、「気分転換も大切だ」などと正当化するわけです。

気分転換それ自体を否定するつもりはありませんが、あまりにも気分転換の時間と頻度が多い人は、気分転換を正当化せず、自分に力をつけるために時間を使うべきです。

普通の人間が、物心ともに豊かで充実した生活を送りたいと願うのであれば、自分の力を向上させるために日々、努力するしかありません。

棚からぼた餅を待っていては、いつまでたっても、現状を変えることなどできません。

義務感からしかたなしに努力するのではなく、努力して階段を一段一段上がっていくことそれ自体を楽しむことが大切ではないでしょうか。

もっともっと自分の商品価値を高めるために時間を使うべきです。

解雇132(I式国語教育研究所代表取締役事件)

おはようございます。

さて、今日は、解雇を理由とする会社法上の代表取締役の損害賠償責任に関する裁判例を見てみましょう。

I式国語教育研究所代表取締役事件(東京地裁平成25年9月20日・労経速2197号16頁)

【事案の概要】

本件は、Xらが、Y社の代表取締役であったAに対し、Aが、Y社をして①Xらを不当に解雇させたこと、②Xらへの賃金の仮払いを命じた仮処分決定に従わなかったことが、AのY社に対する任務懈怠ないしXらに対する不法行為に当たるとして、会社法429条1項ないし民法709条に基づき、損害賠償請求をした事案である。

【裁判所の判断】

請求棄却

【判例のポイント】

1 ・・・以上検討したとおり、Aの主張する解雇事由たる事実は、当該事実自体が認められないか、事実は認められるものの、解雇の客観的に合理的な理由とまではいうことができないものである。このように、本件解雇は、客観的に合理的な理由がないにもかかわらず行われたものであり、労働契約法16条に反し、解雇権を濫用するものとして無効である

2 Aは、本件解雇当時、Y社の代表取締役として、同社に対して善管注意義務を負っていたが、その中には労働法規を含む各法令を遵守する義務も含まれると解されるところ、本件解雇は無効であるため、Aは、客観的には上記義務に違反しているといえる。もっとも、Aは特段労働法規に通じていたわけではなく、本件解雇が無効であることを知りながら、故意に本件解雇を行うこととしたまではいうことができない
また、Aが、Xに対し、Aにおいて解雇に足ると考えた事由を記載した始末書への署名を求め、これを得た後に本件解雇の通知を発している事実を踏まえると、Aとしては取り得る手段をとったと認識しているのも無理からぬところであり、弁護士等に相談をしなかったことを考慮に入れてもなお、Y社が本件解雇を行ったことが、Aの重過失に基づくものであるとまでは評価することは困難である
よって、本件解雇については、Aの故意又は重過失によるということはできず、この点に関して、Aには会社法429条1項に基づく損害賠償責任は認められない。

3 本件解雇について、A自身が不法行為責任を負うかであるが、本件解雇はあくまでもAとは別に法人格を有する本件会社が行ったものであり、A自身のXに対する不法行為を観念することはできない。
よって、本件解雇について、AのXに対する不法行為責任は認められない

4 一般的に、会社に対し、金員の仮払いを命じる仮処分が発せられた場合、これに従わなければ、当該仮処分決定を債務名義として、会社の有する債権等、会社財産の差押えが行われ、その結果、会社の業務に支障を来す事態(預金債権の差押えを受けた場合が顕著である。)も想定しうるところである。よって、このような事態を避けるため、会社の取締役は、会社に仮払いを行わせる義務を負うというべきであるが、他方、会社の資金繰り状況等に照らし、仮払いを行うことによって会社の業務継続が困難になるような場合もありうるところであり、このような場合についてまで上記義務を負うと解されることは相当ではない
・・・よって、当該任務懈怠によってXらに損害が生じている場合には、Aは会社法429条1項に基づき、これを賠償する責任を負う。

5 Xは、Aの任務懈怠により、上記仮払金の支払をY社から受けることができなかったため、直接的に賃金相当額の損害を被ったと主張する。しかしながら、仮払いを受けられなかったとしても、Xは、なお本件会社への賃金請求権を有しており、Y社の破産等、その行使が不可能となるような事情も見出せないのであって、当該債権が直接的に損なわれ、損害を被ったとみることは困難である
したがって、この点についてのXの主張には、理由がない。
・・・Xの主張する精神的苦痛とは、結局、金銭的な負担に外ならず、これを賃金と別個の利益を侵害されたものととらえることは相当でない。したがって、この点についてのXの主張には理由がない

解雇事案で、役員の任務懈怠責任や不法行為責任を問われた珍しい事案です。

解雇自体は無効であるとの判断ですが、上記判例のポイントのとおり、代表者の責任は否定されています。

特に判例のポイント2は参考になりますね。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。

本の紹介300 リーダーのための仕事術(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。 

さて、今日は本の紹介です。

 負けてたまるか! リーダーのための仕事論 (朝日新書)

著者は、元伊藤忠商事の社長、前中国大使の丹羽さんです。

リーダーはどうあるべきか、ということについて、真正面から書かれています。

リーダーのみなさん、リーダーを目指すみなさん、是非、読んでみて下さい。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

リーダーたるもの、私心を捨てて努力あるのみです。皆が笑っているときには『ちょっと待てよ』と思わなくてはなりません。皆が泣いているときには、平常心で穏やかな顔でなくてはなりません。仕事がうまくいかなくて周りが気落ちしているときこそ、リーダーは明るく振る舞わなくてはならないのです。・・・自分だってしょんぼりしているのです。誰よりも泣きたい気持ちでいるのです。そこをグッと抑えて、率先垂範で逆境に耐え安心できる顔をみせなくてはなりません。リーダーの逆境に対する強さこそ、闇を照らす一筋の光でしょう。」(197頁)

僕の好きな言葉のひとつに「率先垂範」があります。 

いつも心の中に置いてある言葉です。

人の上に立つ者は、自分に対して最も厳しくなければいけないと思っています。

その覚悟を持ちながら、日々の生活を送っています。

労働時間33(Y本舗事件)

おはようございます。 

今日は、休日出勤手当の請求の一部等が認められた裁判例を見てみましょう。

Y本舗事件(東京地裁平成25年12月25日・労経速2196号21頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社に対し、①未払の早出出勤(始業時刻前の出勤)手当、休日出勤手当、賞与の支払を求めると共に、労働基準法114条に基づく付加金の支払いを求める事案、②不法行為に基づいて、未払の早出出勤手当、残業手当、休日出勤手当、賞与相当額の損害賠償を求める事案、③主位的には正社員を定年退職した後に嘱託社員としての地位を有することの確認を求め、予備的には期間雇用の契約社員としての地位を有することの確認を求めるとともに賃金と遅延損害金の支払いを求める事案である。

【裁判所の判断】

Y社に対し、休日出勤手当の一部である12万9722円及びこれと同額の付加金の支払いを命じた。

その余の請求は棄却。

【判例のポイント】

1 そもそも、労働基準法上の労働時間に該当するか否かは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであり、使用者の指揮命令下にあるか否かについては、労働者が使用者の明示又は黙示の指示によりその業務に従事しているといえるかどうかによって判断されるべきである

2 そして、終業時刻後のいわゆる居残残業と異なり、始業時刻前の出社(早出出勤)については、通勤時の交通事情等から遅刻しないように早めに出社する場合や、生活パターン等から早く起床し、自宅ではやることがないために早く出社する場合などの労働者側の事情により、特に業務上の必要性がないにもかかわらず早出出勤することも一般的にまま見られるところであることから、早出出勤については、業務上の必要性があったのかについて具体的に検討されるべきである
本件では、Y社の企業時刻は8時30分であるところ、Xは常にそれよりも1時間も早い、7時30分前後に出社していたとのことであるが、そもそも1時間も早く職場に来る必要性があったことを認めるに足りる証拠はない。また、X自身、タイムカード打刻後、食堂でいろいろ話をすることがあったとか、常時やらなければならない仕事があったわけでもないと述べている。さらに、Y社は、平塚労基署からXの上長が早出出勤しているときは、早出出勤の必要性があったとして、早出出勤分の残業代を支払うよう指導を受け、これに従い、6万0340円の時間外手当を支払っている。そうすると、Xが残業代を請求している早出出勤については、労働時間に該当すると認めるに足りる証拠はないものといわざるを得ず、Xの請求は認められない

3 Xは、2年の短期消滅時効によって消滅している早出出勤手当、残業手当、休日出勤手当、賞与相当額を不法行為に基づいて請求している。
2年の短期消滅時効にかかる早出出勤手当、残業手当、休日出勤手当、賞与相当額を不法行為に基づいて請求するについては、Xにおいて、Y社の不法行為の内容、それによってXのいかなる権利が侵害され、Xがいかなる損害を被ったのか、不法行為と損害との因果関係の存在、Y社の故意又は過失を主張立証する必要がある
ところで本件にXは、①Y社が黙示的に時間外勤務を命じながら、時間外割増賃金を支払わなかったとか、②Y社が本件労働契約どおりに賃金を支払う意思がなく無給でXを勤務させた等と主張しているが、①については単なる時間外割増賃金の債務不履行を述べているだけであって、不法行為責任の発生根拠について具体的な主張立証がなされているとは認めがたい。また、②については、Y社は本件労働契約どおりに基本給(月額)を支払っており、無給でXを勤務させたとは認めがたい。

上記判例のポイント2の早出出勤に関する判断は、使用者側としては押さえておきたいところです。

また、広島高裁でのとある判決が出て以降、よく消滅時効にかかった分について不法行為に基づいて請求することがありますが、そう簡単にはいきませんね。

労働時間に関する考え方は、裁判例をよく知っておかないとあとでえらいことになります。事前に必ず顧問弁護士に相談することをおすすめいたします。

本の紹介299 世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた(企業法務・顧問弁護士@静岡)

おはようございます。

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←先日、いつもお世話になっている社長とホテルセンチュリー内の「けやき」の特別賞味会に行ってきました。

写真は、「うずらのグリル ガーリッククリームと共に」

です。

うずらをガーリッククリームと一緒に食べるとパンチが出て、おいしゅうございました。

今日は、午前中は、新規相談が1件入っています。

午後は、浜松の裁判所で刑事裁判の判決が1件、その後、浜松の会社で打合せが入っています。

夜は、事務所で新規相談が1件入っています。

今日も一日がんばります!!

さて、今日は本の紹介です。

 世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実

この本は、著者が、投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだグローバル・エリートの仕事の極意やプライベートについて書かれています。

僕たちのような一般の人でも、彼らの考え方や行動規範を取り入れることは十分可能です。

とてもいい本です。 刺激を受けたい人は、是非、読んでみてください。 おすすめです。

さて、この本で「いいね!」と思ったのはこちら。

30代半ばで大手金融機関の東京支社長にまでなった元上司のオーストラリア人やイギリス人に、『とくに投資銀行の若手アナリストの場合、つまらない仕事が大量にふってくるが、それをどう乗り越えたのか?』と何度か尋ねてみた。すると彼らは異口同音に次のように答えた。
『とにかくつまらない仕事でも絶対にミスがないよう、120%の力で極力早く正確にこなした。たえずベストクオリティを心がけ、周囲から信頼と評判を得ることに注力した』
よく、『会社や上司が責任のある大きな仕事を任せてくれない』とこぼす人がいる。しかし、はたしてそういう人は、自分がいま任されている目の前の小さな仕事を完璧にこなしていると証明できているだろうか。
目の前の小さな仕事を完璧にこなせていないのに、もっと『大きな仕事を任せろ』といわれても、上司や会社の立場からすれば危なっかしくて仕方がない。」(43頁)

もうあまり付け加えることはありません。

まずは、誰でもできる単純な仕事をミスなくできるようにする。

それを積み重ねていくことが上司や同僚の信頼につながるのです。

100回に1回、特大ホームランを打つ選手よりも、毎回、バントでもフォアボールでもいいから塁に出る選手のほうが、監督としては、選手として使いやすいのです。

つまり、基本に忠実で、ミスが少ない人の方が、大切な仕事を任せやすいのです。

一流の選手ほど、基本を大切にすることはよく知られていることです。

今日から、誰でもできる単純な仕事をミスなくこなしてみてはいかがでしょうか。

きっと周りの評価が徐々に変わっていくと思いますよ。

凡事徹底。

解雇131(X建設事件)

おはようございます。

さて、今日は、労災事故発生事実の隠ぺいを理由とする諭旨退職処分に関する裁判例を見てみましょう。

X建設事件(東京地裁平成25年9月27日・労経速2196号3頁)

【事案の概要】

本件は、Xが、Y社が行った諭旨退職処分及びそれに引き続くXの退職の意思表示は無効であると主張し、その後自ら退職した日までの賃金、賞与及び退職金(諭旨退職処分により20%減額された分)等の支払を求めた事案である。

本件懲戒の理由は、Xが、事務所の所長として、所管工事全般の責任及び所管現場事業所所属員の業務執行を指揮監督する職責を担っており、当該工事現場において労災事故が発生した場合、所定の手続を取らなければならなかったにもかかわらず、本件事故発生当日にその事実を知りながら約3年5か月にわたり所定の報告をせず、また、被災者の直接雇用主をして療養補償給付たる療養の給付請求等を提出させることもしなかったこと等である。

【裁判所の判断】

諭旨退職処分は有効

【判例のポイント】

1 Y社において諭旨退職とした事例のうち最近の3件の概要は、前記のとおりであると認められ、これらの事実によれば、Y社の本社及び支店主張所における各不正発注事案2件及びY社の支店における地下鉄工事の談合事案であるというのである。このうち、各不正発注事案については、Y社に対して直接に金銭的損害を与える行為ではあるものの、必ずしもY社の対外的な信用を大きく損なう行為ではないと認められること、談合事案については、Y社の対外的信用を大きく損なう行為ではあるものの、事実上談合に協力せざるを得ない状況の下での行為であると認められること等が斟酌され、Y社はいずれも諭旨退職処分としたというのである。
一方、本件は、行為そのものの企業秩序侵害の程度は大きく、Y社において経済的損害及び対外的信用の損失も相応に生じているのであって、Xに対する関係では諭旨退職よりも軽い処分でなければ前記3件と比較して均衡を失するとまではいい難い

2 懲戒処分に至るまでの手続が短期間で行われたことそのものは、処分の量定の適正さとは何ら関係のない事情というべきであるし、本件諭旨退職処分の理由となる事実及び情状事実を総合しても、本件諭旨退職処分が重きに失すると認めるに足りる事情がないことは既に説示したとおりであって、Y社において、本件諭旨退職処分を迅速に発することにより、結果的に行政処分を免れ、又は軽い処分で済むことがあり得ることを予測していた可能性は否定することができないものの(なお、このこと自体は何ら不当なものではないというべきである。)、それを超えて、国土交通省が行政処分を課すかどうか及びその内容を検討するに当たり有利な情状として利用するために、ことさらに短期間に、かつことさらに重い懲戒処分を課す意図があったとまで認めるに足りる証拠はない

3 確かに、本件諭旨退職処分により、Xは、退職届を提出して退職するか、さもなくば懲戒解雇となるという状況において、諭旨退職処分の方が懲戒解雇よりもXに有利な処分であること、本件就業規則59条1号には、懲戒解雇の場合には原則として退職金が支給されない旨が規定されていることに照らせば、利害得失の観点からは、退職届を提出するかどうかの選択の余地がある程度制約されていたと認められる。しかしながら、このことにより、直ちに本件退職の意思表示がXの自由な意思や真意に基づくものでないことまで認められるものでないし、他に本件退職の意思表示をする際、Xの自由な選択を妨げる事情があったとは認められない。したがって、その余の点を検討するまでもなく、この点に関するXの主張は理由がない。

懲戒事案では、他の事案との不均衡さを争点とすることがあります。

もっとも、それぞれ事案が異なることから、そう簡単には不均衡・不相当であるとの判断には結びつきません。

解雇を選択する前には必ず顧問弁護士に相談の上、慎重かつ適切に対応することが肝心です。決して、素人判断で進めないようにしましょう。